2023-2025 サステナビリティ・レポート(日本語版)

Sustainability aspects

ウィルクハーンのサステナビリティ・マネジメント・システムは、環境と社会に対す る悪影響を最小限に抑え、好影響を可能な限り最大化することを目標としてい ます。その実現のため、製品開発・製造・販売の全プロセスにおいて、サステナビ リティに意識的な姿勢を貫いています。 Direct environmental aspects 製品生産で発生する主な環境負荷は、大気中への汚染物質、特に CO ₂ の排出で す。 CO ₂ 排出は、工場で使用する電力の発電と、車輌・航空機・船など輸送手段に よる燃料消費によって生じます。加えて、縫製部門では現在も有機溶剤を用いた 接着剤を一部使用しており、少量の VOCs (揮発性有機化合物)の大気中への排出 があります。 製品材料として使用する天然資源の消費削減のため、耐久性が高く修理が容易 な、製品寿命の長い製品を生産し、また、製品にリサイクル材料を使用しています。 また工場やオフィスでの電力消費にも着目し、消費電力の多い照明、循環ポン プ、冷却装置、空調、コンプレッサー、 IT ハードウェアなどで省電力化の対策を講じ ています。 さらに別の環境的側面として、水質汚染対策があります。製品製造の過程で使用 する灯油はじめ水質汚染の原因となりうる物質の排出については、細心の注意を 払っています。また、頻繁に点検・検査・メンテナンスを実施し、すべての機械・設備 が低排出かつエネルギー効率に優れた方法で稼働するようにしています。 排出する廃棄物のほとんどは非毒性ですが、現状 100 %ではなく、少量ながら 有毒性の廃棄物の排出も発生しています。それらが適正に処理されているかに ついては、とりわけ厳格なチェックをおこなっています。洗い流した薬剤を含有して いる可能性のある、金属塗装工程で発生する処理水なども、もちろんチェック対象 です。今まで、工場周辺の生物多様性への悪影響が確認されたことはありません。

土壌汚染については、土壌の掘り起こしや土地の封鎖など、原因となりうる作業 が発生するのは、本社敷地の拡張工事をおこなう際のみです。当面その予定は なく、特記すべき事項はありません。

Indirect environmental aspects 上に挙げた対策は、環境に直接影響を及ぼす危険性のある事項についての対策 ですが、ウィルクハーンの環境配慮は、それだけに留まりません。例えば、輸送時 に発生する環境負荷や、設備維持のために使用するエネルギーについても注意 を払っています。さらには、その配慮は自社だけにとどまりません。パーツを製造 しているサプライヤーがどのような環境対策をおこなっているかについて、定期 的なヒアリングを実施しています。特に、金属加工では表面処理のため大量の水 を使用します。また、処理によっては危険薬剤を使用する場合もあります。金属 加工をおこなうサプライヤーに対しては、廃水・薬剤の処理が適切であるか、こ とさら慎重にヒアリングをおこなっています。 加えて、今後の課題として、輸送時のエネルギー消費量ならびに CO ₂ 排出量削減 を挙げています。間接的であっても、環境に負荷を与える可能性のある要因を 一つ一つ取り除いていくことは、とても重要なことです。そのため、新製品の開発 にあたっては、できる限り環境に優しい材料を使用するようにし、慎重にサプライ ヤーの選定をおこなっています。

考えうる環境影響

対処

関連度 原因

CO ₂ の排出(電力を除く)

気候変動

暖房、車両、輸送の見直し

high

環境資源の使用、気候変動、 土壌汚染、水資源使用、 廃棄物排出

環境に配慮した製品のデザイン・開発、 サプライヤーを含めた生産時のエネルギー消費削減、 排出物および廃棄物の削減、輸送効率向上

製品に使用する材料

high

照明の見直し、コンプレッサーの導入、 IT ハードウェアの見直し

気候変動

電力消費

average

縫製部門でのケア

溶剤 (VOCs)

健康リスク

low

廃棄物

生産部門・管理部門(オフィス)でのケア

健康リスク、水質・土壌汚染

low

粉体塗装作業場、下水エリア、石油 および危険物質貯蔵庫の定期的な点検

廃水

飲料水の安全性、水資源使用

low

ウィルクハーンの企業活動によって起こりうる環境影響とその原因を重要度の高いものから順に並べたリスト

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