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について 探 求した。 メラ ンコリーについての 著 作(Freud, 191 7 a) やエ ディプス コン プレ ッ クス を 引 き 継ぐ ものとしての 超 自我 の形成についての 著 作(Freud, 191 7 a) はその 例 である。 『喪 と メラ ンコリー 』 (Freud, 191 7 a) とともに、対象 関係論の 起 源 を 含 んでいるとしばしば み なされる論文 『 ナ ル シシ ズム について 』 (Freud, 1914)は、 対象 選択 の 概念 について明 確 に説明しており、発達的に 早 い ナ ル シス 型 と発達的に 遅 い 依 托型 を 区別 している。 『喪 と メラ ンコリー 』 (Freud, 191 7 a) の中でFreudは最初に 対象関係 という 用語を 使 いながら同一 化 について「対象 選択 の 予備 的 段階 」として説明する際、 以下 のように 述べ る。「 ・・・ すなわちそれは 自我 が対象を 選択 する最初のやり 方であり、 自我 はこの対象を 自 分 自 身の中に体内 化 incor p ora t eしたいと 思 い、 自我 がその 時 に位置づけられているリ ビド ーの発達 段階 である 口唇 的あるいは 食 人的 段階 に 従 って、 自我 は対象を 貪 り 食 うことによってそうしたいと 思 うので ある」( pp . 249 - 2 5 0)。Freudが 後 にこの論文の最も重要な 特 徴 と み なしたこと は、他でもな く 、 メラ ンコリーにおいて対象 備給 が同一 化 によって置き 換 えられ る 過程 についての説明であった。 数 年 後 、同一 化 の主 題 が 再 び 取 り 上 げ られる 『集 団 心理 学 』 (1921)の中で、初 期 の 考 えからの 変 化 — あるいは、もしかしたらその 明 確化 に 過 ぎ ないが — が現れるよう み える。そこでは、同一 化 は対象 備給 より 時 期 的に 早く 存在するものであり、対象 備給 と 区別 される。さらに、 『集団 心理 学 』 では同一 化 の 話題 に 立 ち 戻 り、Freudは「 取 り入れin t ro j ec t ion」という 単 語を 数 ヶ所 で 使 用した。Freud は 次 のように書いている。「 第 一に、同一 化 は対象と の情緒的紐帯の 元 々の形式である。 第二 に、同一 化 は、 退行 的なやり方で、いわ ば対象の 自我へ の 取 り入れという 手段 によって、リ ビド ーの対象 - 紐帯 ob j ec t- t ie の代用となる。そして 第 三に、同一 化 は、 性本能 の対象ではない 誰 か他の人 物 と共 有 された共 通 の 性質 についての 何 らかの 新 しい認 知 とともに生 じ ること がある」。 (Freud, 1921, pp .10 6- 10 7 ) 同一 化 についてのこの 見 方はFreudの 後 の 著 作の 多く で 絶 え ず 強調 されている。 例 えば、 『 自我 とエ ス 』 (1923)で Freud は両 親へ の最初の同一 化 は、「どうやら、 第 一義的に対象 備給 の 帰結 や 結 果 であるというわけではない。それは 直 接的で 即 時 的な同一 化 であり、どんな対象 備給 よりも 早く起 こる」。 ( p 31)と書いてい る。この 過程 は メラ ンコリーにだけ 限 定されているものではな く 、きわめて一般 的に 起 こるものであると 彼 は論 じ た。これらの最初の同一 化 はかなりの 程度 で 私
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