Japan October 2025 Bundle

日本企業が備えるべき米国の職場での予期せぬ事態トップ 10 と対応策

米国に進出する日本企業は、顧客や拠点の選定、サプライチェーンに重点を置く傾向があります。しかし、実際に 企業に大きな衝撃を与えるのは、米国の職場関連法です。米国の労働法や雇用法は州ごとに規制が分かれて おり、厳格に執行されるため、中央集権的で合意に基づく慣行に慣れた日本の経営者にとっては、理解しにくい 場面も少なくありません。また、それらの問題に関する判断を誤ると、瞬く間に高額な訴訟や評判の毀損に発展 する可能性があります。そこで、雇用法に関する日本との 10 の相違点について、事例を交えながら解説するとと もに、組織の移行を円滑に進めるための具体的な対応策をご紹介します。 1. 「随意」雇用だからといって、自由に従業員を解雇できるとは限らない 知っておくべきこと:米国の労働者の多くは、合法的な理由があれば、ほぼいつでも解雇・辞職できるという原則に 基づく「随意」雇用です。ですが、差別や報復行為が疑われる場合など、例外に相当し、訴訟に発展するケース も少なくありません。 事例: Brown v.Daikin America 訴訟では、リストラにより解雇されたニューヨーク州の米国国籍の従業員が、雇 用主を人種および国籍による差別を理由に訴えました。彼は、日本国籍の従業員は自分より優遇されており、 自分が解雇されたのは日本国籍ではなかったためだと主張しました。訴訟裁判所は、原告の主張を認め、審理 に進めることを許可しただけでなく、雇用主である日本の親会社も雇用主として責任を問われる可能性があると 判断しました。 対応策:従業員が「随意」雇用であることを明確に示す採用通知書や従業員規定を作成するとともに、従業員 を解雇する能力を制限する可能性がある(または少なくとも法的リスクが生じる可能性のある)、さまざまな法的 例外に十分配慮します。 2. 米国では連邦・州・地方の規則が統一されていない 知っておくべきこと:連邦法は最低限の基準を定め、州や市はそれに独自の規則を追加しています。これは全米 全体の傾向であり、伝統的に進歩的とされるカリフォルニア州、ニューヨーク州、マサチューセッツ州、ワシントン州の 法律は厳格かつ複雑であるのに対し、保守的とされるテキサス州、フロリダ州、ノースカロライナ州、サウスカロライ ナ州の法律は雇用主にとって柔軟性の高いものになっています。カリフォルニア州における法令遵守の対応が、テ キサス州とはまったく異なるのは、その一例です。 事例:米国で事業を展開する日系レストランチェーンは、賃金の未払い、食事や休憩時間の違反、経費の未払 い、 PAGA ( Private Attorneys General Act )の罰則をめぐるカリフォルニア州の集団訴訟に直面しました。 2023 年、同チェーンは、ロサンゼルスおよびオレンジ郡で行われた複数の訴訟を解決するために、 70 万ドルの集団訴訟 和解に合意しました。 対応策:事業拠点を選定する際には、まず雇用関連の弁護士と連携し、対象地域のすべての関連労働法を網 羅したコンプライアンス「ヒートマップ」を作成します。

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