2023-2025 サステナビリティ・レポート(日本語版)

Responsibility all along the line 2023 – 2025 Sustainability Report with EMAS Environmental Statement

A Holistic Approach

1907 年に、家族経営の小さな工房からスタートしたウィルクハーンは、オフィス コントラクト分野でグローバルな成功を収め、ドイツデザインを象徴するプレミア ムブランドへと成長しました。

しかし私たちは、サステナビリティの本質は何よりもまず、品質であると考えて います。真に長い期間ユーザーの生活に寄り添い、よりユーザーの生活を快適に するものであればあるだけ、より長く使えれば使えるだけ、ユーザー、自然環境、 そして社会にメリットを与えることができるからです。 つまり、私たちのサステナビリティ・レポートのタイトル 「 Responsibility all along the line (あらゆることに責任を持つ)」 がすべてを物語っています。私たち はダイナミックに変化する環境の中で、求められる高レベルの水準に取り組み、 従業員一人ひとりが日々挑戦を重ねています。自然環境に対し、ウィルクハーン が果たすべき責任とは、真の付加価値を提供する、現代のニーズに即した最善の ソリューションを生み出す努力であると私たちは考えます。 私たちは、人々の持つ専門知識とスキルこそが、未来につながるソリューションを 求めるグローバルな競争において、最も強力な武器であると考えています。より 良い、よりサステナブルなオフィス環境デザインに対する私たちの取り組みが、 世界中で評価されていることを嬉しく思います。そしてまた、この道からぶれる ことなく、これからも歩み続けることこそが、私たちの挑戦であると考えています。

私たちの成功には、十分な理由があります。ウィルクハーンは非常に早い時期に、 時代を牽引する建築家やデザイナーと協業をおこなってきました。そのプロセス の中で、イノベーションの重要さを学び、レスポンシビリティに基づくデザイン アプローチを構築しました。 当時の使い捨て社会に対し、自分たちが果たすべき環境責任が何かを考え、導き 出した答えが、「最上級の品質、革新的な機能性、時代を超越したデザインをもつ 製品を販売する」ことでした。 そして同時に、社会責任に真摯な企業であることも、ウィルクハーンの DNA とい える大切な姿勢です。自社だけにとどまることなく、サプライチェーン、取引先、 顧客との関係すべてにおいて、常に配慮を払ってきました。 約 35 年前、私たちは環境型建築の第一人者である 2 人の建築家、フライ・オットー とトーマス・ヘルツォークに自社工場棟の設計を依頼しました。この工場棟の竣 工が転換点となり、ウィルクハーンは単にモダンデザインのパイオニア的存在と してだけでなく、数多くの環境賞を受賞する環境配慮型企業としても知られる ようになりました。 私たちは長い間、コラボレーションを促進するオフィスをつくること、健康を保つ ために就業中の身体の動きを増やす家具を開発すること、デジタル化やサステナ ビリティに対する意識変化、人口減少による働き手不足、環境変動など、さまざま な社会動向を察知し、それらの問題へのソリューションを提供する努力を続けて きました。そして現在、オフィスファニチャー業界全体がこれらの課題に取り組む ようになりました。新たに発売されるオフィス家具の宣伝文句に、「環境配慮」や 「サステナビリティ」というワードが並ばないことは、今やほとんどないと言っても 過言ではありません。

Thomas Mänecke CEO

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Contents

Company A family-run company with a global reputation Brand values and corporate policy Social responsibility Encouraging health and safety Certification

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6 - 7 8 - 9 10 - 11

Product creation Concept and design Product responsibility

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Materials Sustainable, certified materials

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Production Ecologically relevant activities and machinery

Product utility Product innovations, sustainability included

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End of usage

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Sustainability management Sustainability aspects Sustainability goals and sustainability performance. Successes and stumbling blocks

Sustainability Action Plan Material- and energy-flows GRI standards for sustainability reporting

Legal notice

40

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Bad Münder, Deutschland

Rotterdam, Niederlande

Brüssel, Belgien

London, England

Posen, Polen

Bern, Schweiz

Wien, Österreich

Zürich, Schweiz

Toronto, Canada

Tokio, Japan

Madrid, Spanien

New York, USA

Shanghai, China

Casablanca, Marokko

Hongkong, China

Dubai, UAE

Kuala Lumpur, Malaysia Singapur, Singapur

Brisbane, Australien

Sydney, Australien

Johannesburg, Südafrika

Melbourne, Australien

Legende

Fertigungsstätte Vertriebsgesellschaft Lizenznehmer

A family-run company with a global reputation

ウィルクハーンは 1907 年に北ドイツのバッドミュンダーで創業した、家族経営の 企業です。創業から現在に至るまで、いずれの企業グループにも属したことはな く、独立経営を続けています。経営者一族は従業員の権利尊重に積極的で、労働 組合の委員長は監査委員会へ出席する権利を有し、同時に議決権を持っていま す。ウィルクハーンの企業目的は、先進的で高品質な、優れたデザインの家具を 開発・製造し、世界に向けてそれらを販売することです。ウィルクハーン・ブランド は、世界最高級の品質と、革新的な人間工学的機能、そして先 進 的なデザインを 特徴としています。 • 3 世代にわたる家族経営企業 • モダニズムに根ざすデザイン • ユーザーのニーズを何より重要視する • アイデンティティ、コラボレーション、 well-being を育み、サステナブル な社会形成に貢献する製品 • オフィスチェア、カンファレンス / コラボレーションスペース向けの家具、 コミュニケーションの場となるインフォーマルエリア向けの家具に注力 • 収益の約 60 %を海外市場で獲得 • バッドミュンダー、ポズナン、シドニーの生産 3 拠点に加え、東京、カサブ ランカ、ヨハネスブルグ、トロントでライセンス工場が稼働

私たちはサステナブルな社会の実現を目標に、ユーザー・フレンドリーで、 ロングライフなものづくりを目指しています。環境保護に模範的な貢献を果たし、 その姿勢は世界中で高い評価を得ています。ウィルクハーンは少し先の未来の 「働く環境」がどんなものかを考え、そのポテンシャルを最大限に引き出す家具を 世に送り出しています。以下は、私たちが販売する、主な製品群です。 ・ 着座中の身体の動きを促し、ユーザーの健康に資するオフィスチェア ・ 意思決定、学習、意見交換など、前進的なアクティビティが起こる場であるカン ファレンスルーム、セミナールーム、イノベーションルームのための家具 ・ カフェテリア、ラウンジなど、コミュニケーションを促進し、同時にくつろぎの 場となるインフォーマルなエリアのための家具 2022 年時点の従業員数は 457 名、売上高は約 9,000 万ユーロです。収益の約 60 パーセントを、海外市場で得ています。 ドイツ・バッドミュンダーに置かれた本社 工場の年間生産能力はオフィスチェア 150,000 脚、カンファレンスチェア 120,000 脚、テーブル類 30,000 台です。

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Brand values and corporate policy

私たちはデザインの持つ力を信じています。だからこそ、健康を増進し、 well-being と創造性を育み、人々の仕事への意欲を高める、サステナブルなオフィス家具を 生みだすことに情熱を注いでいます。 形態と機能は等しく重要です。ウィルクハーン・ブランドの特徴は、世界最高級の 品質と、革新的な人間工学的機能、そして先 進 的なデザインです。私たちはウィル クハーンが現代のプレミアムブランド、つまり、現在の状況を理解し、かつ今後の 展開を予見し、真の付加価値を備えた優れたソリューションを目指す存在であり 続けるよう、努力を続けています。 知識の継承を大切にしています。なぜなら、知識は未来につながる最も価値のあ る財産だからです。私たちの企業としての市場競争力は、社員の専門知識によっ て支えられています。社員一人一人の「学び」による知識の蓄積が、企業の成功を 呼び込むのです。そのシステムをさらに盤石なものとするため、個人の持つ専門 知識を、同僚やビジネスパートナーと進んで共有するよう働きかけています。その 結果、社員の知識量やスキルだけでなく、コミュニケーションの面においても、私 たちは競合他社に一歩先んじる存在となりました。 顧客の期待を超える、心に刻まれる印象的な製品とサービスを提供します。「全体 は部分の総和に勝る」は真理ですが、同時に、製品やサービス全体の品質を左右 するのが、細部の品質一つ一つであることもまた事実です。だからこそ、ウィルク ハーン・ブランドのコア・バリューの 1 つに、すべてのプロセスにおける卓越した サービスの提供を挙げています。その姿勢は販売においてだけではなく、製品その ものや生産工程、そしてブランディングに至るまでのすべてに貫かれています。

企業責任を果たし、未来形成の一助となります。私たちは、サプライヤー、顧客、 環境に対して公正であることをポリシーとしています。自然・環境に対して責任を 負い、常に法律と規制を遵守し、現在そして将来にわたって、人々の要望に応え 続けます。 チャンスを見極め、リスクを回避するために、積極的なアプローチを取ります。 私たちは定期的に自分たちの行動を見直し、常に改善に努めています。体系的 かつ継続的に企業目標の達成に取り組み、会社の永続的な成功へとつなげます。

事業の成功、社会と環境に対するレスポンシビリティ、文化活動への参加。これら を実践していくことが、私たちを模範的企業へと成長させ、今後の発展を導きます。

ウィルクハーンでは、従業員全員が、自らがブランドの一部であることを常に念頭 に置いています。自分の仕事に情熱を注ぎ、目標達成のためにあらゆる手段を 尽くします。現在、世界中の多くの企業、ユーザーから、ウィルクハーンはパート ナーとして選ばれています。この事実が、私たちのコミットメントが顧客に伝わっ ていることの証明です。

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Social responsibility

ウィルクハーンでは、全従業員が一体となって企業の目的達成に取り組む、コラ ボレーティブな経営スタイルが実践されています。 110 年超の長い歴史の中で は、強いイニシアティブを発揮するリーダーが主導する経営スタイルや、プロジェ クト主導の方針が執られたこともありましたが、 2000 年以降は、ポテンシャル重 視型のアプローチが採用されています (" 会社は従業員一人一人のポテンシャル を活かすために存在します。相乗効果を引き出し、スキルを集結させ、個人個人 を自由に行動させることが会社組織の役目です ") 。 透明性 長期的な企業戦略の一環として、経営陣および従業員全員の役割と責任を、正確 性かつ透明性をもって明示しています。毎月、各部門の代表者は、自身が所属 する部門の最新 KPI について、執行役会のメンバーに報告をおこなっています。 社内の情報共有手段の一つとして、イントラネット上に公開している社内報 「 Wilkhahn Aktuell 」で、各国拠点のイベントや納入事例、進行中のプロジェクト、 そして従業員の結婚や出産などのハッピーなライフイベントの紹介をおこなって います。製造部門では、担当業務によって従業員が日常的にイントラネットにアク セスしていない場合があるため、彼らに向けて「 Wilkhahn Aktuell 」をレクリ エーション・エリアの大型モニターに表示しています。 従業員の自己研鑽・人事管理 私たちは、従業員各人のスキル向上が、会社に発展をもたらすことを確信してい ます。そのため技術習得や自己研鑽プログラム、最新のマネジメント・メソッドの 学習と導入、公正な給与システム、魅力的な企業文化の育成に、計画的に投資し ています。 • ウィルクハーン・アカデミー 「従業員のスキル向上が会社に発展をもたらす」という信念のもと、従業員の 学びの場である「ウィルクハーン・アカデミー」を開設しています。各部門のマネー ジャーは、アカデミーを統括する人事部と連携しながら、一人一人のスキルに合っ たトレーニング・セッションに、部下を参加させる義務を負っています。

ウィルクハーンはドイツの労働組合である IG Metall ならびに BWI (Building and Woodworkers International) に対し、公正な労働環境を維持し、労働者の権利を尊重することを誓約しています。ま た、 2009 年からは自主的にフレームワークを定め、この目的への取り組みをおこなっています。 写真左から 元 IGM 会長 Berthold Huber 、ウィルクハーン監査役会会長 Dr Jochen Hahne 、 BWI 書記長 Anita Normark 、ウィルクハーン 労働組合代表 Ralf Olaf Stender 職業トレーニング 会社が成長していくためには、十分な訓練を受けた、熟練の従業員の存在が不 可欠です。そのため、ウィルクハーン・アカデミーの自己研鑽プログラムと並行し て、生産部門と管理部門の若年層の従業員に対し、きめ細かく、徹底したトレーニ ングを提供しています。これらのプログラムやトレーニングを修了した従業員は、 おしなべて優秀な業務成績を上げています。 継続的改善の鍵となる、従業員の積極的な経営参加 ウィルクハーンでは、会社の意思決定に従業員も積極的に参加しています。労働 組合の代表、ならびに健康・安全管理責任者は、経営陣とともにソーシャル・サス テナビリティを向上させ、環境に対する責任意識を高める活動をしており、労使 会合や四半期ごとに開催される健康・安全・環境委員会 (the quarterly health and safety and environmental committee) を通じて、従業員に働きかけを しています。また、従業員が会社をより良くするための意見を吸い上げるプラット フォームがあります。オフィス・作業場の安全確保についてでも、資源やエネル ギーの節約につながるアイディアでも、なんでも投書することができます。優れた アイディアには、明示された透明性の高いルールに則って、褒賞が与えられる リワード制度が設けられています。 このような、従業員が会社の将来形成に関与する経営方針で重要なのは、社内 組織である労働者委員会との協力関係です。ウィルクハーンでは、委員会に会の 独立性と、監査役会への出席権および投票権を約束しています。

「 Learning from Each Other (互いに学びあう)」をスローガンに掲げるウィル クハーン・アカデミーの目標は、以下の 5 つです。

• 「学び」を日常業務の一部にする

• 既に我々が持っている、または今後手に入れる専門知識とスキルを保守し、 継承していく

• 新しいツールや IT システムをよく理解し、その使い方を学ぶ

• 優秀な人材を発掘し、育成する

• 活発な従業員間のスキルや情報の共有を、企業の魅力の一つとすることを 目指す

社内のリソースで提供できないトレーニングの場合は、必要に応じて外部から トレーナーを招請しています。

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• ボーナス制度 労働組合からの提案と彼らの協力により、生産部門の従業員を対象とした新たな ボーナス制度を設けました。継続的な生産性向上に対してのインセンティブに 加え、品質管理業務への責任感と意欲を促す、クオリティボーナスも設定されて います。 ソーシャル・レスポンシビリティ サステナビリティに関する複数の団体、協会、ネットワークに加盟し、マネジメント チームや従業員が勤務時間中にサステナビリティに関する活動に積極的に参加 しています。

チームスピリットを醸成し、近況を各国拠点に発信する社内コミュニケーションツールの一つに、社内 報「 Wilkhahn Aktuell 」(英独併記)があります。

• 挑戦型経営 • 目的に対するアグリーメント • ウィルクハーン・アカデミー • 人材育成 • 経営参加を促す • 公平性 • 優れた職業トレーニング • 賃金の不平等撤廃 • 就業・就学両立への理解

コラボレーションにおける企業価値 「公正・信用・信頼」「ユーザー・ファースト」「コミットメント」「シンプルな明解さ」 「サステナビリティ」「イノベーションへのあくなき欲求」。これらが、ウィルクハーン の企業文化を形成する、包括的原則です。ウィルクハーンは、これらの価値観は どんな事柄にも共通するきわめてベーシックな信念であり、世界各国のウィルク ハーンで働く従業員は、等しくこの価値観を共有し、実践し、発展させていかなけ ればならないと考えています。従業員各人の行動、リーダーシップ、そして積極性 の動機は、常にこの原則に裏付けされています。 • 機会均等、差別撤廃、公正な賃金 性別や人種によって、トレーニングの受講機会、休暇取得、昇進に差が出ることは ありません。適正な労働対価を従業員に支払うルールが、数十年前から明言化 されています。また、特別な支援を必要とする人たちの雇用にも積極的で、 彼ら も健常者と同じく、会社を支える大切な戦力となっています。 雇用契約書にも賃金、職業訓練、平等に関する規則が明記され、経営陣と労働 組合から任命された、差別禁止・機会均等担当者が、従業員の相談窓口を務めて います。

ソーシャル・コミットメント ウィルクハーンでは公教育にも力を入れており、従業員が学士過程や修士課程 の学生の論文指導をおこなっています。要望に応じて、建築、デザイン、サステナ ビリティなどのテーマで、学生向けの質の高いツアーを開催しています。 また、企業として取り組んでいる文化的・社会的活動については、ブログや講演、 人間工学・デザイン・サステナビリティなどの専門誌上で定期的なレポートを発信 しています。

2019 年にウィルクハーン本社で開催された建築シンポジウム「 The Bauhaus 100 Lessons for a digitalized world? 」の様子。

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Encouraging health and safety

健康的で安全なワークプレイス “健康は個人にとっても会社にとっても、とても貴重なものです。そのため、従業員 の健康を守り、積極的に増進することを、会社の最も重要なゴールの 1 つとして います”

ヘルスマネジメントチームの中核目標 • 従業員の高齢化を反映したシステムづくり • 管理職の意識を高める • 全員が自分の健康に責任を持つ • チームの活動を浸透させる • 予防のための行動 • 毎月補助金を支給し、フィットネスへのインセンティブを高める • ヘルス・アクティビティ・デーの実施 • 理学療法を受ける機会やスポーツをする機会の創出

ウィルクハーンが従業員の健康増進に取り組むのは、以下の 2 つの理由からです。

• 成長を続ける企業であるために、従業員のモチベーションならびにパフォー マンスの維持、人口動態の変化への対応、就業年数の延長に目を向ける必要が ある。 • オフィスファニチャーの開発・販売・マーケティングに携わる企業として、 まず 自社の従業員に最先端の well-being で健康的なワークスペース提供し、働く 環境を整えることが企業の成功に貢献することを証明すべきである。 ヘルスマネジメントシステム ヘルスマネジメントチームは、安全衛生を担当する役員だけでなく、従業員代表 委員会議長、人事チームのリーダー及びスタッフで構成され、労働安全管理の リスク回避アプローチを補完する、健康増進を奨励するインセンティブを積極的 に策定しています。右上枠内は、チームの中核目標です。 ISO 45001 に基づく体系的な安全衛生のための行動的・構造的アプローチ ISO45001 は国際標準化機構( ISO )が発行する、労働安全衛生マネジメントシス テムに関する国際規格で、ウィルクハーンではこの規格に基づいたヘルスマネジ メントシステムを構築しています。以下は、チームの主な活動内容です。

• 健康・安全・防火対策の立案と実施 • ワークスペースにおけるリスクと、その正しい対処法に関する情報ならびに 危険回避・対処訓練の提供 • 社内の定期的な安全点検 • 四半期ごとの健康・安全委員会の開催 • ワークスペースのリスク評価の定期的なアップデート • 健康・安全管理者・担当者による、有事の応急処置などに関する定期的な訓練 の実施 新しい業務がスタートするときや、オフィスまたは工場に新しいスペースがつくら れるときは、計画の初期段階から健康・安全管理者が関わり、新しい業務を担う 従業員や、新しいスペースで働く従業員の心身のストレスが最小限になるよう アドバイスとチェックをおこないます。 大型テーブルの天板の持ち上げや、アセン ブル中のチェアの旋回など、作業者にかかる身体的負荷の大きな作業については、 作業を代替・補助するマシンを以前より導入しています。

• 手順や作業スペースが安全であるかの確認 • 責任の体系化と明確化

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可能な限り、危険な薬剤や材料の使用を避けています。 脱脂や接着など、危険 物質を使用せざるを得ない工程においては、適切な分量を、防護策を講じて取り 扱うよう徹底しています。

危険作業に従事する際は、安全と行動に関する規則についての事前教育がおこ なわれます。必要な教育プログラムを終了していない従業員は、危険作業を含む 業務に携わることはできません。 安全靴やイヤー・プロテクターなどの個人用の防護具も、従業員に無償で支給し ています。また、何らかの慢性疾患をもつ従業員には、産業医がアドバイスをおこ ない、検診を実施しています。 オフィスや工場など、仕事環境に起因する従業員の精神的なストレスは、比較的 最近になって論じられるようになった問題です。 専門家団体との共同パイロット プロジェクトの一環として、ウィルクハーンはニーダーザクセン州でいち早く、 すべてのワークスペースのリスク評価項目に、精神的ストレスを組み込みました。 評価を元に、さまざまな改善策を講じています。一例として、オフィスの騒音スト レスを軽減するため、防音パネルを導入しました。このリスク評価によって、オフィス にいかに多くのストレス要因が潜んでいるかを、明確に認識することができました。 ウィルクハーンでは、健康と安全の維持に対する投資を継続的におこなっています。 実際に本社敷地内での事故件数は少なく、健康・安全管理が有効に機能している ことを実証しています。

• 安全衛生の維持に対する継続的な投資 • 事故や長期疾病のリスクを低減させることを目的とした、リスク評価の 定期実施 • ISO 45001 規格(旧 OHSAS 18001 )に基づくドイツの労働安全衛生法 に準拠した労働安全衛生管理

従業員に対し、最新の健康と安全に関する、実用的で詳細な情報の発信を日常的におこなっています。

生産部門の従業員の作業負荷を最小限に抑え、また、スペースの効率化を推進するため、さまざまな昇降・搬送装置を導入しています。

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Certification

D-133-00055

今まで受賞してきた数々の賞が、ウィルクハーンがデザイン・機能・サステナビリ ティすべてにおいて、突出した存在であることの証です。中でもサステナビリティ については、製品・原材料だけではなく、企業としても複数の外部認証を取得し ています。それはウィルクハーンが、公正な取引・雇用条件のもと、自然や人体に 害を及ぼす危険性のある薬剤の使用をおこなわず、 CO ₂ 排出量への配慮も十分 なされた体制下で、安全で耐久性に優れた製品生産をおこなっていることの証明 です。

EMAS EMAS ( Eco Management and Audit Scheme )は、 EU が策定した環境マネジ メントと監査を組み合わせたシステムで、その目的は、企業が環境パフォーマンス を改善していることを確認することにあります。ウィルクハーン本社は、 2001 年 以降、 EMAS 認証が新たに更新されるたび、最新版の取得を重ねています。また、 ウィルクハーンはウェブサイト上で、企業体としての環境報告書と、各製品の環境 情報を公開しており、誰でも自由にダウンロードすることができます。 FSC® 製品に森林管理協議会( FSC )の認証ラベルを表示するためは、木材の生産から 製品加工・流通にかかわるすべての企業が、 FSC 認証企業である必要があります。 ウィルクハーン本社は、加工工場・販売業者として FSC 認証を取得しています (ライセンスコード C118389 、認証番号 TUEV-COC 000462 )。 FISP FISP ( The UK Furniture Industry Sustainability Programme )は、世界の 主要家具メーカーの多くが加盟する The British Furniture Industry Envi- ronment Committee ( FIEC )が定めるプログラムで、会員の事業運営をサステ ナブルな観点から継続的に改善することを目的としたスキームです。現在 60 近い 企業が FIEC に加盟しており、ウィルクハーンもそのリストに名を連ねています。

企業として取得している認証

ISO 9001:2015 品質マネジメントシステム ウィルクハーンでは、製品とプロセスの品質を守り、最適化を継続的におこなって いくために、 1996 年に包括的な品質管理システムを構築し、その後国際的な 品質マネジメント規格である ISO 9001 の認証を受けています。 ISO 9001 で評価 される事項には、顧客重視、経営責任、関係する全従業員の参加、プロセスの 安全性の確保と改善、サプライヤーとの関係など、品質マネジメントに関わる すべてが含まれます。

ISO 14001:2015 環境マネジメントシステム 私たちはまた、環境パフォーマンスを評価する ISO 14001 の認証も取得しています。

ウィルクハーンは国連グローバル・コンパクトを 支持しています

国連グローバル・コンパクトの 10 原則

環境 企業は、 原則 7 環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持し、 原則 8 環境に関するより大きな責任を率先して引き受け、 原則 9 環境にやさしい技術の開発と普及を奨励すべきである 腐敗防止 企業は、 原則 10 強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り 組むべきである

人権 企業は、 原則 1 国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重し、 原則 2 自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである 労働 企業は、 原則 3 結社の自由と団体交渉の実効的な承認を支持し、 原則 4 あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持し、 原則 5 児童労働の実効的な廃止を支持し、 原則 6 雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである

ウィルクハーンは全社を挙げて、サステナブルな開発 目標に尽力しています。

2007 年 12 月、ウィルクハーンは国連グローバル・コンパ クトに参加し、会社のあらゆる分野において責任ある 経営方針を義務化しました。私たちは企業責任を、すべて の利害関係者の要求の間で、許容できるバランスを見い だす努力を続ける企業姿勢であると定義しています。

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www.blauer-engel.de /uz117 · emissionsarm · geringer Schadstoffgehalt

Product certification

Other product and environmental information

GS マーク ウィルクハーン製品の多くが、世界的に認知度の高い GS ( Geprüfte Sicher- heit/ German certification )マークを取得しています。 GS マークはドイツ製品 安全法が定める品質・安全基準を満たすと認められた製品に与えられる品質保 証ラベルで、ドイツ国内および欧州指令および規則に適合していることを示しま す。 ANSI/BIFMA X5.1 and X5.5 ヨーロッパを代表する品質保証ラベルである GS マークに加え、一部のウィルク ハーン製品は、 ANSI と BIFMA が共同で制定している米国規格 X5.1 および X5.5 に準拠し、その安全性、耐久性、機能適合性が認証されています。 ANSI : The American National Standards Institute BIFMA : The Business and Institutional Furniture Manufacturer's Association Blue Ange Blue Angel はドイツ連邦環境省が 1978 年に創設した世界初の環境認証ラベル です。ウィルクハーンはこのラベルを取得した材料を製品に多く用いています。 また、ウィルクハーン製品の多くが、低排出布張り家具に関する UZ-117 要件を 満たしており、 Blue Angel の認証を受けているモデルもあります。 Greenguard The Greenguard Environmental Institute は、主に内装材・家具製品を対象 とする米国の独立認証機関です。環境面だけでなく、製品が健康に害を及ぼす 可能性のある汚染物質を排出しないことを保証することに特に重点を置いて います。ウィルクハーンのほぼすべての製品が、 Greenguard 認証を取得してい ます。 AFRDI Green Tick Australian Furnishing Research and Development Institute の Green Tick 認証は、家具製品が満たすべき環境要件に特化した認証で、製品に対する 総合的なアプローチ(材料の調達からデザインに至るまですべて)を審査対象と しています。ウィルクハーンはプラチナ・レベルの証明書を取得した最初の企業 です。多くのウィルクハーン製品が、この認証を取得しています。

Environmental product information ウィルクハーンでは、製品が生産され、役目を終えるまでのライフサイクル全体 で、どのような影響を環境に及ぼすかを、開発段階から厳しく検討します。ほとんど すべての製品において製品ごとの環境シート( Environmental product infor- mation/ EPI )を作成・公開し、製品の使用材料、リサイクル材の使用率、リサイクル 可能率、取得している環境認証の概要を明示しています。 LEED LEED ( Leadership in Energy and Environmental Design )とは、 The US Green Building Council が建物の環境的・社会的適合性を評価するために用い ている評価システムです。ウィルクハーンのオフィスチェアとテーブルシリーズが 使用されている場合、追加クレジットポイントが与えられます。 Fire safety ウィルクハーン製品は、欧州規格 EN 1021-1 規格をはじめとした布張り家具に 関する国内外の様々な防火規制に適合しています。環境配慮をおろそかにする ことなく防火性能を確保し、可能な限り環境に害を及ぼすおそれのある化学物質 を使用せずに基準を達成するよう努めています。 REACH ウィルクハーンとサプライヤーは、 EU が制定した REACH (人の健康と環境保護 のため、化学物質を管理する規則)で安全であると認可された物質以外を使用 していません。 RoHS 製品に組み込まれる電子部品は、 EU の RoHS 指令に準拠しています。ウィルク ハーンでは、電子部品に含まれる有害物質を排除することで、材料のリサイクル 性を最大限に高めています。

• 製品の多くが、 GS マークをはじめとした耐久性・安全性・人間工学に 関連する各種の国際規格を満たす • 多くの製品が、室内に設置しても空気汚染の恐れのある物質を放出 しないことを証明する Greenguard 認証を取得

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Product creation – concept and design

“役に立たない製品や、使いにくい製品は、たとえ環境にやさしい方法で生産 されたとしても、それが役に立たない製品で、使いにくい製品であることに変わ りはありません”

Timeless, attractive design ウィルクハーンのデザインは、人の生活をよりよくするものであるという命題に 忠実で、自然と心地よいと感じる外観と、直感的に使いこなせる機能性が両立 していることを原則としています。一貫したデザインコンセプト( integrative design concept )が、すべての製品に透明感と、統一感を与えています。強烈な 存在感で空間を制することなく、空間に溶け込むようなシンプルなデザインが 持つタイムレスな魅力は、時代に左右されることがありません。つまり、外観の 美しさや機能が古臭く感じられることはなく、ユーザーの人生に長く寄り添う存在 となりうるのです。

Three important factors どんな製品であれ、もはや「環境にやさしい」だけで市場で戦えるほど甘くはない ことは、周知の事実です。 20 世紀半ばから「、 Less is more 」はプロダクトデザイン の大命題とされ、より少ない材料で、より良い製品を作ることに情熱が注がれて きました。 1950 年半ばに発された、ウルム造形大学の創立宣言はよく知られていますが、 その中で既に、「目指すのは、長く使える製品を開発し、製品の価値を高め、無駄 を減らすことである」と、ウィルクハーンが追求するプロダクトデザインのサステ ナブルな方向性が示されていました。これら 3 つの要素 (usable products, increase theirutility value and reduce waste) が、製品の寿命を左右します。 どんなに人々の生活や趣向が変化しても必要とされ続ける、普遍的な機能性を 備え、多くの人の心に訴えかけるオーセンティックな魅力を内包し、長期間の使用 に耐える高品質な材料・構造を持つ製品だけが、真のロングライフ・プロダクトと なりうるのです。 Pioneering innovation どうすればワークスペースの家具や設備によって、ユーザーのライフスタイルを サステナブルなものへと向上させられるだろうか ー これは、ウィルクハーンが 常に、自らに投げかけ続けている問いです。私たちは新製品を開発する際、単に 新しいチェアを販売するのではなく、より健康的な「座り」 をユーザーに提供する ことを念頭に置きます。単なるテーブルでは なく、コラボレーションを育むツール となるように。単なるソファではなく、リラックスする空間をつくりだし、インフォー マル・コミュニケーションを促すツールとなるように。ウィルクハーンのイノベー ションは、既成概念にとらわれない発想で、人々の生活をより良くしたいという 情熱を起点として慎重に重ねあげられた、膨大なプロセスの賜物なのです。 Durable quality 製品品質はウィルクハーンの誇りであり、その誇りがブランドを国際的な成功に 導いてきました。正確な寸法、寸分たがわず組み合わされるパーツ、上質な仕上 加工。世界最高水準の製造技術が、それを実現させています。しかし、いくら長年 の使用に耐える耐久性を持っていたとしても、優れたリサイクル性を誇ったとして も、魅力に欠け、重く、使いにくい製品は、そもそも必要とされることはなく、人々 のニーズを満たすことはできません。だから私たちは、機能性・環境配慮・製造 コストなど様々な要素の最良のバランスを、慎重に見極めています。とりわけ、リサ イクル性とパフォーマンス両方に優れた材料を選択することと、設計段階から 将来的な修理やパーツ交換を視野に入れ、製品寿命の長い製品をデザインする ことには、特に注意を払っています。

• エコ・フレンドリーなプロダクトデザイン • ユーザーに使用される期間に最大の価値を提供することが真価である • 永続的にユーザーに必要とされる機能

• 適切な素材選択と卓越したクラフトマンシップ • 時代を超越するインテグレートなデザイン

ウィルクハーンは、 1991 年には既に、環境責任を果たすための包括的なデザイン コンセプトを導入していました。また、私たちのデザイン部門と開発部門は、ドイツ 連邦環境庁他が主催する、サステナブルな商品・サービス・コンセプトに与えられ る「 Federal Ecodesign Award 」を受賞しています。

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Modus office chair Design: Klaus Franck, Werner Sauer

1994 年に発売された Modus は、製品材料の効率的な使用の手本と 言えるプロダクトです。 人間工学のエッセンスを取り入れた快適な座り 心地を備え、最小限の材料で構成され、消耗部品の交換も容易です。わず か 8~12 本のネジを外すだけで、完全に分解することができます。

Product responsibility

構造、機能、材料それぞれが理にかなっていて、長く使われる製品を提供すること。それこそが使い捨て社会を改善するために、ウィルクハーンがなすべきことです。 それを実現できるよう、ウィルクハーンの製品責任に対する考えは、以下の明確な指針に従っています。

1. 無駄をなくす – “ the longer and better ” 製品の価値を高め、ひとつの製品を長く愛用されるものとすることで、最終的に 買い替えの回数が減り、環境資源の消費を抑えることができます。製品開発チーム は、以下によってこれを実現しています。 • いつの時代にあっても、生活を便利で快適にする有益なイノベーション • 長年の使用に耐える厳選された材料、優れた仕上加工およびテクニカルな ソリューション • 不朽の名作となりうる、タイムレスで魅力的なデザイン 2. 使用する材料を減らす – “ less is more ” 私たちにとって「 Less is more 」は単にデザインの原則にとどまらず、以下のこと を意味しています。 • 資源を保護するため、原材料の性質を熟知し、使用する材料を減らす • 地域暖房や廃熱回収を製造に利用するなど、製造におけるエネルギー消費 を 効率化する • 太陽光発電やカーボンニュートラル・エネルギーを活用し、排出物を減らし、 CO ₂ の削減につなげる

3. 長く使い、最終的に再生する – “ Reuse + Recycle ” 修理をして長く使うことができ、さらに寿命の終わりには、再生材料として生まれ 変わることができる製品をつくることを心掛けています。 • 消耗部品を交換し、必要となった機能を追加することができるよう設計する ( アームレスト、カバー、ウレタンクッション、金属パーツなど ) • 製品の分解が容易で、修理しやすいよう設計する • 可能な限り、原材料の判別が容易でリサイクル率が高い、モノマテリアルを使用 する 4. 公正であること – “ responsibility all along the line ” ウィルクハーンでは環境責任と社会責任、どちらも等しく果たすべきものである と考えています。健康と安全の保証、経営者と従業員の風通しのよい関係、公正な 報酬は、ウィルクハーンの企業文化を構成する上で不可欠な要素です。それを 自社だけにとどめることなく、世界中のサプライヤーとパートナー企業に、労働 環境を改善するよう積極的に働きかけています。ウィルクハーンはグローバル・ コンパクトに参加し、家具メーカーとして初めて、従業員の利益に対する世界的な 評価とその促進に関する国際労働機関 (ILO) の国際枠組み協定に署名しました。

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Sustainable, certified materials

ウィルクハーンの製品は、高品質であることをあくなきまでに追及しています。 細部に至るまでこだわりぬき、材料を厳選し、クラフトマンシップに誇りを持ち、 妥協のないものづくりをしています。ファブリック、レザー、木材、ウレタンのクッ ション材、プラスチック、金属などあらゆる材料を、一流の技術と選定眼を持つ サプライヤーから調達しています。

• ロー・エミッションのファブリックとレザーのみを使用し、アップホルスタ リー・コレクションの多くは、 OekoTex 100 、 EU Ecoflower 、 Blue Angel 認証を取得 • 原材料にウール、コットン、コルク、ココナツファイバーをはじめとした エコロジカル・マテリアルを多く採用 • 快適な座り心地を提供し、優れた耐久性を誇ると同時に、フロンおよび ハロゲンフリーのウレタンフォームを使用 • 環境に負荷をかける恐れのある溶剤や重金属を使用しない。また自社 工場では、金属パーツの粉体塗装時のエネルギー消費を抑制するため、 最新のマシンを導入 • 標準の仕上以外に、ユーザーの要望に応じたカスタマイズに柔軟に対応 Vegan leather 一部製品の張地には、環境配慮と安全性に関する厳格な基準で知られる OekoTex100 認証を取得したヴィーガン・レザー ( 人工皮革 ) を選択することが できます。毛穴がなく、水に強いこの素材は、日常の清掃が容易で、特に衛生に 対して高い意識が必要な医療機関や公共施設に最適です。

ウィルクハーンは、一貫した高い判断水準を設け、その基準に従い材料の選定・ 調達・品質チェックをおこなっています。

ロー・エミッション・レザー 丈夫で、上質な質感の最高級レザーを採用しています。レザーの選定基準には 美しさだけではなく、加工過程における環境負荷が最小限であることを項目と して挙げています。有害物質を含まない、サステナブルななめし剤と染料が使用 されていることも条件の一つです。 ウィルクハーンでは、主にドイツおよびオーストリアで製造されたヨーロッパ産の 牛革を使用しています。皮なめし工場では、環境および化学物資に関する法律に 準拠したなめし剤と添加剤のみが使用されています。 EU が定めた厳格な健康・ 安全・環境基準を遵守してレザーが加工されているかを確認するため、定期的に 工場視察をおこない、監査を実施しています。 ウィルクハーンのレザーバリエーションは、現在、セミアニリンレザーとアニリン レザーの 2 種類があり、それぞれ複数色が展開されています。そのうちアニリン レザーは、 Blue Angel 認証を取得しています。 Blue Angel 認証は、有害物質の 非含有、低排出物が取得条件に含まれるほか、水の消費量と廃水処理に関して 特に厳しい条件が設定されています。

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です。特に高い防炎性能が求められるプロジェクトのために、耐火性のファブリック や難燃性のウレタン材を提案することも可能です。

Upholstery materials ウィルクハーンは、デザインに対する厳しい要求を満たし、ヘビーユーズに耐える ファブリック素材を提供しています。最高品質のウールファブリックをはじめ、リサ イクル可能なことに加えて堅牢度の高い合成繊維ファブリック、あるいはそれら を混紡したファブリックを、コレクションとして展開しています。コレクションの中 には、海洋から回収した廃プラスチックを含む、 100 %ポストコンシューマー・ リサイクル材からなるファブリックもあります。 ファブリックには、有害性が指摘されているアズ染料をはじめ、 EU で禁止されて いる化学物質は一切使用されていません。コレクションに含まれるファブリックの 多くが、 Oeko-Tex 100 、 EU Ecoflower あるいは Blue Angel 認証を取得して います。また、ファブリックに関する詳細情報を、いつでも提供することができます。

Composite wood and solid wood ウィルクハーンは、 VOCs 排出量が少なく、高い機能性を誇る集成材をテーブル 天板の芯材に使用しています。加えて、ユーザーがウィルクハーンのテーブル シリーズに期待する、高級感あふれる質感と高い造作性を実現するため、表面材 やエッジ材には、デザイン、テクノロジー、環境への影響などあらゆる条件を満た した最高品質の突板および無垢材を使用しています。 E Uは森林管理と木材原産地のトレーサビリティについて厳格なルールを定めて おり、ウィルクハーンはそのルール下でしっかりと管理がなされていることが証明 された森林で産出された木材を使用しています。

IN チェアに使用されているポリアミド製の 3D ニットは、特にエコ・フレンドリーな 素材です。特殊な編み機で使用する形状に編むので、型紙に沿ってカットする工程 を省くことができる上、端切れも発生しません。

Plastics 現代の工業製品を、プラスチックなしで語ることはできません。ウィルクハーン では、できる限り純度が高く堅牢なポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタンなど のプラスチック素材を使用しています。必要に応じてファイバー強化プラスチック (FRP) も採用しています。リサイクルしやすいよう、すべてのプラスチック部品に 材料に関する詳細情報を表示しています。また、美的および技術的要件を十分 満たすと判断できれば、リサイクル素材も使用します。 マルチパーパスチェア Yonda のシートシェルは、素材の 70 %がポストコンシュー マー・リサイクル・ポリプロピレンで、残りの 30 %は加工工場の半径 60 km以内で 調達される廃木材を粉砕したウッドファイバーからなるバイオコンポジットでつく られています。この材料は環境性能だけでなく、優れた耐久性を誇り、人体に対す る安全性も保障されています。長く使用することができ、製品が役目を終えた後 はもちろん、リサイクルが可能です。 Foams ウィルクハーンでは、それぞれの製品で最も快適な座り心地を実現するため、さま ざまな密度のポリウレタンフォームをクッション材として使用しています。主に 使用しているウレタン材は、すべて CFC ・ハロゲン化難燃剤不使用で、リサイクル が可能です。 また、最大限環境に優しい形で防火要件を満たすことを目指しています。カバー リングに用いるファブリックコレクションは、高難燃性素材を優先的に選択してい ます。これは、万が一の時にウレタン材に火が燃え移らないようにするための配慮

また、サステナブルな森林管理に関する国際的な認証を取得している企業を、 仕入れ先として優先的に選択しています。例えば広く知られる森林管理協議会 ( FSC )が定める認証では、木材の生産と取引に関する厳しい社会環境的責任が 要求されます。

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クロームメッキは、電気分解によって金属表面にクローム被膜を形成させる加工 です。クロームメッキは外観の美しさ、キズや腐食に対する高い耐久性など、多く の長所をもつ半面、使用する薬剤の管理・処理方法に十分な注意を払う必要が あります。そのため、メッキ加工をおこなう工場は、特に慎重に選定しています。 また、下処理にあたる亜鉛メッキの段階から通貫して、メッキ加工の全工程を 定期的にチェックし、環境保護と健康および安全に関する厳格なルールが遵守 されているかを確認しています。 塗装仕上は、粉体塗料を吹き付け、ニスで堅牢なコーティングを施します。ウィル クハーン本社工場では、環境に配慮し、パーツに付着しなかった粉体塗料の回収・ 再利用を実施しています。もちろん使用する塗料はじめ薬剤は、有機溶剤や重金属 を含有していません。 アルマイト加工では、アルミニウムを電解処理して表面に酸化塗膜を形成させ ます。加工によって傷がつきにくくなり、マットな光沢が生まれます。ニス処理はお こなわず、溶剤や重金属を含有する薬剤は使用していません。 ウィルクハーンではほとんどの製品シリーズのアルミニウムパーツで、上記の 化学的な処理を施す表面仕上だけでなく、艶消し、ポリッシュといった、物理的な 磨き処理を施した仕上も選択することができます。磨き仕上は加工のために使用 されるエネルギー量が比較的少なく、また、化学物質を使用しないため、環境に 優しい金属加工方法と言えます。 • 公正で、環境に配慮した方法で製造された素材 • サプライチェーンに対し頻繁に監査をおこない、実態の正確な把握に 努める • 責任を持って管理された森林で産出された木材のみを使用 • 考えぬかれたデザインと一流の素材によって、製品の耐久性を向上させる • 金属パーツのクロームメッキ仕上では、 EN 71-3 で規定された有害な クロム化合物や重金属を不使用

Genuine-wood veneers 上質な突板は限られた樹木からしか得ることができません。経験豊かな専門家が 厳選した、最上の品質を持つもののみをテーブル天板に使用しています。木の種類 によって、突板の厚さには幅があります (0.6~1.2 mm) 。木の種類によって最適な 厚さの突板を選定するプロセスを踏むことは、コストの観点からは非効率と言わ ざるを得ません。しかし、樹木本来がもつ性質・風合いを最大限に尊重すること が、ウィルクハーンの木製品を最高級品質へと押し上げています。 ウィルクハーンの突板バリエーションには、オーク、メープル、ウォールナット、エル ム、アッシュ、ビーチなど、美しい木目をもつ、ヨーロッパのさまざまな樹種が揃っ ています。また、特注対応として、定番バリエーション以外の突板の調達と加工も 頻繁におこなっています。

同時に、エボニーやゼブラウッドなど、姿を消しつつある熱帯性の樹木の伐採を阻止 するための意識的な選択として、それらの木目を模した人工素材も使用しています。

Metals 私たちが生産する製品には、多くの金属製のパーツが使用されています。使用さ れる金属は、スチール・アルミニウム・亜鉛などさまざまです。素材の特性を熟知 した開発部門の担当者が、それぞれのパーツがどのような要件を満たす必要が あるのかを吟味し、最適な素材を選定しています。 金属パーツの一部には、リサイクル材が用いられています。特にアルミパーツは、 リサイクル材のみでつくられているものもあります。製品寿命を迎えたのちの リサイクル性を考慮し、原材料表示をおこなっています。 Decorative and sustainably produced metal surfaces チェアやテーブルのベース、フレームなどの金属製コンポーネンツの多くは、 クロームメッキ、ポリッシュ、塗装、アルマイトなど、複数の選択肢から好みのフィ ニッシュを選ぶことができます。金属の表面仕上に使用する薬剤に、人や環境に 有害なものは使用していません。

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Production

ウィルクハーンの製品は、仕様の選択肢が豊富で、カスタマイズにも柔軟に対応 しています。ほぼすべての製品が、お客様との詳細な打ち合わせを経て、オーダー メイドで製作されます。静電気対策や防火性能など機能面でのリクエストをはじ め、カタログ外の張地、木材、金属の表面仕上にも最大限対応しています。ニーズ にあまり沿っていないのに、間に合わせで購入されたような製品は、簡単に買い 替えられてしまいます。真に人の役に立つ製品を生産し、お客様にお届けするこ とが、製品寿命の前に処分されてしまう製品の生産を防ぐことにつながります。 Production planning 起こりうるエラーをシステマティックに防止するため、受注内容を元に、各生産部 門に作業内容を明確に指示するプロダクション・オーダーシートが発行されます。 また、作業は既に確立された手順の通りに進められます。的確なオーダーシート と作業マニュアルによって、作業員は常に注文内容を把握した状態で、作業手順 にしたがって正確かつ効率的に製品を製造することができます。また、ペーパー レス化推進のため、多くの部署で省エネルギー型のスクリーンが導入されてい ます。

• 製品のほとんどをユーザーのニーズを最大限満たす仕様で製造するため、 オーダーメイドで生産。長く愛用される、満足度の高い製品を供給する ことで、不要な製品生産を抑制する • ワークフローを透明化し、従業員が効率的に生産をおこなえるよう、 生産プロセスをマニュアル化 • 確立された包括的な管理・検査プログラムによって、安定したウィルク ハーン・クオリティを維持

による最終チェックを受けます。リクライニングロックや、座面昇降をはじめとする 各機能の操作感も、製品が梱包される前に最終チェックをおこないます。

カスタマイズされるケースが多いカンファレンステーブルは、表面仕上やがたつ きなどの品質上のチェックに加え、レイアウトプランならびに製作図面と完成品 に相違がないかの確認が複数回おこなわれます。同時に、マルチメディアの出入 力端子などの備品のチェックもおこなわれます。

External audits 社内での品質チェックに加え、信頼のおける外部機関による品質試験も定期的に 実施しています。これには、製品全体を対象とする検査だけでなく、テーブル天板 に用いられるニスの光沢度や、接着剤の接着力の試験など、材料の化学的・物理 的検査も含まれます。さらに、外部機関による有害物質の定期検査の実施も始め ています。 Customized materials リクエストがあれば、お客様ご指定のカタログ外マテリアルや、お客様支給による マテリアルを用いた製品の製造もおこなっています。この場合でも、材料が用途 に適したものであるかテストした上で、製品に使用しています。

Internal checks, component and product audits ウィルクハーンは、顧客からの高レベルの要求に応え、安定した品質の製品を作 るために、厳しい内部統制と頻繁な監査をルール化しています。

製品に使用されるすべての材料は、事前に何度も試験を行い、その材料がウィル クハーンが要求する特性・耐久性を満たしているかの検査がなされます。サプラ イヤーから原材料、または部品を仕入れるときは、入荷品の検査( AQL 規格 ISO2859 に基づく無作為サンプル検査)を徹底しています。

生産部門では、製品を次の部門に渡す前に、作業者が自分自身で最終チェックを おこなうことが義務化されています。かつ、完成した製品は、出荷前に、管理チーム

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Ecologically relevant activities and machinery

また、長く使用し、カバーに擦れやほつれが生じた場合も、最小限のパーツの交換 だけでメンテナンスできるように設計されています。

Sewing and upholstery departments チェアの製造において、縫製、アップホルスタリング、シートカバーリングの工程は、 現在に至るまで手作業で行われています。 製品を完璧なものに仕上げるには、 全ての作業に、経験、集中力、正確さが求められます。 縫製チームが型紙を元に 生地を裁断し、縫製したカバーを、アップホルスタリーチームがウレタンクッション を巻いた芯材にかけて成形し、シートシェルに固定します。シートのカバーリング には、フリースや不織布の裏打ちが入る場合もあります。快適な座り心地や耐久性、 機能性、仕上がりの美しさを考慮して、モデルごとに検討を重ね、最適解を見つ け出しています。 シートカバーにはデザイン・型紙製作の段階から、環境負荷を減らす工夫がなさ れています。多くのポイントでステッチを優先的に採用し、接着剤の使用を最小限 に抑えています。パイピングやトップステッチなどには高度な縫製技術が要求 されますが、熟練の職人がこれらのリクエストに応えています。

接着剤に使用される溶剤は、人体ならびに環境へ悪影響を及ぼす危険があります。 よって、特に注意を払い、厳格な EU レギュレーションを満たした接着剤を選択し ています。先に述べた接着剤の使用量を少なくする取り組みにより、排出量は規 制値以下をキープしています。

そのほか、アップホルスタリーチームでは換気システム・コンプレッサー機器使用 のためにエネルギーを消費しますが、その消費量はわずかです。

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脱脂・洗浄など塗料の密着性を向上させるための前処理を行った後、粉体塗料を 吹き付け、 190 ° C で焼付乾燥をします。

塗装工程は、使用する機械のエネルギー消費量、洗浄に使用する水など、環境 負荷の懸念材料が多く、十分な対策を必要とする工程です。

ウィルクハーンでは、この数年間、倉庫の断熱性の向上と暖房回路の最適化を 進め、工場全体の室温調節に使用するエネルギー消費を抑える取り組みをして います。また、長年にわたり、金属洗浄に用いた水を適切に処理し、可能な限り 再利用する取り組みをおこなっており、廃水の排水量を最小限にとどめています。 パーツに付着しなかった粉体塗料はほぼすべてが回収され、再使用されていま す。現在は、チャンバーを変更することなく塗装色を変えることが可能になった ため、エネルギー消費量はさらに削減されました。また、使用している粉体塗料 には、溶剤や重金属はほとんど含まれていません。 Table assembly 自社工場では、年間約 15,000 台のテーブルをアセンブルしています。カタログに 掲載している標準仕様のフレームや天板のバリエーションに加え、サイズや仕上 げ、配線ボックスをはじめとしたオプションを追加したモデルなど、特注仕様の テーブルも数多く製作しています。天板加工は、 2020 年から協力工場による製造 に切り替わりましたが、自社工場で製造を行っていたときと同等の厳しい検査を 行っています。さらに、リサイクル可能な梱包材を利用しています。もちろん、完璧 な状態で製品がカスタマーのもとに届くよう、梱包状態の点検は重点的に行い ます。

Steel workshop テーブル用フレームは、標準・特注仕様問わず、金属加工チームが自社工場で 製造を行っており、切断、穴開け、旋削、溶接、研削など複数の工程を経てパーツ がつくられます。加工作業を通して、排出物(溶接ガス)と騒音がわずかに発生し ます。

金属加工で考慮しなければならない環境的側面は、機械を稼働させることに よって生じるエネルギー消費と、石油、潤滑油、冷却潤滑剤の安全な保管です。

Powder coating 自社工場では、塗装チームがテーブルフレームやチェアのベースパーツをはじめ とした金属部品の粉体塗装を行っています。表面塗装は、外観を美しくするため だけでなく、腐食や錆から金属を保護する目的で施されます。

その他、テーブルアセンブルチームの環境的側面として、照明設備や電動工具 使用時のエネルギー消費がありますが、消費量はわずかです。

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Chair assembly チェアアセンブルチームは、年間約 16 万脚のオフィスチェア・ビジターチェアの アセンブルを行っています。金属加工・塗装・アップホルスタリーチームが加工・ 製造を行ったパーツに加え、外部サプライヤーから仕入れられたパーツが、ここ に集められます。環境的側面として、照明設備の使用、アセンブル作業の補佐機器 や工具の動力源である電気と圧縮空気の消費、ならびにパーツや完成した製品 を輸送するために使用する車輌のエネルギー消費があります。全体として、チェア アセンブルチームが担う工程での環境影響は、かなり抑えられています。 Energy and heating technology 本社敷地内では、太陽光発電プラントと 2 つの太陽熱発電プラントに加え、液体・ 気体燃料のための小型燃焼システムが運用されています。 2012 年からは、暖房 に地域暖房パイプシステムから供給される、クライメートニュートラル(気候中立) な熱源も利用しています。供給されている熱源は、本社周辺のプラントで生成 されるバイオガスから生まれます。 システムの定期的なメンテナンスと検査によって、二酸化硫黄と酸化窒素の排出 量は、常に法定基準 * を下回っています。地域暖房による環境に優しい熱源を 利用することで、大気中の汚染物質は大幅に削減されました。 効果の大きいこれら を、ウィルクハーンの環境マネジメントシステムでは、 2 番目に重要な環境的側面 に位置づけています。暖房に使用する熱源を地域暖房に最大限切り替え、同時に 省エネルギー対策を行い、 CO ₂ 排出量を恒久的に抑制することに注力しています。 *section 1 BImSchV ‒ The Federal Emissions Protection Act に基づく Delivery and shipping logistics サプライヤーからのパーツ移送や製品出荷など、製品の生産プロセスには輸送 が必ず発生します。中でも飛行機による航空輸送で生じる、 CO ₂ や窒素酸化物 などの温室効果ガス排出は問題視されています。

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ウィルクハーンでは、トラック・鉄道・船便など比較的温室効果ガス排出の少ない 輸送手段を優先的に選択し、航空輸送の利用を極力抑えています。

製品を入れる段ボールのカートンは、サイズや形状がその製品に最適であれば、 エアクッションなどの充填剤の使用を減らすことができ、同時に、輸送時にカートン 内で製品が動いてしまい、傷がついたり機能に不具合が生じたりするリスクを ヘッジできます。そのため、ウィルクハーンでは製品に合わせたさまざまなサイズ のカートンを自社で製造しています。カートンには、一部リサイクル材を使用して います。また、カートン製造時にわずかに生じる端材も回収し、スペーサーとして 使用しています。

トラックでの輸送時には、走行ルートと積載量を最適化し、走行距離とトラックの 台数を減らす取り組みを行っています。また、エネルギー効率に優れた車輌を 使用する物流パートナーと提携しています。同時に、サプライヤーと自社工場間の 輸送では、リターナブルな梱包材を推奨し、梱包資材の無駄遣いをなくす努力を 続けています。 一例として、オフィスチェアの海外輸送に際し、最小限の梱包材しか使用しないこ とと、完璧な製品をお客様にお届けすることの両方をかなえる梱包方法を開発し ました。チェアはリサイクル可能なポリエチレンの保護シートに包まれ、段ボール 箱に入れられて出荷されます。それだけで十分でないときは、ブランケットや木製 のスペーサーなどを使用しています。

Material purchasing based on regions ドイツ自社工場で使用する原材料・パーツ仕入先の地域別割合( 2022 年)

ドイツ国内 62 %

ドイツ以外の EU 圏 35 %

出荷前の ON チェア。梱包サイズを小さくすることは、輸送に関わる排出量の削減につながります。 ON では、バックレストを外してコンパクトなサイズで出荷できるよう、特殊なアタッチメント・ファスナー を開発しました。

EU 以外 3 %

Wilkhahn vehicle fleet 自社で保有する車輌は主にセールスチームとカスタマーサービスチームが使用 する普通車ですが、フォークリフトのような特殊車輌も保有しています。すべての 車輌が EURO6 排ガス規制値以上をクリアしています。また、ほとんどの車輌に、 自動スタート・ストップシステムや高性能エアロダイナミクスなど、環境に優しい オプションが備わっています。

輸送距離を短縮するため、本社工場で使用する原材料・パーツのほとんどを国内または近隣国から 仕入れています。

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Usage – product innovations, sustainability included

The product is the proof of the message ウィルクハーン製品は一つ一つがすべて、サステナビリティにつながる実用的な 機能、クオリティ、デザインの好例です。今もなお古びることのない、 FS-Line や Modus をはじめとした画期的な製品は、快適性・機能性・美しさ・耐久性のすべて を兼ね備えています。クッション、カバー、消耗部品は交換が可能で、長期間ヘビー ユーズした後でも、修理してまた長く愛用することが可能です。 特許を取得した三次元シンクロメカニズム「 Trimension® 」を搭載した ON チェアは、世界的に高い評価を得て、ユーザーの健康を意識したオフィスチェア のベンチマーク的存在となりました。世界の主要なデザイン賞に加え、 ON は連邦 エコデザイン賞も受賞しています。よりスポーティーな印象の IN チェアは、 3 次元 にねじれるように曲がる特殊なプラスチックでできたフレームと、特殊な高機能 3D ニット張地を採用しています。よりダイナミックな背座の動きを実現しながら、 構成パーツは ON より少なくなっています。立体的な背座の動きはたった 1 つの スプリングでコントロールされ、張地は織り生地ではなく編み生地です。織り機は 長方形の生地しか織ることができませんが、編み機であれば増やし目・減らし目 を使って、好きな形状に編むことができます。フレームに取り付ける形状にあらか じめ編まれた生地は裁断の必要がなく、大量の端切れの発生を避けることが できます。現時点のトリメンションシリーズ最新作である AT は、オート・ウエイト・ アジャストメント機能を有し、幅広いモデルを展開し、不特定のユーザーが 1 つの チェアを使用する、フリーアドレス・オフィスに最適なシリーズです。 Confair フォールディングテーブルは、リサイクル可能な材料と、修理のため分解 が容易にできるよう設計されたジョイントパーツで構成されています。そして近年 では、汎用性が高く、施設管理にかかる時間とコストを節約できるマルチパー パス・ルームに注目が集まっています。ワークショップやミーティング、セミナー など、多彩なシーンを瞬時につくりだすことができる Confair フォールディング テーブルを使えば、このマルチパーパス・ルームの効率性をさらに高めることが できます。エコ・フレンドリーを意識したアプローチは、エコロジカルな視点から の成果以上のユーザー・メリットを生みだすことがあります。たとえば Aline チェア は使用する材料の極小化を目指した結果、透明感にあふれた、永遠に飽きられる ことのない究極にシンプルな外観を獲得し、さらにはコンパクトに収納でき、軽量 で持ち運びが容易であるという高い機能性も兼ね備えるに至りました。

FS-Line, design: Klaus Franck, Werner Sauer, 1980

Modus, design: Klaus Franck, Werner Sauer, 1994

ON, design: wiege, 2009

IN, design: wiege, 2015

AT, design: Wilkhahn, 2018

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192 通りのバリエーションを持つ Occo シリーズは、見た目に統一感があり、ベー スやカラーが異なるモデルを並べても、違和感を感じさせません。将来的に使用 するエリアや脚数が変わっても、さまざまな仕様の Occo をミックスして使用すれば よく、わざわざチェアを全脚買い替えたり、視覚的な心地よさを犠牲にして、種類 の違うチェアを買い足す必要はありません。コンセプト・アイテムとして 2018 年 に発表した PrintStool One は、最新の 3D プリンタにより製作されています。 PrintStool One は、必要なときに、必要な数量を、その製品を必要とする場所で 製造するという、非常に合理的な新しい工業生産方法を世に問いました。さらに、 原材料には、パルプ製造の際の副産物で、今まで用途がなく廃棄されていたリグ ニンが採用されています。 マルチパーパスチェア Yonda は、ゆったりと心地よい、永遠の定番ともいえる オーソドックスな形状のシートシェルに、さまざまなオプションをとりつけることが できます。用途に合わせてパディングやレッグを選ぶことができ、住居からオフィ ス・公共空間まで、多様なシーンに対応することができます。また、それだけにとど まらず、現代社会が求める厳しいサステナブル要件を、十分に満たしています。 シートシェル材料には 100 %リサイクル原料でつくられたバイオコンポジット・ プラスチックを用い、同様にリサイクル材を用いた金属パーツ、 FSC 認証材から つくられる木材パーツの表面には、将来のリサイクルを見越した仕上が施されて います。 • マイルストーンとなる革新的コンセプト • 健康的な「座り」を提供するオフィスチェア • オフィスに革新と変化をもたらすアジャイルなテーブル • 統一感を持たせることで、買い替え・買い足しを削減する合理的な モジュールシステム • パルプの製造工程で生じ、大量に廃棄されているリグニンを原材料と する、 3D プリンタを用いた製品の開発研究

Confair folding table, design: Andreas Störiko, 1994

ユーザーの手に渡ったあとは、ほんの少しの日常的なケアが、製品の寿命を延ば すことにつながります。ウィルクハーンでは、製品のケアに関する説明書を、ウェブ サイト上に公開しています。 私たちは実現可能な最大限のサステナブル要素を、設計基準に盛り込んでいま す。安心して購入いただけるよう、保証期間内の製品の不具合に無償対応してい ます。また、保証期間を超過した製品についても、サービス窓口を設け、有償修理 を受け付けています。もちろん、生産を終了した製品も、可能な限り修理対応を おこなっています。

Yonda, neunzig ° design, 2022

Occo, design: jehs+laub, 2016, 2018, 2020

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ウィルクハーンのカスタマーサービスチームは、豊富な製品知識と経験を持つ、 熟練のスタッフで構成されています。キャスター、アームレスト、張地など消耗部品 の交換をはじめ、製品のクリーニング、コンディションチェック、メンテナンスコスト 見積などの業務を通して、適切な解決策を見つけることに尽力し、製品寿命を 延ばすための完璧なソリューションを常に提供できる体制を整えています。

After-sales service extends product life 購入から何年も経った後でも、ユーザーは製品のスペアパーツの大半を入手する ことができます。製品の多くは消耗部品を交換することで、耐用年数を大幅に伸 ばすことができます。ひとつの製品を修理して長く使うことにより、買い替えの頻度 が減り、ユーザーは出費を抑えることができます。また、買い替え需要に応えるため の製品生産が少なくなり、生産にかかるエネルギー消費の抑制にもつながります。

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Product concept/ design/development

End of usage

Materials

Core principles

Product utility

Production

End of usage

エコロジーの思想がまだ世間に浸透していない時代から、ウィルクハーンは製品 寿命が長く、役目を終えたあとは素材としてリサイクル可能な製品の重要性を 認識していました。エコロジー配慮を包括的なデザインコンセプトに掲げた Picto ( 1993 年)では、リサイクル適性を向上させるため、リサイクル時に素材 ごとの分離の必要がない単一素材(モノマテリアル)製のパーツのみが用いられ ました。 製品ごと・パーツごとに最適な原材料を選択することと同時に、パーツのモノマ テリアル化を推進することは、 Picto 以降ウィルクハーン製品の材料選定をする上 での大原則となりました。また、分解が容易な構造にすることによって、修理や リサイクル効率を高めているのも特徴の 1 つです。

ドイツ国内で販売された製品は、製品寿命を迎えたあと、メーカー引き取りを 実施しています。ウィルクハーン製品は解体・分別しやすいよう設計されている ので、多くの場合リサイクルにあたって特殊な設備や技術は必要なく、業者側 が受け入れがしやすい点も長所の 1 つです。 ユーザーから引き取った製品は、ウィルクハーン本社で、熟練のスタッフが解体と モノ・ソーティング(単一素材への分別)をおこない、適切にリサイクルしています。 しかしながら、ユーザー居住地近辺に優良なリサイクル業者があるのであれば、 そこに製品の引き取りとリサイクル処理を委託した方が、輸送時の CO ₂ 排出量を 抑えることができます。ケース・バイ・ケースのきめ細やかな対応をすることで、環境 配慮と商業的要件を、最良の方法で調和させることを常に目指していています。 現在、ウィルクハーン製品には、すでに一定量のリサイクルマテリアルが使用され ています。ただし、リサイクルマテリアルの採用にあたっては、機能、耐久性、外観 の美しさを損なうことがないかの精査が十分に行われています。アルミニウム などリサイクルによる品質低下が少ない素材を用いたパーツでは、 100 %リサイ クルマテリアルでつくられるものもあります。また、製品の環境情報についての 書類を発行し、データを公表しています。

製品が寿命を迎えたあと、製品は分解され、パーツ に刻まれた表示をもとに適切なリサイクルがおこ なわれ、素材として再生し循環します。ウィルク ハーン製品に使用される材料の 90 %以上が、製品 としての役目を終えたあと、素材としてリサイクル することが可能です。

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Sustainability management

ドイツ・バッドミュンダー本社では、顧客満足度、環境パフォーマンス、サステナ ビリティを継続的に改善していくために、統合的な経営体制が組まれています。 その土台となるのが、以下の 4 本の柱です。

Quality and environmental policy: Responsible furniture by Wilkhahn/Legal Compliance/Customer and market requirements

• ISO 9001 基準を枠組みとした、顧客満足度・製品品質向上への恒常的な取り 組み

Qualitäts- und Umweltprogramm: Handlungsfelder, Ziele und Maßnahmen Quality and environmental program: Areas of activity, goals and measures

Management assessment

Indicators Reporting Goal development Environmental performance Customer satisfaction

Structure Processes Responsibilities

• 環境パフォーマンス強化を継続的に実施するための ISO 14001 ならびに EMAS 規則要件の導入 ※ウィルクハーン本社は、 2001 年から EMAS に登録されています(登録番号 D13300055 )

Budgeting Scheduling

Continual improvement

• 従業員の権利と環境保護を推進する国際枠組協定に則した、サプライチェーン に対しての環境・社会的公正に関する要件の定義

• 木材業界のサステナブル化をサポート ※ウィルクハーン本社 FSC® ラ イセンスコード: C118389

Component and product audits Audits Environmental audit

Profit sharing Upskilling and training Communications

* 上記で言及した認証はバッドミュンダーの本社が取得している認証です。しかしながら、ウィルク ハーンのその他の生産拠点ならびに販売代理店も、顧客満足度とサステナビリティの原則に従い、同 等の基準に基づいて活動をおこなっています。

Implementation

Corrective and control measures

Annual EMAS validation, ISO 9001/ISO 14001 certification

Consistent rise environmental performance and customer satisfaction

26

Wilkhahn headquarters in Bad Münder ウィルクハーンの本社は、ニーダーザクセン州の州都・ハノーファーの南西約 50km に位置する、バッドミュンダーに置かれています。 敷地内には社屋と工場 が併設され、 1907 年の会社創設以来、複数回にわたって拡張・増築がおこなわ れてきました。現在では、バッドミュンダー地区・アインベックハウゼン郊外の工業 団地に、約 10 ヘクタールの敷地を有しています。 2022 年 12 月時点で、 338 名の 従業員がバッドミュンダーの本社・工場に在籍しています。 敷地面積のほぼ半分は、緑地と池で構成されています。貯水池を囲むように貴重 なビオトープが作られ、小川が敷地内を流れています。加えて、建築物が建つ生産 エリア・オフィスエリアが環境に与えるリスクは最小限にとどめられ、機械・設備 稼働時の CO ₂ 排出量は、国の排出規制法で届出を義務付けられる基準を下回っ ています。 Other production sites 本社工場以外の生産拠点に目を向けると、主に椅子張りをおこなうポーランド・ ポズナン工場(従業員約 30 名)と、アジア・環太平洋地区に出荷される製品を 製作するオーストラリア・シドニー工場(従業員 20 名)の2つは、ドイツの本社工場 と同じモデルで操業されており、本社工場同様の環境基準を遵守しています。その ほか、モロッコ・日本・カナダでウィルクハーン製品のライセンス生産がおこなわ れています。 Organization 企業目標とサステナビリティ目標を達成し、規制を遵守するために、組織体制・プロ セスの改善が継続的に実施されています。会社の組織は下図の通りです。健康・ 安全管理、防火管理、品質管理、サステナビリティの各部門には責任者が置かれ、 安全衛生と環境保護に関しては、社長、 COO とともに、生産・品質管理・サステナ ビリティ部門の責任者が管理責任を担っています。

Areas of (environmental) law

Regulations

Building law

Building permits, industrial construction directive, Lower Saxony building code Federal Water Act, Plant Ordinance AwSV Federal Emissions Act, 1st BImSchV, 31st BImSchV GefStoffV (Hazardous Substances Regulation), regulation (EU) 514/2014, ChemOzonSchichtV (Chemical-Ozone Layer Regulation, TRGS (Technical Rules for Hazardous Substances)

Water

Emissions

Hazardous substances

Waste, recycling

Closed Substance Cycle Waste Management Act, GewAbfV

Health and safety

ArbSichG (Health and Safety Act), DGUV (Statutory German Accident Insurance), ArbStättV (Workplace Regulation), BetrSicherheitsV (Operational Safety Regulation)

Conservation

Lower Saxony Nature Conservation Act

Environmental law ウィルクハーンが遵守している法令・規制のうち、特に環境に関連性が高いもの をリスト化したのが、上の表です。法改正があった場合は遅滞なく把握し、アジャ ストしています。また、法律や規制の詳細は、頻繁におこなう訓練セッションや ブリーフィングを通して、従業員に伝達されます。 Environmental audit 年に 1 ~数回実施される環境監査によって、法令・規制に基づき制定された社内 のレギュレーションが、すべてのプロセスに十分反映されているか、また、企業活 動(主に工場での製品生産)が環境に悪影響を与えていないかのチェックをおこ なっています。

Works council

Responsibility*

CEO Chief Executive Officer

Supervisory board

CSO Chief Sales Officer

CTO Chief Technical Officer

CFO Chief Financial Officer

Design management

Work organization & lean management

Financial reporting

Wilkhahn Asia Pacific

Purchasing

Wilkhahn Europe

Marketing & product management

Accounts

Production

Wilkhahn export & licenses

Human resources

Quality & sustainability

Wilkhahn Middle East

Processes & IT

Supply chain management

Wilkhahn US

*Fire safety officer, health and safety officer and, management representative

Sale s support

Production

27

Sustainability aspects

ウィルクハーンのサステナビリティ・マネジメント・システムは、環境と社会に対す る悪影響を最小限に抑え、好影響を可能な限り最大化することを目標としてい ます。その実現のため、製品開発・製造・販売の全プロセスにおいて、サステナビ リティに意識的な姿勢を貫いています。 Direct environmental aspects 製品生産で発生する主な環境負荷は、大気中への汚染物質、特に CO ₂ の排出で す。 CO ₂ 排出は、工場で使用する電力の発電と、車輌・航空機・船など輸送手段に よる燃料消費によって生じます。加えて、縫製部門では現在も有機溶剤を用いた 接着剤を一部使用しており、少量の VOCs (揮発性有機化合物)の大気中への排出 があります。 製品材料として使用する天然資源の消費削減のため、耐久性が高く修理が容易 な、製品寿命の長い製品を生産し、また、製品にリサイクル材料を使用しています。 また工場やオフィスでの電力消費にも着目し、消費電力の多い照明、循環ポン プ、冷却装置、空調、コンプレッサー、 IT ハードウェアなどで省電力化の対策を講じ ています。 さらに別の環境的側面として、水質汚染対策があります。製品製造の過程で使用 する灯油はじめ水質汚染の原因となりうる物質の排出については、細心の注意を 払っています。また、頻繁に点検・検査・メンテナンスを実施し、すべての機械・設備 が低排出かつエネルギー効率に優れた方法で稼働するようにしています。 排出する廃棄物のほとんどは非毒性ですが、現状 100 %ではなく、少量ながら 有毒性の廃棄物の排出も発生しています。それらが適正に処理されているかに ついては、とりわけ厳格なチェックをおこなっています。洗い流した薬剤を含有して いる可能性のある、金属塗装工程で発生する処理水なども、もちろんチェック対象 です。今まで、工場周辺の生物多様性への悪影響が確認されたことはありません。

土壌汚染については、土壌の掘り起こしや土地の封鎖など、原因となりうる作業 が発生するのは、本社敷地の拡張工事をおこなう際のみです。当面その予定は なく、特記すべき事項はありません。

Indirect environmental aspects 上に挙げた対策は、環境に直接影響を及ぼす危険性のある事項についての対策 ですが、ウィルクハーンの環境配慮は、それだけに留まりません。例えば、輸送時 に発生する環境負荷や、設備維持のために使用するエネルギーについても注意 を払っています。さらには、その配慮は自社だけにとどまりません。パーツを製造 しているサプライヤーがどのような環境対策をおこなっているかについて、定期 的なヒアリングを実施しています。特に、金属加工では表面処理のため大量の水 を使用します。また、処理によっては危険薬剤を使用する場合もあります。金属 加工をおこなうサプライヤーに対しては、廃水・薬剤の処理が適切であるか、こ とさら慎重にヒアリングをおこなっています。 加えて、今後の課題として、輸送時のエネルギー消費量ならびに CO ₂ 排出量削減 を挙げています。間接的であっても、環境に負荷を与える可能性のある要因を 一つ一つ取り除いていくことは、とても重要なことです。そのため、新製品の開発 にあたっては、できる限り環境に優しい材料を使用するようにし、慎重にサプライ ヤーの選定をおこなっています。

考えうる環境影響

対処

関連度 原因

CO ₂ の排出(電力を除く)

気候変動

暖房、車両、輸送の見直し

high

環境資源の使用、気候変動、 土壌汚染、水資源使用、 廃棄物排出

環境に配慮した製品のデザイン・開発、 サプライヤーを含めた生産時のエネルギー消費削減、 排出物および廃棄物の削減、輸送効率向上

製品に使用する材料

high

照明の見直し、コンプレッサーの導入、 IT ハードウェアの見直し

気候変動

電力消費

average

縫製部門でのケア

溶剤 (VOCs)

健康リスク

low

廃棄物

生産部門・管理部門(オフィス)でのケア

健康リスク、水質・土壌汚染

low

粉体塗装作業場、下水エリア、石油 および危険物質貯蔵庫の定期的な点検

廃水

飲料水の安全性、水資源使用

low

ウィルクハーンの企業活動によって起こりうる環境影響とその原因を重要度の高いものから順に並べたリスト

28

• エネルギー消費量全体に占める再生可能エネルギーの割合 • CO ₂ ならびに VOCs の年間排出量 • エネルギー効率 • 素材ごとの年間消費量 • 年間に生じる危険廃棄物ならびに非危険廃棄物量とリサイクル率

Social sustainability aspects さらに、自社ならびにサプライヤーなどウィルクハーンと関わりをもつ企業が、社 会的サステナビリティの側面でも、高い水準に達することを目指しています。その ために、安全衛生とヘルスマネジメントシステムの定期的なチェックと評価を おこなっています。チェックと評価は、もちろんサプライヤーに対しても実施します。 これらの活動は、国際労働組合総連合のフレームワーク( International trade unions to promote environmental protection and employee rights in 2009 )に基づいています。 環境的側面を評価するため、頻繁にデータの分析をおこなっています。それらを 元に、主要業績評価指標( KPI )が決められます。以下に、分析を行っている主な データを記します。 • 生産部門およびオフィスにおけるエネルギー消費量(月間・年間) • 再生可能エネルギーの消費量 • 社会的・環境的側面を体系的に把握し、それらを基準に基づき評価 • 本社工場では、 CO ₂ ならびに VOCs 排出量 50 %減を達成 • サプライチェーンに対し、サステナブル基準の遵守を呼びかけ • モジュールに基づく製品デザインとリサイクル素材の使用により、資源 を節約

• 環境・安全関連の事故発生件数 • サステナビリティ目標の達成度

CTO 、品質管理責任者、サステナビリティ担当者、各部門のマネージャーが、これ らのデータを元に、定期的に意見交換と協議をおこなっています。環境配慮の観 点から、行動あるいは優先的な取り組みが必要であると判断された事項は、以下 の通りです。 • 環境関連の法規制の完全遵守 • 環境に悪影響を及ぼす慣習の改善 • 緊急事態における環境リスクを軽減できるよう、適切な予防策を講じる • 長期的なビジネス展望とバランスを取りながら、回避できる環境への影響を 積極的に軽減 以下のマトリクスは、部門ごとに自分たちの業務によって生じる環境影響を 1 から 9 の数値で評価し、それを 3 段階 ( 赤・黄・緑 ) で色分けしたものです。改善の必要度 が高い、または中程度の項目を洗い出し、改善に向けた具体的な対策を講じ、行動 を起こします( Sustainability Action Plan ( p.36 )参照)。

生産部門(詳細)

インフラストラクチャー(詳細)

部門別

関連度・改善の必要度が低い

関連度・改善の必要度は中程度

関連度・改善の必要度が高い

持続可能的側面

エネルギー

排出物

廃棄物

材料の効率性

カスタマー・市場・品質

生物多様性、土壌

消費社会的責任( CSR )、健康・安全、 ヘルスマネジメント

29

2007 年から 2022 年までの本社における特定の環境的側面に関する推移

指標値:基準年 2007 年を 100 とする

200

基準値( 2007 年)

180

CO ₂ 排出量

160

140

電力消費量

120

材料使用量

100

溶剤( VOCs )使用量

80

廃棄物排出量

60

40

水使用量

20

0 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

ウィルクハーン本社は、指標である 2007 年から現在にかけて、エコロジカル・フットプリントの 削減を継続的に実現させています。

Sustainability goals and sustainability performance

1989 年、ウィルクハーンの監査役会は「迷いが生じたときは、目先の利益の極大 化よりも環境保護を優先する( If in doubt ecology and social responsibility were to be valued more highly than a fast profit )」という画期的な決議を 採択しました。以来、ウィルクハーンは高い機能性と魅力、そしてサステナブル性 を兼ね備えたオフィス家具を開発してきました。ウィルクハーンにとってサステナ ビリティとは、実行可能な範囲で最大限、環境と社会への悪影響を防止すること を意味します。ウィルクハーンの事業計画の中核には、収益獲得とともに、環境面・ 社会面での企業貢献が盛り込まれています。 バッドミュンダーの本社では、 20 年以上にわたり、国際規格 ISO 9001 、 ISO 14001 、 EMAS の認証を受けた統合管理システムを敷いています。まず、 1990 年 代に、継続的な環境パフォーマンス向上に重点を置いた取り組みがなされ、その 後社会的側面、経済的側面についても順次基準の制定・対応が進み、現在では サステナビリティのすべての側面についてのケアがなされています。 2007 年には 国連グローバル・コンパクトに参加し、グローバル・コンパクトが提唱する環境保護、 従業員の権利、差別撤廃に関する 10 原則の遵守を目的とした構造改革・改善を おこないました。

2009 年には環境保護と従業員の権利促進を目的とした枠組み協定に参加して います。また、 2013 年には FSC 基準に基づく製品チェーン認証を取得し、責任 ある森林管理によって生産された木材の取引における透明性にも注目してい ます。 ウィルクハーンは、具体的なサステナビリティ目標を設定し、それを達成するため の方策を定め、 これらをサステナビリティ・アクション・プランとして情報公開して います。過去数年間の成果と、 2025 年までの到達目標および対策を、次ページ 以降で紹介します。

30

Results of the 2020 – 2022 Sustainability Action Plan この 3 年間、以下に示したサステナビリティ・アクション・プランを実施してきました。 このプログラムを実施することにより、特に電力消費量、 CO ₂ 排出量、溶剤排出量の削減において、大幅な改善がなされました。

期限とする年

到達目標

実施する対策

ステータス

責任者

No.

地域暖房システムの高効率化のため、 2021 年までに循環水の戻り温度を 低下させる

Head of works technology

1

2020

implemented

ongoing

2a: 既存の太陽光発電システムを利用する 2b: 外部の倉庫を統合する

Head of works technology

気候変動問題に配慮した暖房システム: 2022 年以降、本社で暖房のため消費 するエネルギーの 60% 以上を自然エネ ルギーとする 暖房のためのエネルギーの効率的な使用: 本社の暖房のために消費するエネル ギーの 5 %削減( 2019 年比)を 2022 年までに実現する 環境に配慮した輸送手段を優先し、 CO ₂ 排出量を削減する: 社用車の使用による CO ₂ 排出量の 5 % 削減( 2019 年比)を、 2022 年までに実 現する

2

2022

canceled

低排ガス・高エネルギー効率の社用車使用を通し、引き続き CO ₂ 排出量減少に 取り組む

3

2022 Vehicle fleet manager

implemented

敷地内の電気自動車用充電ステーションを、従業員も利用できるように するための計画をまとめる(期限を 2023 年に変更)

2020 2023

Head of quality and sustainability

4

started

外部協力会社含め、輸送には高エネルギー効率・低排ガス車輌 ( EURO5 排出規制以上)のみを使用する

5

Material management

ongoing

ongoing

Material management logistics manager

出荷状況を分析し、トラック 1 台あたりの積載量を 10% 以上増加させる

6

2021

implemented

Heads of product development, material management, logistics

サステナブルな製品デザイン、梱包の最適化、有害物質を含有しない梱包材の 選択により、環境に優しい安全な物流を可能にする

7

ongoing

ongoing

中央サクションシステムを廃止し、単一のローカルサクションシステムに 転換する

Head of works technology, mechanic

8

2020

implemented

テーブルならびにチェアアセンブルエリアの一部照明を蛍光灯から LED へ 交換する

Head of works technology, mechanic

9

2020

implemented

電力の効率的な使用 : 電力の相対的な消費量を 2022 年までに さらに 10% 削減する(基準年を 2019 年 とする)

Head of works technology

グリッド圧を 1 バール下げ、コンプレッサーの使用をとりやめる

10

2020

implemented

Green IT - 物理サーバーを廃止し、エネルギー効率に優れた外部クラウド サーバーに統合する

Head of information systems

11

2020

implemented

Green office - 既存の単独ワークステーションプリンタを少なくとも 30% 削減し、エネルギー効率の高い複合機に置き換える

Head of information systems

12

2020

implemented

Heads of product development, Head of further product development

イノベーティブで、製品寿命が長く、メンテナンスが容易な製品を開発し、 環境に優しい材料と汚染物質の排出が少ない生産方法を選択する

13

ongoing

ongoing

材料使用の最適化 : 製品寿命が長く、メンテナンスが容易 な製品のデザイン・開発、汚染物質の少 ない材料選択、梱包材の削減、残留物 の削減、生産に伴う廃棄物の削減を実 行する

Heads of product development

リサイクルプラスチックを用いたパーツの割合を高める

14

2021

implemented

クオリティボーナス・インセンティブ・システムを導入し、製造における 材料の無駄を継続的に削減する

15

ongoing Chief Operations Officer

ongoing

2022 2023

Head of quality and sustainability

16

材料選定時のサステナビリティ基準を見直す(期限を 2023 年に変更)

started

サステナブルなサプライチェーン:上位 20 社のサプライヤーを対象として、 クオリティ、健康・安全、環境保護、公正な労働環境に関する定期的な検査を 実施する

Head of quality and sustainability

17

2022

implemented

FSC 規定に則った生産・流通プロセスの管理を継続し、 FSC 認証を取得した 製品の割合を高める

Head of quality and sustainability

18

2022

implemented

サステナビリティ、フェアネス、健康 : 本社工場ならびにサプライチェーンに おいて、環境と社会に対する高い責任意 識を持つよう促す

ポーランド工場とサプライヤーの施設において ILO の主要な作業基準を 導入するため、労働組合の代表者と専門家による社会監査を実施する

Head of quality and sustainability

19

2021

implemented

従業員向けにイベントや健康増進プログラムを展開し、頻繁な情報提供を 継続しておこなう

Company health management team

20

2021

ongoing

Head of works technology

ミツバチなどの昆虫を保護するため、敷地内の果樹園を 10,000 ㎡拡張する

21

2021

implemented

31

本社敷地内の貯水池は、水鳥やその他の野生動物の生息地となるよう、生態学的クライテリアに基づいて造成されています。

Successes and stumbling blocks

Renewables ウィルクハーンは長年にわたり、本社社屋・工場で消費される電力を可能な限り、 バイオガスによる地域暖房や太陽光発電などのグリーンエネルギーで賄ってき ました。 2020 年には消費電力の自然エネルギーの比率が 75 %に達し、 2022 年 にはついに、購入電力の全量をグリーンエネルギーとしました。 また、暖房のために消費するエネルギーのうち、 60 %以上をバイオエネルギー から調達するという目標を立て、それを達成しました。この改善により、暖房のた めに使用していた石油の量を、 32 万 5000l 削減しています。 2022 年のデータで は、熱供給の 67 %をバイオガス地域暖房で賄っています。この地域暖房の使用 割合は、設備・システムの改良によって大幅に向上しました。また、 2022 年は暖冬 だったため、ボイラーの稼働自体が例年より少なかったこともエネルギー消費 抑制の一因となりました。 Carbon dioxide emissions cut by 22 percent, 75 percent of headquar- ters are climate neutral 2022 年、ウィルクハーンの本社社屋・工場で消費したエネルギーにより排出され た CO ₂ 量は 494t でした(前年より 22 %減)。暖房エネルギーのグリーン化に成功 したことが、 CO ₂ 排出量減少に大きく貢献しています。また、クライメイト・ニュート ラルの到達率は、 2022 年に 75 %に至りました。

• グリーンエネルギーを利用し、エネルギー効率を高めることで、本社の CO ₂ 排出量が年間 4,000t から 1,000t 以下に減少 • バイオガスによる地域暖房の利用によって、毎年約 30 万 l の暖房用石油 を節約( 2012 年~) • エネルギー効率の改善により、電力消費量を 19% 削減 • 本社とサプライヤー間のパーツや製品の移送時に、リターナブルな梱包 材を採用( 2018 年~) • 製品生産時に生じる端材の 95 %を、プレコンシューママテリアルとして再生

32

2018 年 1 月に設置された、本社敷地内の電気自動車充電ステーション。

2017 年に一部の資材輸送にリユーザブルな梱包材を採用しました。その後継続的にリユーザブルな 梱包材の使用率を高め、使い捨ての梱包材の使用率を減少させる取り組みをおこなっています。

また、所有車輌による CO ₂ 排出量については、基準年( 2019 年)比から 5 %減を 目標としています。 2020 年、 2021 年は目標を達成することができましたが、残念 なことに 2022 年の排出量は増加に転じ、結果的に 2019 年比 10 %増となりまし た( 334t )。所有車輌の環境性能を高める投資を継続的におこない、多くの車輌 が自動スタート・ストップシステムや高性能エアロダイナミクスなどのオプション を搭載しているにもかかわらず、排出量が増加してしまっています。 排出量増加の原因と考えられるのは大きく2つです。まず、製品を移送する際に 使用する車輌を大型化したことにより、 1km あたりの CO ₂ 排出量が 5 %増加した ことです。大型の移送車輌は、輸送効率の向上のため導入されました。 2022 年は 従来の移送計画から、大型車輌の使用を組み込んだ新たな計画への移行時期に 当たり、非効率な結果となりましたが、これは一時的なものであり、改善されて いく見通しです。また、排出量増加のもう 1 つの理由として、新型コロナウイルス の規制緩和により本社を来訪するゲストが増え、送迎のため社用車を使用する 機会が増えたことが挙げられます(年間走行距離 5 %増 / 2019 年比)。

Material consumption 2022 年に使用した原材料の総重量は約 2,600t でした。 43 %( 1,126t )を占める 金属の内訳は、約 600t がスチール類、約 500t がアルミニウムでした。その他使 用量が多いのがプラスチック( 1,104t )で、総量の 43 %弱を占めています。木材 の仕入れは約 310t 、ファブリック・レザーなどのアップホルスタリーマテリアルは 40t でした。 資源効率の最大化を目指し、ウィルクハーンではリサイクル材料の使用率を高め る取り組みをおこなっています。古くからリサイクル技術が確立している金属では 高い割合でリサイクル材料を採用できている反面、まだ技術が発展途上にある プラスチックについては、改善の余地を残す状態です。近年の進歩として、マルチ パーパスチェア Yonda のシートシェルに、再生プラスチックと端材由来のウッド チップで構成される、環境にやさしいバイオコンポジット材を採用しました。

CO ₂ 排出量の推移 2013-2022 年 指数値(基準年 2013 年を 100 とする)

車輌による CO ₂ 排出量の推移

ウィルクハーン本社におけるエネルギー消費量の推移 2013-2022 年 単位:メガワット /hour ( MWh )

指数値(基準年 2019 年を 100 とする)

10.000 9.000 8.000 7.000 6.000 5.000 4.000 3.000 2.000 1.000 0

140

115

120

110

100

105

80

100

60

95

40

90

20

85

0 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

80

2019

2020

2021

2022

2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

車輌による消費量 車輌・暖房以外の消費量 暖房による消費量

車輌による排出量 オフィス・工場からの排出量 総排出量 基準値( 2013 年)

目標( 2019 年の排出量から 5 %削減) CO ₂ 排出量(全車輌) 年間走行距離(全車輌) 基準値( 2019 年)

33

Electricity consumption at headquarters was cut by 19 percent. 本社で消費する電力については、 2019 年比で 10 %以上の削減を目標に掲げま した。工場の照明をすべて LED に交換する、コンプレッサーを少ない電力で高い パフォーマンスを発揮するものに交換する、オフィスのプリンタ台数を減らすなど の改善努力を重ねた結果、目標を大きく上回る消費電力 19 %削減を達成しま した。

2022 年の本社での総電力消費量は 1,559MW (メガワット)で、消費電力のすべて を環境に優しい水力発電で賄いました。

Solvent emissions remained low. 2022 年本社工場では、主に接着剤や洗浄液などに含まれる成分である有機溶剤 を、約 3.2t 排出しました。これは前年から 10 %増加しています。増加の原因とし て、接着剤を多く利用するファブリック張りのチェア( FS-Line や Occo など)の 大幅な受注増が挙げられます。増加したとは言え、年間 15t という排出量は法基 準を大きく下回る数値で、環境への悪影響はないと考えられます。 現在、テーブル天板や一部チェアの縫製は、外部工場に委託しています。つまり、 全生産を考えると、有機溶剤の排出は前出の本社工場からだけでなく、外部工場 でも発生しています。ウィルクハーンは、頻繁な監査により、サプライチェーン全体 の生産が安全で環境に優しく、法的要件に準拠していることを定期的に確認して います。 95 percent of raw materials recycled 2022 年、廃棄物の排出量は前年から大幅増の 414t となりました。受注増にとも なう生産数の増加により、生産部門からの廃棄物が増えたことが大きな要因で す。また同時に、本社施設の改装により、例年よりも多くの廃棄物が生じました。 一例として、外壁改装によって、約 60t の廃棄物が排出されています。また、粉体 塗装部門の廃水処理プラント設備の交換によって廃水の排出量が削減されると 見込んでいましたが、期待値に至らず、当初の予定より廃水の排出量が多い結果 となりました。 特筆すべきは、製品の生産量が増加したにもかかわらず、木材の廃棄量が 56t に まで減少したことです。サプライヤーとの輸送にリユーザブルな梱包材を採用し、 また、繰り返しリユースされる EU 規格のパレットを使用することにより、木材の 消費量自体を大幅に減らしたことが功を奏しました。また、ウィルクハーン本社 工場ならびにオフィスから発生する廃棄物のほとんどは、リサイクル原料として 回収されるか、燃料として再利用されており、その割合は全廃棄量の 95 %に達し ます。

廃棄物は種類ごとに分別され、可能なものはすべてリサイクルされます。また、プラスチックフィルム や段ボールは、輸送時の CO ₂ 排出量削減のため、圧縮し体積を減らしてから業者へ渡しています。

• 生産した製品は溶剤の含有量が少なく、有害な揮発性有機化合物を 一切放出しない • アップホルスタリー部門ではミシン縫いやタッカー留めを優先的に選択 し、接着剤の使用を最小限に抑える • 製品の多くが室内空気環境に関する厳しい基準が設けられた Green guard 認証を取得

相対的電力消費量の推移指数値 (基準年 2019 年を 100 とする)

自然エネルギー使用率( % )

有機溶剤( VOCs )排出量 In tons / year

120

20 18 16 14 12 10

80 % 70 % 60 % 50 % 40 % 30 % 20 % 10 % 0 %

110

100

90

8 6 4 2 0

80

70

2017

2018

2019

2020

2021

2022

2018

2019

2020

2021

2022

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

目標:暖房で使用するエネルギーの 60 %をバイオガス由来とする 目標:消費するエネルギー全体の 50 %を自然エネルギー由来とする 消費エネルギー全体の自然エネルギー使用率 暖房におけるバイオガス由来のエネルギー使用率

環境目標:電力消費量の 10% 削減( 2019 年の消費量+販売量 と比較) 電力消費指数 1 ( 2019 年を 100 とする) 電力消費指数 2 (消費量 / 販売量、 2019 年を 100 とする) 基準年( 2019 年)

木材 / コンポジットウッドの塗装から発生した溶剤 接着・塗装から発生した溶剤 溶剤の総排出量 排出量の基準( no. 31 BlmSchV )

34

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