History
1907 年、優れた家具職人であったフリードリヒ・ハーネとクリスチャン・ ウィルケニングは、北ドイツ・ハノーファー近郊の小さな街、アイン ベックハウゼンに、椅子工房 Wilkening & Hahne を設立しました。 周辺の豊富なブナの原生林を使用したロマネスク様式の椅子を製作 し、その優れた加工技術は WiHa 様式という名で呼ばれるまでに なりました。 1940 年ごろには 40 名ほどの従業員を抱えるまで発展 しましたが、戦禍により、工場は一時閉鎖に追い込まれました。
戦後、創業者の息子であるフリッツ・ハーネとアドルフ・ウィルケニング が、会社を再出発させます。 1952 年にモダンデザインの源泉となった DeWe (ドイツ工作協会)に加工技術が認められ、その家具コレクション の製造工場に選ばれます。これを機に、モダンなチェアとテーブルの 生産が始まり、世界規模の企業へと成長する第一歩となりました。この パートナーシップは成功し、自社ブランド立ち上げの原動力となる 優れたデザイナーたちとの関係が深まりました。これらのデザイナー の中には、バウハウスの理論を継承するウルム造形大学の関係者が 多くいました。 1954 年、 Wilkening & Hahne を縮めた「 Wilkhahn 」というブランド ネームが誕生しました。 1955 年には、ウルム造形大学の教授と なるゲオルグ・レオヴァルトがデザインした「 Chair 351 」がベスト セラーとなります。さらに、新しい素材 FRP を用いた「 Chair 224 」 や、ウルム造形大学の卒業制作としてヴィルヘルム・リッツがデザイン した「 Chair 402 」が、新技術と新市場の創造をもたらしました。この 時期、材質が持つ特性を十分に活かし、無駄を一切排除した究極の フォルムを特徴とする、現在まで続くスタイルが確立しました。 1960 年代、オフィスワーカーの増加に比例し、長時間のデスクワーク が及ぼす健康への影響が注目を集め、オフィスチェア開発に人間工学 が取り入れられるようになりました。そうした中、ウィルクハーンは 機能性と斬新なデザインを融合させた「 2000 range 」「、 Chair 232 」 等を開発し、大ヒットを生み、さらに「 Bench system 120 」でウェイ ティングエリアにも参入します。 1980 年、クラウス・フランクと ヴェルナー・ザウアーにより開発された世界初のオートシンクロ メカニズムを搭載した「 FS-Line 」は、現代のエルゴノミクスチェア の原点となり、記録的な売上げを達成しました。
Fritz Hahne (right)
Adolf Wilkening (center)
Georg Leowald (center)
Wilhelm Ritz
Klaus Franck
Werner Sauer
WiHa 品質印
1930 年代頃の椅子
DeWe コレクション 852
Chair 224
Chair 402
Chair 351
194
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