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ソナ リ ティ 障害 − は同一 性 拡 散 症 候 群 に 典 型 的な、 自我 同一 性 の 統合 が達成 欠 如 を 反映 している。分 裂 を中心とした主要な原始的 防衛 の 運 用と、対人関係での 微 妙 な 側面 において明らかとなる現実 検討 のある 程度 の 制 限 がこの 水準 の発達、そ して — もしこの 水準 に 固 着 しているならば — 重 度 の( 境 界性 )パー ソナ リ ティ 障害 の 病 理を 特 徴 づけている。 この 水準 の 病 理における心的内 界 の 葛藤 は内在 化 された対象関係における 二 つ の相 反 する ユ ニ ットの間でのことであ ろ う。そこでは欲動 派 生 物 の 影響 下 でそれ ぞ れの ユ ニ ットが 自己 と対象 表 象から成る( 臨床 的には情緒 傾向 として 表 れる)。 出生 後 3 年目 までに 徐 々に生 じ て く る発達の 第二 段階 では、 周囲 の 世 界 につ いて現実的な理解が 進み 、 良 い(満足を 与 える)経験が 悪 い(欲求 不 満を 与 える) 経験より大き く なることで、 反 対の情動経験が 徐 々に 統合 されるのを 促進 する。 外 界 の同一対象 へ の 陽 性 と 陰 性 が 混じ った情動関係による ア ン ビバ レ ン スへ の 耐 性 が、 自我 同一 性 の 二 つの主要な構成要 因 である、 統合 された 自己感 と重要な 他者の 統合 された 見 方 へ と 徐 々に導 く 。この発達の 第二 段階 はおおまかに K lein の「 抑 うつ 態 勢 」( 短縮 された 時 間 軸 は入れ ず に)と Freud の定式 化 におけるエ ディ パルな発達に 至 る 頃 にあたる。 それは対象 恒 常 性 の達成、 正常 の 神経 症 水準 構造の発達、そして 高 水準 の 投影 、 否 定、 知 性化 、そして 反 動形成を 含む 抑圧周 辺 の 高 水準 の 防衛 とそれに関連した 機 制 が 優 位であることを 示 す。この 高 水準 の人 格組織 は内的な構造 化 も重要なこ とに 反映 する。つまり 耐 え 難 い原始的 攻撃 性 と 幼 児 性愛 の 側面 を 反映 した 許容 で きない内在 化 された 二 者関係で構成された 抑圧 された 力 動的 無 意識 — 「 イ ド 」 — の 区 分である。 セ クシ ュ ア リ ティ 、 依 存、 自 律 、そして 攻撃 的 / 主 張 的な 自己 − 肯 定 といった情緒的 ニ ー ズ の 適 応 的 表 現を 反映 した 昇華 的機 能 の発達とあわせ、「 自 我 」はいまや 統合 されまとまりのある 自己 − 概念 および 統 一された重要な他者 表 象を 含む 。心理 社会 的 環境 、とりわけ 親 と乳 幼 児そして 小 児の 早期 交流から 伝 達 された 倫 理的 観点 からの要求や 禁止 を 含む取 り入れられた対象関係は「 超 − 自我 」 の中に 統合 される。この 後 者の構造は 取 り入れられた 禁止 と理 想化 された要求の 層 から構成され、 固 有 化 され 抽 象的なその人 特 有 の 倫 理 観へ と 顕 著 に 変 形される ( K ernberg, 2004, 2012)。人 格 構造のこの 水準 における 無 意識的 葛藤 は イ ド 、 自
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