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Ⅲ . E . Sandler
英国 において、Sandler(19 6 3)、 J o ff e と Sandler(19 65 )は、認 知 的発達、 感 情的 発達、内在 化 した対象関係を 表 象する構造の発達が、 密 接に関連していることを 示 唆 している。 彼 らは、 自己- 構造の発達の 研究 に 焦点 を 当 てており、北米の J acobson(19 6 4)と同様の 立場 である。それはすなわち、対象 -表 象の 影響 の 下 で、 必然 的に 自己-表 象の 修 正 を 伴 った同一 化 が 起 こるが、その同一 化 は 特 定の 自己 表 象が 個 人の全体的な 防衛 の 配 置にどの 程度 適 合 するかに 基 づいているという 立場 である。
Ⅳ . 現代のヨーロッパにおけるさらなる理論的発 展 とそれに関連する 臨床応 用
Ⅳ . A. K ein 派 の発 展
B ion(19 6 3)は、連 続 的な発達 段階 の理論から、「 ポ ジショ ン」論 — すなわち、 妄 想 分 裂ポ ジショ ンと 抑 うつ ポ ジショ ン ― へ の K lein の 思 考 における 移 行 を 完 成さ せた。したがって、 P S → D P という形式での 考 え方というよりも、 P S ↔ D P という 双 方 向 の式(e q ua t ion)を 彼 は 使 用しており、それはその ポ ジショ ンが人生を 通 して、 どのように 行 きつ 戻 りつするかを 示 唆 している。 J ohn S t einer(19 8 1、19 87 )は、 J oan Ri v iere(193 6 )、 H erber t Rosen f eld(19 6 4、19 7 1)、Donald Mel tz er(19 68 )、 H anna Segal(19 7 2)、そして E dna O ’ Shaughness y (19 8 1)の 研究 に 基 づいて、い わ ゆ る「 病 理的 / 防衛 組織 ( p a t hological / de f ensi v e organisa t ion)」が、 迫 害 感 に対しても、 抑 うつ的 罪悪 感 に対しても 防衛 として機 能 し、パー ソナ リ ティ を 安 定させるが、しかし同 時 にそれを 役 立 た ず にし、 傷 つけもするようなもう一つの ポ ジショ ンを 提 供するさまを 示 した。
分析の中で、 病 理的 / 防衛 的 組織化 の現れと、2つの ポ ジショ ンの間の 変 動は、 次 のように 概 略 的に説明できる。
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