IPA 地域間精神分析百科事典

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よ)内的な「 悪 い」対象に 焦点 を 当 てた。 7 . 対象 と 自己 についてのあら ゆ る 表 象は 投影 と 取 り入れの 進 行 中の 過程 を 通 して構 築 される。そのために、これらの 対象 と 自己 の 表 象はいつまでも 完 全には互いに分 化 されることはない。 8 .内的 対象は外的対象から 区別 される。外的対象は身体の内 側 にとりこまれなかった対 象の 表 象として定義される。心理的発達は、分 裂 と 投影 同一 化 の 防衛 過程 が 支配 的で、 部 分対象(と 自己 の 諸 部 分)で 特 徴 づけられる 妄 想 分 裂ポ ジショ ンから、 ア ン ビバ レ ン ス が 許容 され、様々な 部 分対象の全体対象 へ の 統合 で 特 徴 づけられ る 抑 うつ ポ ジショ ン へ と 進む 。精神 病 理は 妄 想 分 裂ポ ジショ ンあるいは 抑 うつ ポ ジショ ンの 諸 側面へ の 固 着 やそれらの 回 帰 を 反映 する。 K lein (1929, 194 6 )の 見 解では、(内的対象に関係した)全ての内在 化過程 は 良 い対象に 攻撃 性 が 押 し 寄 せてしまうことについての 不安 の 管 理と関係する。 K leinは 確 かに 多く の理 由 で( 上記 の要 点 6 ) 攻撃 性 を 観 察 し、それに アプ ロー チ する 潮 流により同 調 するようになり、その理 由 の ひ とつが、それまで 注目 され てこなかった Abraham の 見 解を 拡 張 することであった。しかし、 彼 女 の理論的 見 解は生 来 的なリ ビド ー的 傾向 にも アプ ロー チ し、 良 い内的対象や 自己 の 良 い 側面 の内在 化 の 阻止 や 維 持に 寄与 する要 因 にも 焦点 を 当 てた。 彼 女 の理論的な関心は 分 裂 の メカ ニズム に 支配 された 早期 の 未 解 決 のエ ディプス コン プレ ッ クス に 焦 点 を 当 てた。

「 ・・・私 が 遭遇 した 予 測 していなかった現象の ひ とつが 非 常 に 早 期 の 残忍 な 超 自我 である。 ・・・私 は 幼 い子供が両 親 を ・・・空想 的な方 法 で 取 り入れることを発 見 した。そして 私 をこの 結 論に導い たのは、 自我 の中にある 彼 らの内的な 不安 が持つことがある 恐 ろ し い 特 徴 の 観 察 であった。しかし、 ・・・ それらは 超 自我 が形成され る 時 のやり方とは 違 うやり方で分 裂 排除 され、 無 意識のより 深 い 層 へ と 追 いやられているのである ・・・ 」( K lein 19 58 , p .241)。

K leinは 拡 散 した 不安 から、 妄 想 分 裂 的( 迫 害 的) 不安 、すなわち、 自己 の 保 存に関わる 不安 の方に 移 行 するために 早期 から分 裂 が 必 要とされることを 強調 した。 彼 女 はそうした 早期 の 不安 が、 彼 女 が 抑 うつ 不安 と呼 ぶ ようになるもの、 すなわち対象 へ の 思 いやりの 周囲 で生 じ て く る 不安 に 統合 されるようになる 以 前 に 、対象についての 知 覚 をどのように 彩 るかを 強調 した。この 焦点 付けによっ

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