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K leinは、内的な 迫 害 的対象による 禁止 は「 実 物 の 母親 からではな く 、 取 り入れ られた 母親 から」生 じ ていたと書いている。(192 6 : 132)
それにもかかわら ず K lein は現実の外的 世 界へ の 言及 を 避 けることはせ ず 、 投影 -取 り入れを 環境 的 因 子と精神内的 因 子の相互作用あるいは「相互交流 in t er p la y 」の 絶 え ざ る 過程 として 捉 えた。(193 6 : 292) 「その始まりから分析は 常 に子供の 早期 の体験に重 点 を 常 に置い てきたが、 私 たちは、子供の 早期 の 不安 の 性質 や内 容 、そして実際 の体験と 空想 生活との間の 絶 え間ない相互交流についてより 知 る ようになって初めて、外的 因 子が どうして それ ほ ど重要なのか 十 分 に理解できるように 思 われる」( K lein 193 5 , p . 2 85 )。 K lein は「心的発達のまさに始めから、現実の対象と 自我 の内 側 に置かれた対 象の 絶 え ざ る相関が存在する」(193 5 : 2 66 )と 述べ ている。対象の イ マ ー ゴ はこ のように現実の 状 況 の「 写 し doubles」として み なされる (1940: 34 6 )。「 写 し」 という 概念 は、精神作用 p s y chic men t a t ion(内的対象、 表 象、象 徴 )の理論を 前提 としており、その理論は( 真 実 性 より む し ろ )対 応 corres p ondence という 考 えに 基 づいたものである。すなわちそれは、内的 イ マ ー ゴ は「それらの 土台 で ある現実の対象が 空想 的に 歪曲 された イメ ー ジ 」(193 5 : 2 6 2)であるということ を 根 拠 にして 維 持される 考 え方である。 投影 -取 り入れの 過程 は 防衛 メカ ニズム としてよりも出 会 いの 正常 の様式、すなわち、外的 世 界 との関係の 仕 方一般とし て み なされている。このような 考 えでは、内的対象 イ マ ー ゴ は現実の 知 覚 体験の 核 の 周 りに形成される。そして、内的 世 界 には乳児の実際の 環境 と対人関係的歴 史に 由来 する対象が 住 まっている。 投影 と 取 り入れのサ イク ルが 続く につれ、( K lein によると生 後 4 - 6ヶ 月 に 始まる)ある地 点 で乳児が 空想 中で 追 放し、 悪 意をもって 攻撃 する 憎 らしい対象 が、乳児が 愛 情をもって 取 り 込み たいと 願 っている、 栄 養を 与 えて く れる 愛 する 対象と同 じ 対象であることを理解する。その 結 果 、乳児は 自 分が 愛 する対象に 攻 撃 を 行 ってきたことについての 自覚 を 芽 生えさせる。もし乳児が 愛 する人 物 と 憎 む 人 物 のこの 合 流に 耐 えることができるなら、 空想 的な「 部 分対象」が 支配 する、 早期 のいわ ゆ る「 妄 想 分 裂ポ ジショ ン」の 迫 害 的で生き 残 りがかかった 不安 の代
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