IUJパンフレット2025-2026

♯ 支援者としての成長を目指し、飛び込んだ多国籍環境 2

私は 2015 年に独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)に入構し、中小企業の経営力強化支援等に携わってまいりました。 しかし経験を積むに連れ、 支援者としての力不足も実感するようになりました。 お客様である中小企業経営者のお悩みに寄り添うため、 自分自身が経営の知識やスキルを積まねばならない。 そう考えていた矢先、 中小機構が国際大学 MBA1年制プログラムへの職員派遣 制度を新設したことを知ります。 まさに絶好の機会と思い、 社内公募に応募することにいたしました。 入学したのは、 コロナ禍による水際対策が緩和され、 オンラインからリアル講義に全面移行したタイミングでした。 約 60 の国と地域から高 いモチベーションを持つ学生が一堂に会し、 初日から有り余るほどの熱量を肌身で感じたのを覚えています。 MBA1年制プログラムでは短期間で MBA に必要な知識を網羅的に学びますので、 1学期あたりの授業量も多く、 毎日がマルチタスクの 連続でした。 しかもほとんどの授業でグループワークが組み込まれており、他の学生と協力して取り組む必要があります。 国籍、年齢、価 値観の異なるメンバーで議論するので、 相互理解と合意形成の困難は付きものでした。 しかし、 このような多国籍チームの中で各人の持 ち味を引き出し、 相乗効果を生み出す実践経験を積み重ねることで、 自ずとチームマネジメント力が鍛えられていったと感じています。

現在は中小機構に帰任し海外支援機関との連 携窓口を担う部署に所属しています。 海外との調 整や交渉が主な業務で、 こちらが思うようなペース で物事が進まなかったり難題に直面することも多く あります。 以前の自分であれば慌てふためいてい たはずですが、 このような時には必ず、 どの教授も 口酸っぱくおっしゃっていた 「広い視野を持て。 物 事の全体を見ろ。」 という言葉を思い出します。 一旦立ち止まって先を見据えながら、 組織としてど のような対応策を講じるべきかを多角的な視点で 検討・議論し、取り組めるようになりました。まさに、 国際大学で様々な課題に携わった経験があった からだと思います。

櫛田 怜 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 MBA 2023年修了

修了生の声

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