彼は招待客としてやってきた。しかし誰の声を聞くこともできなかった。
あー、またやっちゃった、と彼は独りごちてスマホを取り出した。日付がちが ったんだ。 よくあることだ。交通費が無駄になっちゃったけど、また出直したらいいこと だ。
。。。日付は間違っていない。
寒ざむとした玄関ホールで、彼は周りの空気がさらに冷えたように感じた。
落ち着くんだ。何か自分が間違えている。
入口がふたつあるのかも?
同じ名前の建物がほかにもあるのかも?いくつもの考えが彼の心の中をぐるぐ ると巡った。
彼は招待にもらったメールを開いた。
日時 あってる。
場所 あってると。。思うんだけど。。
招待メールの末尾に、問い合わせ先の電話番号があることに彼は気づいた。 電話をかけてみる。
返事はない。
そうだよな、ミーティング始まってるもんな。。脈が早くなってくる。寒いの に汗が出てくる。
電話が鳴った!
おーい、どこにいるの?みんな待ってるよ!
よかった、自分は待たれているんだ。
彼が会場に誰もいないことを伝えると、電話の主は不思議そうに、人は集まっ ていると言った。
何も間違えていないのに。。
自分はどこにきてしまったんだ。。?
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