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お ける 胎 内 の ⾚ん坊 に対する⺟親の 誤 った概念が分 離 への 恐怖 を⽣ み 、その 結 果 暴 ⼒的な投影同⼀化 を 引 き 起 こし、それによって⾃⾝が 独⽴ した⺟親である という概念と乳 幼 児が分 離 した 個 ⼈であるという概念に 適 応 する⺟親の能⼒が 破壊 されることを Apprey (19 87 )は ⽰ 唆 した。このような⺟親にとって、 ⾚ん坊 の 物 理的な 出 産 は⾃⾝の⺟親の 喪失 を 表 し、 産 後うつ 病 や⾃⼰ 表 象と対象 表 象 の 混 乱 を 伴 う 精神病 を 引 き 起 こす ⼤ 規模 な 退 ⾏ を⽣ じ させる。 恐怖 に 怯 える ハ イリス ク な 妊娠 中の⺟親が 「 私 は 妊娠 しているけ ど 、⺟が 私 を 殺 す だ ろうから⺟ には ⾔ えない 」 もしくは 「 ⾚ん坊 が⺟を 殺 す だ ろうから ⾔ えない 」 と感 じ るよう に、このような 混 乱 は三世 代 にわたる可能性がある。もし ⾚ん坊 ⾃⾝が⺟親の 暴 ⼒的な投影のコンテイ ナ ーとして 使 われるなら、 ⾚ん坊 は 邪 悪 な 存在 と み なさ れ、 産 後うつ 病 もしくは 精神病 の間、⺟親の 暴 ⼒性のコンテイ ナ ーになりか ね な い。そのような 混 乱 した⺟親は 「 ⾚ん坊 と 邪 悪 なこの世界を 救 う 」 た め に 「 ⾚ん 坊 に 洗礼 が 必 要 だ 」 、つまりそれは 浴槽 で 溺 れさせることになるの だ が、それが 必 要 だ と 信 じ るようになるかもしれない。 Apprey は、これらの世 代 を 超 えたプ ロ セ スの理 解 に基 づ いた 精神 分 析 的な 介 ⼊によって 破壊 的な投影同⼀化を乳児 との共感的コミュニケーションに 変 えることができると 提⾔ している。 Judith Mitrani (199 3 )は、コンテインする対象もしくはコンテインする対象 を 使 ⽤ する乳児の能⼒に ⽋ 陥 があるとさま ざ まな 病 理的な 反 応 が 引 き 起 こされ ることを 説 明 した。⺟親のもの想いの能⼒が 著 しく制 限 されると( 乗 っ 取 られる、 侵 ⼊されるという 恐怖 や、 没 ⼊、 損傷 に 起 因 する可能性がある)、 未 修 正 の 恐怖 が ⾚ん坊 に 戻 される可能性がある。このように ⾚ん坊 の苦痛を 拒絶 することで、 コンテインする対象を 必 死に 探 し 求 め て無⼒な乳児 - ⾃⼰の部分を ⼤ 規模 に投影 することになり、 経 験について 考 え 修 正 するこころの 発達 を 妨げ る可能性があ る。⺟体の ⼼ 的 装 置 への 接 近 を 拒絶 された感 覚経 験は 思考 の 糧 に 変 形 されるこ となく、た だ 排 出 に 適 する ば かりに 留 まる。同様に、⺟親の ア ル ファ 機能が制 限 されると( お そらく⺟親が乳児 お よ び / または⺟親⾃⾝の苦痛、死や 破壊 に対す る 恐怖 に 耐 えられないこと、 お よ び / または苦痛に 満ち た原始的な 恐怖 を メ ン タラ イ ズ できないことに 起 因 する)、乳児は⾃分⾃⾝の 未 修 正 の 恐怖だ けでなく ⺟親の 恐怖 も 再 取 り⼊れすることになる だ ろう。さらに 悪 いことに、 回避 のた め に 思考 停⽌ するか、 誤 解 する、もしくは 嘘 や 幻 覚 を 作 り 出 す対象の 場 合 に、 必 要 な ア ル ファ 機能が ⽋如 している だ けでなくむしろ 反 転 していたなら ば (Melt z er, 19 75 )、乳児の投影はそれが持つわずかな意 味 も 剥奪 され、 名状 し 難 い 恐怖 とし て 戻 ってくるかもしれない( B ion)。 最後に、分 離 を 恐 れるか、もしくは乳児と同⼀化した⾃⾝の⼀部を 失 うことを
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