IPA 地域間精神分析百科事典

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4 . 発 達 、動 機 、現 出 する 機能 : 元 々 古 典 的な F reud の理論の中に み られる「発 達 の 傾 き 」と ⾃⾝ が 名付 けたものに Mitchell は 反対だ ったが、 彼 はその 後 「 出 ⽣ 後 の 瞬 間 瞬 間から 対 象の状 態 と 主 観 性 が⽣ じ る 原 初の ⾼ 密 度 の 場所 として」 特 徴 づ けられる(Harris, 2011, p. 7 1 4 )関 係 論的 マ トリック ス において⽣ じ る ⼈ 間の 主 観 性 とい う Loe w ald の考え⽅を 採択 し、⼀ 層 発 達 を 重 視 する ⽴ 場 となった。Laplanche の「移 植 implantation」そして「 過 剰 な 他 者」概念を使⽤して、 ⼆ 者関 係 において⽣ じ る セ ク シュ アリティの例が、 ⼤⼈ と ⼦供 の相 互作⽤により⽣ じ てくる「 過 剰 なものとしての セ ク シュ アリティ」とい う 概念により Stein により 提⽰ された(Stein, 2008)。 転移が 遍 在することに 重点 を 置 くことが 特 徴となる 臨床 過 程 : F erenczi (1911, 1932)の初 期 の考え、Heimann (1960)の逆転移の 着 想 、そして Bion (1959)の 投影 同⼀化の 発展的な 仕事 を 辿 り、関 係 論的 臨床 理論は「 ⾰新 的な シス テ ム 理論 … として 機能 する」 (Harris, 2011)。それは分析的 ペ アの双⽅ 向 性 の 影響 に 重点 を 置 く。 ち ょ うど 「分析家の 脆 弱 性 」そして「⾏ き 詰 まり」と同 様 に、 真 正 性 、 誠 実 さ、分析家の 躓 き や 誤 りに つ いて ⾃⼰ 開⽰ の 可能性 も含め 様 々 な⽅ 法 で 臨床 で 適 ⽤されるが、それらは関 係 論的 臨床実 践 の 基盤 で ある(Aaron, 2006 ; Harris and Sinsheimer, 2008)。 5 . 上 記 のよ う に 述 べ た関 係性 理論と 臨床 的ア プ ロー チ の 多 くの 貢 献 の中で、現在も議論され ているものの中には、分析的 ⼆ 者関 係 が ど の 程 度⾮ − 歴史 的な共 − 構 築 であり、そして同 時 に ⺟ 親 − 乳児 ユ ニ ットの レプ リ カ であると み なされるかが含まれている。(C O N F L I CT, IN TERS U BJECT I V I T Y も参 照 のこと)

V .Bd. ⾃⼰⼼ 理 学 : ⾃⼰対 象

⾃⼰⼼ 理 学 派 た ち は、「 内 在化」とい う 概念は ⽐ 喩 であり、あまり⽂ 字 通 りに 受 け 取 る 必要 はなく、またそ う す べき でもなく、 少 し⽤ ⼼ しなければならないと 注 意を 促 してい る。したがって、「 対 象関 係 論」が「 原型 となる 乳児 と ⺟ 親 との関 係 の 反映 としての ⼆ 者 間のあるいは ⼆ 極 化した表象( ⾃⼰ イメー ジ と 対 象イメー ジ )が 徐々 に 構 築 されること」 ( K ernberg, 19 7 6, p.5 7 )に ⾔及 しているといわれても、 必ず しも ミニ チ ュ アの レプ リ カ や 「表象」や「イメー ジ 」が 外 の 世界 を 再演 している 頭 の中の 舞台 へ外 界 の活動が 置 き 換 え られていると 暗 ⽰ されていると ⾒ なす べき ではない。「 内 在化」は、 物 理的あるいは地理 的な意味を 持つ必要 のない概念に 適 ⽤されると み なすのが 適切 だ ろ う 。 年 刊 シ リー ズ 『 ⾃ ⼰⼼ 理 学 の 進 歩 Progress in Sel f Psychology 』 の 編 集者であり、Heinz K ohut の理論の拡張

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