Yonda
Yonda の前身である、レオヴァルドが デザインしたシェルチェア。 30 年以上にわたってコンスタントな セールスを続けた人気製品だったにもかかわらず、 シェルに用いられた FRP 樹脂が リサイクルできない素材であることを問題視し、 ウィルクハーンは 1989 年に このチェアの製造を中止しました。
時代を超える優れたデザインに、 現代のサステナブル思想を融合。 「 Form Follows Function (形態は機能に従う)」に忠実に、 十分に考え抜かれたデザインは、一人一人の well-being にプラスの影響を与え、 さらに対人関係をも良い方向へと導く力を持っています。 ウィルクハーンが、自分たちの製品が人が暮らし、 働く環境をより良くすることを願い、デザイン性を強く意識した 家具の生産をはじめたのは、今から約 70 年前のことでした。 デザイナー ゲオルグ・レオヴァルドとのコラボレーションで生まれた シェルチェアは、その頃の代表作のひとつです。 レオヴァルドのシェルチェアには 100 種類を超えるモデルがありましたが、 意外なことにシートシェルは 2 型のみでした。 大量生産しなくてはならないプラスチック製のシートシェルは 型を最小限に絞る一方、少量で生産できる金属製のレッグ/ベースは 多様な型を製造しました。それらの組み合わせによって、 生産ロスと過剰なエネルギー消費を回避し、同時に住宅から劇場ホールまで、 幅広いニーズにこたえるプロダクトシリーズをつくりだしたのです。 この合理的で普遍的なコンセプトにさまざまな角度から再解釈を加え、 環境にやさしいリサイクルバイオコンポジット材の開発を経て、 Yonda が生まれました。 Yonda は、多様性に満ちた現代のライフスタイルに寄り添い、 サステナブルな未来をつくる、明日の人と地球のためのプロダクトです。
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目先の利益より、 環境保護を優先する。
(フリッツ・ハーネによる 1989 年の環境宣言より)
Wilkhahn. Sustainable.
● 生産エネルギーを抑える構造 ● 飽きのこないタイムレスなデザイン
コンセプトメイキング/ 製品開発
● 分解のしやすさ を考慮しています
製品寿命の 終わり
リサイクルが容易なように 分解しやすい構造に なっています
● モジュール性の向上 ● 修理のしやすさ ● モノフラクションソーティング ( FRP など) を追究しています
分解しやすいよう、 各パーツに素材名が 表記されています
Refuse
Reduce
原材料
● バイオコンポジット製のシェル ● PVC フリーのリサイクル材を クッション材に使用 ● FSC 認証の木材の使用 ● 再生可能なリサイクル金属の使用 を推進しています
Core
principles
プロダクト ユーティリティ
リサイクル材・ 再生可能材を積極的に 採用しています
Recycle
Fairness
● 購入後のアフターサポート ● カスタマーサポート/修理の体制 が整っています
製品生産
● 人間工学を取り入れた 健康に資する機能 ● 修理のしやすさ ● 直感的な操作性 ● 使用用途の広さ にこだわっています
● 環境認証に適合した製造工程 ● サステナブルなサプライチェーン ● 公正な労働環境 ● 環境に配慮した材料調達 を遵守しています
● 材料は近隣で調達し、輸送で 消費するエネルギーを抑える ● 人体や環境に悪影響を及ぼす 可能性がある重金属を使用しない ● エネルギー効率を向上させる ことに努めています
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エコロジーの思想がまだ世間に浸透していない時代から、ウィルクハーンは 時代に先駆けて、「サステナブルなプロダクトデザインとは何か」を定義していました。 もっとも重要視されるのは、 Durability (耐久性)です。ウィルクハーンでは、 単に頑丈で長持ちするだけでは、 Durability が高い製品とはみなしません。 デザインや機能が普遍的で、いつの時代もユーザーに必要とされる魅力と有用性を 兼ね備えてはじめて、自分たちの求める Durability の基準を満たす製品であると考えます。 さらに、修理・分解しやすい構造とすること、環境やリサイクルに弊害のある材料を 使用しないことを重視しています。
Core Principals ウィルクハーンのサステナビリティの根幹をなす、 4 つの原理
1. 無駄をなくす ‒ “the longer and better” 製品の価値を高め、ひとつの製品を長く愛用されるものとすることで、 最終的に買い替えの回数が減り、環境資源の消費を抑えることが できます。 2. 使用する材料を減らす ‒ “less is more” 原材料の性質を熟知し、少数のパーツで最大の機能性を発揮するよう 細部のデザインまで注意を払い、製品材料として使用する資源を「減らす」 こと、また、製造・輸送時のエネルギー利用を効率化し、 CO ² 排出を 「減らす」ことが、環境へのメリットを「増やす」ことにつながります。 3. 長く使い、最終的に再生する ‒ “Reuse + Recycle” 製品は修理をして長く使うことができ、さらに寿命の終わりには、 リサイクルによって再生材料に生まれ変われるようデザイン されています。 4. 公正であること ‒ “responsibility all along the line” 環境責任同様、社会責任を果たすことも重要です。家具メーカーとして 初めて、従業員の利益に対する世界的な評価とその促進に関する 国際労働機関( ILO )の国際枠組み協定に署名し、また、同様の 取り組みをサプライヤーとパートナー企業に推奨しています。
Refuse
Reduce
Recycle
Fairness
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マテリアルも、プロセスも。 使用する材料そのものはもちろん、使用する処理剤や 生産方法など、 Yonda に関するアプローチのすべてで、 環境にやさしい選択がなされています。
プラスチック Yonda のシートシェル表面に見られる斑点は、原材料に含まれるウッドファイバーに由来します。 このウッドファイバーの元はトウヒの辺材で、今まで製材過程で切り落とされ、用途がないまま焼却・ 廃棄されてしまっていたものを利用しています。使用済みペットボトルなどを再生したリサイクル ポリプロピレン 70% とウッドファイバー 30% を配合したこのバイオコンポジット・プラスチックは、 製品が寿命を迎えたあと 100 % リサイクルすることができます。 背座クッションタイプのインナーシェルも、同じ素材からつくられています。
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スチール スチールレッグはリサイクルスチール製で、 クロームメッキ仕上には、環境に優しい 表面処理剤を用いています。塗装工程では、 少ないエネルギー消費で稼働するマシンを導入し、 さらに吹き付けされなかった粉体塗料の 回収・再使用を行い、無駄を減らしています。
ウッド FSC 認定の森林で産出された木材を使用して います。将来的なリサイクルを考慮して、表面 仕上には天然オイルのみが使用されています。
アルミニウム ビジターベース・キャスターベースはリサイクルアルミ製です。アルミニウムはリサイクルによって品質が 損なわれることがないため何度でも再生でき、また、比較的少ないエネルギー消費でリサイクル することができます。 6 色の塗装仕上に加えて、ポリッシュ仕上があります。ポリッシュ(研磨)加工は 処理剤に化学薬品を使用しない、環境にやさしい加工方法で、将来的な再研磨も可能です。
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生まれるときも、 役目を終えたあとも。
Yonda はその質量の約半分が、 リサイクルされた材料で作られています。 また、製品寿命の終わりには、ほとんどすべての材料を、 再びリサイクルすることができます。
Model 320 /11
Recycling proportion リサイクルされた材料がどれだけ使われているか 2.93 kg / 44.0 % Recycling capability 製品が役目を終えたあと、どれだけの材料をリサイクルできるか 6.12 kg / 92.0 % Not recyclable : Powder varnish
More information: 320 Yonda EPI (Environmental Product Information)
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Model 320 /20
Recycling proportion リサイクルされた材料がどれだけ使われているか 4.33 kg / 63.4 % Recycling capability 製品が役目を終えたあと、どれだけの材料をリサイクルできるか 6.83 kg / 100.0 %
Model 320 /01
Recycling proportion リサイクルされた材料がどれだけ使われているか 6.54 kg / 68.3 % Recycling capability 製品が役目を終えたあと、どれだけの材料をリサイクルできるか 9.03 kg / 94.3 % Not recyclable : Powder varnish
各数値は、同一モデルであっても選択した仕上、ファブリックによって多少前後します。
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いつでも、いつまでも、どんな場所でも 必要とされるために。 どれほど環境に配慮した材料と製造方法でつくられていたとしても、 使いにくく、また見た目が時代遅れになって、製品寿命の前に使われなく なってしまったとしたら、それは環境にやさしい製品とは言えません。
シンプルで飽きのこない外観。 快適な座り心地。 使い勝手の良さ。 着座時の身体の負担へのケア。
全てがパーフェクトであることを求めて、ウィルクハーンと デザイナーの neunzig° design は、妥協を許さず、 細部のデザインにまでこだわりぬきました。
「完成したチェアは、あたかも元からそうであったかのように、 すべてがとても自然に見えます。しかしその裏には、 形態と機能 ( form and function )の究極のコンビネーションを求めて 検討を重ねた、膨大な時間の積み重ねがあります。 私たちは、ハイクオリティなデザイン、エルゴノミクス、地球環境への レスポンシビリティに関するウィルクハーンの厳しい要件を満たす プロダクトとして、 Yonda を思いつきました。出来上がった製品に 満足しているし、このプロジェクトに参加できたことを、誇りに思っています」
Barbara Funk + Rainer Weckenmann, neunzig°design
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チェアを引いたり、立ち上がったり するときにシェル両端の 立ち上がり(アームレスト)に 手をかけることができ、動作を スムーズに行うことができます。
前方に向かってなだらかに下降する アームレスト形状が、チェア全体に 開放的なイメージを与えます。 また、チェアをテーブル天板下に 深くもぐらせることができるので、 スペースに無駄が生じません。
一般的なシェルチェアより 高さがあり、脊椎の S 字カーブに 沿うようにデザインされた バックレストが、背中をやさしく サポートします。
シェルとベースのジョイント部分は、 ON や IN と同様、 後方が浮いた構造に なっています (3D サスペンション ) 。 この構造が前後に加え左右のシェルの 傾きを生み、着座時の姿勢変更の 邪魔をしません。
6 色 × 3 タイプ(ヌード・座クッション・背座クッション)のシェルに、 4 タイプのレッグ/ ベースを組み合わせることができます。 また、シェル取付のためのねじ位置は、どのレッグ/ ベースでも同じなので、 将来的に異なるレッグ/ベースを取り付けることも可能です。
シェル クリームホワイト・グレー・ベージュ・ シエナレッド・エメラルドグリーン・ブラック ※ブラックはヌードタイプでは選択不可
スチールレッグ 塗装全 6 色・クロームメッキ
ウッドレッグ ソリッドオーク
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シェル ヌード・座クッション・背座クッション
アップホルスタリー Oceanic 51 ・ Pitch 54 ・ Re-wool 65 ・ Remix 68 ・ Steelcut Torio 91 ・ Credo 92 ・ レザー 74
フレームコネクション 3D サスペンション機能付
ビジターベース
キャスターベース 座面上下昇降機能付
ビジターベース・キャスターベース 塗装全 6 色・ポリッシュ
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www.wilkhahn.co.jp
Photos P. 2-3, 22-23 : The Subdivision, Berlin P. 4 : Wilkhahn Archiv P. 10,12,13, 20-21 : Wilkhahn all other photos : Thomas Bach, Hanover
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