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⼥は 提唱 した。しかしながら、 B ic k は 以 下 のように 警鐘 を 鳴 らした。 「 … コンテイニング機能が 取 り⼊れられるまで、⾃⼰ 内 部の空間の概念は⽣ まれることはない。 … [ かつ ][内 的なコンテイニング ] 対象の 構 築… は 阻 害 される [ であろう ] … この原初的な ⽪膚 機能の 発達 不 全 は、実対象の 適 性 ⽋如 ないしその実対象への空想上の 攻撃 が 取 り⼊れを 阻害 することから⽣ じ ると 考 えられるであろう。原初的な ⽪膚 機能の 障 害 は 「 第 ⼆ の ⽪膚 」形成 の 発展 に繋がり、それによって、この ⽪膚 コンテイ ナ ー機能の 代 替 物 を 形成 する ⽬ 的で、ある 精神 機能の 不 適切 使 ⽤ によって、あるいはもしかすると⽣ 来 的な能⼒によって、対象への 依 存 が 偽 りの⾃ ⽴ に 置 き 換 えられる。 」 (p . 4 8 4) D onald Melt z er は B ionの理論を 研究 することによって、 投影同⼀化の 病 理 をその 障 害 が主に 投影 の 領 域に お けるものか 或 いは主に 同⼀化 のそれなのかに よって分類した(Melt z er, 19 8 6)。 投影の 病 理 は対象の 内 的世界が ど のように空想されるかに 関係 している。こ れには 恐怖症 の 領 域が 含 まれ、特に 広 場恐怖 や 閉所恐怖 といった 恐怖症 の 領 域 がそうである。対象の 内 部で 蔓延 している可能性のある 雰囲 気 の性 質 や 属 性に ついての空想もまたある 種 の 精神病 的 混 乱状 態 に お いては認 め られ、特に 思 春 期に 観察 されるものがそうである。Melt z erは 歪曲 された 知 覚 の 症候 群について も ⾔及 して お り、それを彼は 「洞察 の 明瞭 さの 妄 想 delusion o f clarity o f insight 」 と 称 しているが、それはすなわ ち 他者が 考 えていることを 正確 に 知 っていると いう 確信 である。 最も⼀ 般 的な 同⼀化の 病 理 は対象の性 質 を 即座 に 取 り 込 むことにある。 ヒ ス テリー 転 換 はその 典型 例 であるが、 躁 うつ 精神病 や ⼼気 症 、 偽 りの 成熟 の 状 態 に お いても認 め られる。そのような 状 態 に お いては、主体は理想化された対象への 投影同⼀化から 抜 け 出 せずにいる可能性があり、 第 ⼀に 不均 ⼀な 過成熟 の中間 状 態 を 形成 し、 続 いて 均衡 のとれた⾃ 我 理想に 到 達 する べ くその理想化された 対象の 喪 の 作業 へと 前 進 することはない。 後年Melt z er (199 2 )は、投影同⼀化が 達成 される部分対象の無意識的 選択 に ついて 探求 している。そこには空想された⺟親の⾝体の様 々 な部分―性 器 、 肛⾨ 、 乳 房 、 頭 部―が 伴 うことに彼は 注⽬ し、特定のコンテイ ナ ーの 選択 に 従 って様 々 な 病 理の 臨床 的 探 究 を 展 開 した。それは 各 々 、性 愛 化 / 興奮 、 秘 密/ 略奪 、 万 能 的 寛⼤ / 理想化である。
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