IPA 地域間精神分析百科事典

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の 手 法 のうち、どれが 使 用されるか、またはそれ ぞ れがどの 程度使 用されるかが 決 まる。この 類 型 論は、 次 の要 素 から構成される : ( ⅰ ) 強 迫 神経 症 、 受 け入れら れた対象と、 拒 絶 された対象の両方が内在 化 されている、( ⅱ )パ ラ ノ イア 的 手 法 、 受 け入れられた対象は内在 化 され、 拒 絶 された対象は外在 化 される、( ⅲ ) ヒ ステ リー的 防衛 、 受 け入れられた対象が外在 化 され、 拒 絶 された対象が内在 化 される、 ( ⅳ ) 恐怖 症 的 ポ ジショ ン、 受 け入れられた対象と 拒 絶 された対象の両方が外在 化 される(1941: 4 6 ) この 自我 の分 裂 は、あら ゆ る精神 病 理 学 の 根 底 にある要 因 と み なされている。 したがって、 特 定の 本能 的衝動( 吸 う、 噛 む )に対する 防衛 に 基 づいた 病因 論的な 区 分は、精神 病 理 学 における 徹 底 的な対象関係論 へ と 場 所 を 譲 ることになる。 Fairbairn の精神分析の 改訂 モデ ルの理論的および 臨床 的な 強調点 は、とりわけ 「 抑 うつ」と 診 断 された 患 者が、しばしば「 ス キゾ イ ド 」であるという 彼 の主 張 において明らかである。 例 えば、 ヒ ステ リー 患 者の解 離 現象は、「「 ス キゾ イ ド 」 という用語に語 源 的には重要 性 を 与 えるものと、 根 本 的に同一の 自我 の分 裂 を 伴 う」(1944: 92; 強調点 を 追 加 )。 診 断 の一般 化 は、「内在 化 された 悪 い対象が 私 たち全 員 の心のより 深 い 水準 で存在している」という理 由 に 基 づいて、 病 的な人 だけでな く 、「 正常 な人」にも 拡 張 されている(1943: 6 4 -5 )。 Fairbairnは、対象を 口 から 合 体するという 空想 が、どのようにして精神内構 造の 確立 を 引 き 起 こす 可 能性 があるかということに関して、満足のい く ような説 明をしていないとして、 K leinを 批 判 している。 彼 の 見 解では、そのような説明 が 提 供されない 限 り、そのような内的対象は構造として語られることはでき ず 、 空想 の 産 物 にとどまることになる。 彼 は K lein の メカ ニズム を構造 モデ ルに 結 びつけようとした。 ス キゾ イ ド傾向 を持つ 患 者に 見 られる ― 分 裂 に関する 彼 の分 析は、 永 続 的で 臨床 的に 価 値 があり、その 後 の対象関係の内在 化 の構造 モデ ルを 理解するための 豊 かな 背景 を 提 供している( K ernberg, 19 77 )。Fairbairn は、「衝 動は、 自我 構造の 力 動的な 側面 を 表 すものとして 見 なされなければならない … そ して、それらは 必然 的に対象関係を 含 んでいる … 」と 述べ て(Fairbairn 19 5 1, p .1 67 )、 二元 論的 本能 論を 急 進 的な対象関係論に置き 換 え、それ ゆ えに 環境 側 の 決 定的で 根 本 的な 失 敗 の 問題 を 未 解 決 なままにしたが、一方、 彼 の「 興奮 させる 対象 — リ ビド ー 自我 」、「 拒 絶 する対象 — 反 リ ビド ー 自我 」、「中 核自我 」は主要な精 神内構造であるが、それは 後 に、 単 純 化 しす ぎ ているとして 批 判 された。その一

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