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Borenszstejn, C. (2014)編集の『アルゼンチン精神分析事典』の「枠組み Bleger/Encuadre [Frame] 」と「フィールド Campo Psicoanalitico [Field]」の項⽬などである。
Ⅷ. 結語
Freud によって確⽴された分析設定は三地域全ての現⾏の臨床実践において明らかに有 効であり続けている。主に患者と分析家にとっての設定の無意識的な意味の概念化と理解 において発展がみられ、特に Bleger と Winnicott の業績を⽀持している。Bion の「もの想 い」の概念は分析家の作業(内的設定)と分析過程そのものについてのさらなる推敲をもた らしている。分析的姿勢と分析家の作業に焦点づけることは、逆転移の概念を拡張すること にも結びつく。
「設定」や「枠組み」という⽤語は、⼀部では同義に⽤いられ、⼀⽅で他の論者は「規則」 や設定と枠組みのなかで起こる過程の境界に関連してその 2 つの⽤語を区別して⽤いる。
中南⽶では、現⾏の社会的および⽂化的現実に関連して古典的な精神分析設定を適応さ せる必要性に明確に関⼼があり、伝統的設定をそのまま受け⼊れずにやわらげる⽴場と⾒ なされている。 ことによると、「設定」という⽤語は、現在さらに重要なものになりつつあるのかもしれ ない。なぜなら、精神分析を実施するための状況における変化(例えば、バーチャルな存在 を伴う新たな技術を⽤いるなど)が、この根本的な概念の意味と重要性を失う危険をもたら すかもしれないという懸念があるからだ。
上記の1-12 ページの部分は主に−ただしそれだけに限られるものではない−ヨーロッパ の精神分析からの出典であり、12-15 ページの部分は北⽶からの出典であり、15-16 ページ の部分は中南⽶からの出典である。
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