3. 時間外労働などの賃金・労働時間に関する法律により厳格な規則が生じうる 知っておくべきこと:一般的に、時間外手当(従業員に通常の 1.5 倍の賃金を支払うことが義務付けられている) は、従業員が週 40 時間を超えて働いた場合に適用されます。これらの法律の適用を免除される従業員はごく一 部に限られていますが、この制度に関連する規則が複雑なため、誤って免除が適用されるケースも少なくありませ ん。こうして従業員を不適切に免除対象と分類したことが、訴訟の主な要因になっています。米国の法律では、 労働した全時間に対する賃金の支払いが義務付けられています。労働者に勤務前や勤務後に職場の清掃や 整理を許可することも、無償労働時間として高額な賠償責任につながる可能性があります。 事例:同じカリフォルニア州の訴訟においては、時間外労働や賃金明細に関する申し立てが含まれており、賃金 や労働時間の問題が集団訴訟の要因になりやすいことが示されています。 対応策:法務関連弁護士と連携し、職務の分類と実際の業務内容を慎重に監査します。判断が難しい場合は 、時給制従業員に対しては全労働時間分の賃金を支払い、時間外労働の対象として扱います。 4. 差別禁止法により法的義務が生じる 知っておくべきこと:米国の連邦法および州法では、従業員を人種、性別、年齢、障がい、宗教、性的指向、性 自認など、さまざまな理由による差別から保護しています。さらに、差別の申し立てに正当な理由がない場合でも 、従業員が訴えを起こしたことを理由に報復(懲戒、停職、解雇など)を行うことが禁止されています。 事例:ニュージャージー州にある大型日系スーパーマーケット「ミツワマーケットプレイス」は、同じ業務に従事してい るにもかかわらずラテン系従業員の賃金が他の従業員よりも低いとする、 EEOC (雇用機会均等委員会)による 国籍差別の訴訟に 25 万ドルで和解しました。 対応策:すべての管理職に対し、ハラスメント防止、偏見防止、報復禁止に関する研修を英語および日本語で 実施し、米国の法律に沿った文化的理解を徹底します。 5. 労働組合の強固な権利と労使関係の問題に注意を払う 知っておくべきこと:全米の従業員には職場の労働組合に加入する権利があり、組合に加入していない労働者で あっても「協調活動」(賃金に関する話し合いや労働条件に関する抗議など)に参加する場合は法律によって保 護されます。さらに、保護される「協調活動」には、雇用条件に関する限り、会社に対する否定的な発言も含ま れます。米国の小規模な職場(または大規模な職場の一部)であっても労働組合を結成することができるため、 潜在的な組織化の動きから逃れることはできません。 事例:大手日系自動車メーカーは、特に米国南部および南東部の工場において、労働組合結成運動に繰り返 し直面しています。 対応策:管理職に対し、労働組合回避の法的手段や不当労働行為に関する研修を早い段階で実施します。 また、従業員の不満を迅速に解決するために、オープンなコミュニケーション体制を整備します。このような対応に よって、労働組合結成の動きを未然に防ぐことができます。 6. 従業員は福利厚生の提供を求める(法的に保護された休暇取得の権利がある) 知っておくべきこと:米国には、国が定める有給休暇提供の義務はありませんが、特定の条件を満たす場合には、 連邦法により医療や家族の介護を理由とした無給休暇を最大数か月間にわたって取得することが可能です。さ らに、多くの州や都市では、有給の病気休暇や家族休暇の提供が義務付けられています。また、米国の労働者 は健康保険などの福利厚生を期待しており、他の雇用主との競争力を保つためにも必要不可欠です。 事例:カリフォルニア州の日系企業は、連邦基準をはるかに上回る同州の厳格な有給病気休暇に関する法律に 迅速に対応する必要があります。この状況は米国の他の多くの地域でも同様です。 対応策:地域の競合他社をベンチマークとし、福利厚生や休暇に関する方針が法的要件を満たすとともに、従 業員の期待に沿っているかどうかを確認します。
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