Human-centered Workplace_日本語版

Human-centered Workplace

A Blueprint for New Office Design

Human-centered Workplace

スキル、経験、理想、アイディアのすべてを持つ従業員を 獲得することによって、未来は開かれます。

ウィルクハーン・ドイツ社長 Dr. ヨハン・ハーネ

Editorial

Dear readers,

デジタル化と情報通信技術( ICTs )の発展で、働く場所に 地理的な制限がなくなり、さまざまなリモートワークのスタ イルが生まれています。そんな現代にあっては、オフィスの ありかたを考えることなどもう無用ではないか、と感じる人

もいるかもしれません。 ―― 答えは NO です。

オフィスの存在はこの時代にあっても、経営者やワーカーにメリットをもたら してくれます。在宅ワークをはじめ、分散型ワークプレイスの普及が逆説的に、 全員が同じ場所をベースに持つことのアドバンテージを浮き彫りにしました。 いかに充実した在宅ワーク環境、あるいは理想的なパーソナルスペースを確 保できたとしても、実際のオフィスで体感する雰囲気、チームスピリット、自 発的なブレインストーミングセッション、対面式コミュニケーションから受け る刺激に代わるものはありません。 今後、これらの要素が、今まで以上に企業や組織のアイデンティティ、革新性、 そして企業成長において、より中心的な役割を担うようになります。オフィス という場所が持つ長所とポテンシャルを活かし、アナログとバーチャルを コラボレートさせ、享受するメリットを最大限にするには、これらの強みを 熟知することが重要です。 数年間におよぶ世界各国のプランナー、クライアント、パートナーとの対話、 そして多数の事例分析から、私たちは現代のオフィスのありかたに対しての 核心的な提言をまとめました。そしてそれを基に、『 Human-centered Workplace 』を製作しました。本書は、新しい働き方にまつわるバズワード を連呼するだけのものとは違い、人が中心( human-centered )のワーク プレイスをつくるための青写真の役割を果たします。本当に大切なものが 何であるかをしっかりと知り、将来を見据えたオフィスソリューションを デザインするための、大きな助けとなるでしょう。 そして、ミュンヘンを拠点とするデザインスタジオ「 1zu33 」とパートナー シップを組み、「インスピレーションあふれる、人に優しいワークプレイス」 というウィルクハーンのビジョンを、イメージ画像とともに一つのストーリー に仕立てあげました。この素晴らしいチームに携わってくださった、すべての 方々に感謝します。私たちはこのブローシャーの中で、人々の憧れを喚起し、 また未来の世界でも生産的であり続けるオフィス環境とは何かを、うまく表 現できたと考えています。しかし、それを決めるのは読者の皆さんです。 human-centered workplace という、新しいコンセプトとそのイメージを、 どうぞお楽しみください。

Dr. Jochen Hahne

CORE PRINCIPLES

サステナブルなオフィス環境をデザ インする上で、もっとも重要視され るのは「人」です。人中心のオフィス 環境は、 4 つの要素から成り立って います。

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RECAP

ウィルクハーンは世界中に顧客を持 ち、数多くのプロジェクトを進行させ ています。これは、私たちの提供する ツール(製品)が、国ごとの習慣・ 文化を超えて必要とされるもので あることの証明です。

INSPIRATION

業種や従業員数、企業のビジョン、立地 を細かく設定した架空のオフィスを CG で表現しました。この革新的なアプロー チを用いて、これからのオフィス空間の ポテンシャルを明示します。

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Core Principles Sustainable Design of Office Environments

私たちが生きる「 hyper-connected world (あらゆる ものがつながる世界)」では、ありとあらゆる事象が互い に、複雑に影響しあっています。このような世界におい ては、多くの場合、ものごとがどう進展するかを予測す ることはできません。新しいワークプレイスのコンセ プトを策定し、プランニングするときにも、同じことが 言えます。だからこそ、オフィス環境をサステナブルに するため不可欠なものは何かを見極めることはとても 重要です。また、選択がいかなる結果をもたらしたか を振り返る、効果測定も必ず行う必要があります。

Core Principles

Human-centered Workplace Core Challenges Faced by Office Environments

産業、文化、そしてマーケットが幅広い多様性をもっているにもかかわらず、 未来を見据えたオフィス環境の理想像はなぜか、デジタル化、サステナビリティ、 健康的への配慮など、一様的なメガトレンドを通して語られがちです。だからこそ、 人それぞれのニーズ、能力、スキルに焦点を合わせていく必要があります。

ワークプレイスの変化に関する国際的な会議 や研究を通して、サステナブルなオフィス環境 を求める人であれば、誰もが考えつくであろう 4 つの問いかけから、「 Identity 」「 Collaboration 」 「 Purpose 」「 Well-being 」という、 human-centered workplace の礎となる要素が生み出されました。 ワークプレイスのプランニングにおいて、どのような 意思決定が下されようとも、この 4 つの問いかけに 対する答えを導き出さなければなりません。この ためには、コスト第一主義の発想からパフォーマンス 優先型のオフィスデザインへ、視点をシフトする ことが必要です。

さまざまな情報を分析した結果、デジタル化や気候変 動、健康問題を背景に、最新のオフィス環境に 18 世紀 の産業革命以降初めて、人中心 ( human-centered ) の視点が戻りつつあることが分かってきました。現 代社会において、価値創造プロセスの中枢を担うの は人です。各人の持つ専門知識、コミットメント、創 造性、社会的スキルが、企業全体の課題解決や、他 社との競合に勝利するための鍵となります。 1984 年、 社会学者の Frithjof Bergmann は、「 New Work 」とい う言葉を生み出し、それを「心から欲する仕事」と 表現しました。人口変動、人材不足、国際化が進 む労働市場、そして新たなパンデミック…。近年の 社会的背景の中で、人中心型のオフィスデザインは、 欠くことのできない重要な柱となりつつあります。 また、環境を変えることは、変化を遂げるための最 良の手段でもあります。神経生物学者たちは、 ヒトの行動の大部分が、環境に大きく支配されてい ることを明らかにしています。つまり、行動パターン を変えたいならば、今までの習慣へ逆戻りしてしま わないために、環境を変える必要があります。オフィ ス環境を動的なものすることは、非常に効果的です。 オフィスの可動性を高めることで、いままで単に与え られたものを使うだけの、受動的なユーザーに過ぎ なかったワーカーたちは、アジャイルなプレーヤーへ と生まれ変わり、自らのニーズに合わせてオフィス 環境を変えていくようになります。彼らの意識変化 は、経営者の目的を効果的かつ効率的に達成する ための、大きな力となります。

大切なのはコストではなく、 最大限に機能するワークプレイ スをデザインすることです。

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どうすれば優秀でプロ フェッショナルな人材を 惹きつけ、彼らを留めて おくことができるのか

どうすればワーカー同 士の関係性、学び、コラ ボレーションを発展さ せることができるのか

Identity

Collaboration

Purpose

Well-being

どうすれば事業や 組織の目的を達成 することができるのか

どうすればワーカーの 健康と生産性は維持 できるのか

Core Principles

Identity

オフィスは、企業が社内外に伝えたい、その企業らしさ(アイデンティティ) を象徴する場所です。オフィスの存在はワーカー同士の精神的なつながりを 生み、意欲とモチベーションを高め、愛社精神を育みます。その役割を果た すために、オフィスは働く場所として十分に機能的で、さらにはその企業の アイデンティティを体現するようデザインされていなくてはなりません。 オフィスデザインに企業のアイデンティティを投影させることは、収益面だけ でなくコーポレートカルチャーを醸成する上でも、企業の大きな助けとなりま す。企業のアイデンティティを感じさせる空間は、顧客やワーカーを惹きつけ る存在として機能します。その存在は信頼性の高い、特別な関係性を生み、 その関係性は企業成長の鍵となります。 アイデンティティと物理的なオフィス空間は、常にお互いを反映しあっています。 アイデンティティが明確な企業では、一見してその企業のビジョンを深く理解 できるオフィスをデザインすることができます。企業の価値観や思想、姿勢、 構造、そして原理が強く反映されたオフィス空間は、そこに存在する人たち の考え方や行動を導く役割を果たします。 しかしながら、その企業のアイデンティティが強く押し出された空間は、 Well-being や帰属意識、一体感を高める一方で、疎外感や排他的な意識、 拒絶感を助長する恐れもあります。加えて、個人の信念と企業のアイデンティ ティが相容れるものなのか否かの判断は、無意識のうちに、即断でなされる 場合がほとんどです。よって、オフィスは顧客とワーカー双方に、ここが安心 して居心地よく過ごせる場所だということを、瞬時に感じさせるデザインで あることが理想的です。

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明解なアイデンティティ を感じる空間をデザイ ンするためには、その 空間に必要とされる機 能性とデザイン・ラン ゲージ(マテリアルや カラーコンセプト、そし てスタイルなど)とを、 いかに組み合わせるか が課題となります。

全体が統一感のある デザインでまとめられ ていることを前提とし て、その中でそれぞれ のエリアを目的に応じ てセッティングするこ とができれば、オフィ ス空間にフレキシビリ ティと自由が生まれま す。誰もがオフィスの 中に、自分の居場所 を見つけることができ るのです。

Core Principles

極論を言うとシンキング ワークで使うのは脳だけ で、身体の動きは不要 です。結果、オフィスワー カーのほとんどが慢性 的な身体の動き不足 の状態に陥っています。 着座時も意識的に身体 を動かすこと、そして無 意識の身体の動きを妨 げないことは、これから ますます重要になってき ます。トリメンション 機能を持つワーキング チェア( ON , IN , AT )が、 健康とパフォーマンスの 維持をサポートする良き パートナーとなります。

矢印で誘導する案内 サイン( wayfinding system )をうまく活用し て、オフィス内での移動 量を増やすことも効果 的です。身体を動かす機 会と考えれば、通勤時間 でさえ、 Well-being を 高め、健康な状態を保 つことに役立つといえ ます。

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Well-being

ハッピーな人は生産性が高いと言われています。では、どんなことが人を ハッピーにするのでしょうか。自主性は重要な要素です。一日の勤務の 流れをフレキシブルに決めることができるワーカーは、より健康的で生産性 が高く、ストレスレベルが低い状態にあります。 ハッピーであること、そして健康であること。 Well-being は、ワークスペースか らつくられます。自分が仕事をする場所が、いかに用途やシチュエーションに 適したものであるかが出発点です。高さ調節が可能なデスクやテーブル、身体 の動きを促してくれるチェアなどを使えば、オフィスで過ごす一日は、はるかに 短く感じられるでしょう。レクリエーションエリアの存在も、 2 つの理由で Well-being と健康に大きく貢献します。第一に、移動するために座ったり立っ たり、歩いたりして身体を動かすことが、健康に良いことは既によく知ら れています。そして第二に、オフィス内でワーカー同士がコミュニケーションを 取ったり、リラックスした時間を持つことを歓迎するムードは、ワーカーを 楽しい気分にさせてくれます。 また、仕事中は、目や耳から入る情報の受容と遮断を、場所や家具のレイアウト を変えることで切り替えできることが重要です。ワークスペースは、一人で静かに 取り組むことも、グループでインタラクティブに働くことも、どちらも選択できる 空間でなければなりません。フレキシビリティと多用性を考慮してデザインされた オフィスコンセプトは、対面とリモート両方のコミュニケーションをサポートし、 多様な働き方を現実のものにしてくれます。ハイテーブルでコーヒーを飲みな がら、進行中のプロジェクトの情報共有を短い時間で行ったり、フォーマルな 大人数の会議を開催したり、さまざまなニーズに見合ったスペースを、 1 つの オフィスの中でつくり出せることが理想です。 そのように多くのシチュエーションに対応し、会話や個人のニーズ、そして働き 方の好みにアジャストできるオフィスコンセプトが、ワーカーの快適性と生産性 を向上させることができるのです。

Core Principles

Collaboration

時代が複雑さを増すのに比例して、より一層ワーカーのスキルが、企業の基盤 を盤石なものとする要素として重要視されています。多くのイノベーションは、 人と人との会話から生まれます。会話が生まれるよう工夫が凝らされたオフィ スコンセプトが、さまざまなコラボレーションをサポートしてくれます。 コラボレーションは単に集団で作業を行うことを指す言葉ではなく、さまざま な見地と専門知識を集結し、共同で課題に取り組むことを指す言葉です。 コラボレーションワークで重視すべきなのは、ワーカーが互いに刺激しあう こと、成長すること、そしてともに結果を出すことです。そしてオフィスが、 コラボレーションを活性化させる促進剤として機能します。オフィスの構造が フレキシブルであればあるほど、よりオープンなプロセスと相互インスピレー ションが可能となります。 デジタル化により、ワーカー全員が物理的に 1 つの場所に同時に集まる必要は なくなりました。プロジェクトの進捗段階に応じて、バーチャルまたはハイブリッ ドなコラボレーションが可能となったのです。将来を見据えたワークプレ イスをプランニングするのであれば、関連する組織構造とプロセスについて、 細かい点まで一つ一つをすべて把握し、実現可能で、「 fun 」にあふれたオフィ スソリューションを提案しなければなりません。 また、デジタル化は驚異的なスピードで進化していて、ワーカーの生涯学習の 必要性は高まるばかりです。そのため、オフィスにトレーニングエリアを組み 込むことは不可欠です。そして最後に、もっとも重要なポイントを伝えます。 オフィス環境は、人と人との自発的かつインフォーマルなつながりを奨励 するものでなければなりません。なぜならそのようなつながりこそが、イノ ベーションと変化を引き起こすからです。

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セミナーやワーショップ の休憩中は、セッション についてゆっくりと話し 合い、お互いのスキルと 経験を比較することが できます。多くの場合そ の過程から、新しいア イディアが生まれます。

優れたコラボレーションには、自発性が自然に生まれるシチュエーション、 フォーマルおよびインフォーマルなプロセス、体系化されたワークフローと チャンスが必要です。会議室やワークショップスペースは、ワーカー同士が インフォーマルに意見を交わすことができるエリアと同じくらい重要です。

Core Principles

オフィスと家具が十分 に機能的で、外観も美 しいものであることは、 ワーカーのモチベーショ ンを高める助けとなり、 経営者が目的を達成す るための近道となりま す。フレキシビリティと アジリティを備えた ワークスペースとはつま り、ワーカーが好みに 合わせてオフィスをアレ ンジしてよいという経 営者の意思表示です。 そのようなワークス ペースを提供されるこ とで、ワーカーは自分 たちが会社から尊重さ れていることを感じる ことができます。

ワーカーに自分の仕事 に満足し、その企業で 長く働きたいと考えて もらうためには、彼らに 企業の目的が何かを 明確に示す必要があり ます。オフィスのレイア ウトやインテリアコン セプトで、企業の目的 を視覚的・感覚的に表 現することができれば、 彼らはオフィス環境から 日常的にメッセージを 受け取り、自身に浸透 させていきます。その ような環境が、企業の 目的達成に積極的に 関わろうという意識を 芽生えさせます。

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Purpose

企業の目的( Purpose )は、長期的な収益性や事業の実現度を高めていく ことです。その目的を果たすために、経営者は社会的な問題に立ち向かい、 その下で働く人々、ステークホルダーやクライアントからの信頼を獲得し、 責任を果たす必要があります。 明確な目的を掲げることは、利益の最大化や目標の達成にプラスに働くだけ でなく、企業の魅力となり、ワーカーの仕事に意味を与えます。また、ワー カーの仕事に対する情熱とモチベーションの維持にも好影響を与えます。 では、ワークプレイスの中で、目的をどのように表現することが効果的なの でしょうか? 一つの答えとして、インテリアデザインとルームコンセプト、構造、マテリア ルや形状で表現する方法が挙げられます。正統性や信頼性とともに目的を 明示したメッセージ性の強い空間は、人々に自分の働く場所との絆を強く 感じさせます。 このことを十分理解し、うまく表現ができているオフィスデザインは、持続的に 生産性を向上させる強力なツールとなります。志を同じくする人々が共通の 目標に向かって邁進するとき、彼らは自分自身のパワーを実感し、仕事に 充足感を得ることができるからです。

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Inspiration Office Spaces in Nordhavn

この章では、大規模な都市開発が進む注目の地域、デン マーク・コペンハーゲンの旧工業地帯、ノードヘブンに 位置するとあるオフィスを紹介します。とは言っても、 このオフィスは、現実には存在しない架空の企業の、 架空のオフィスです。ウィルクハーンは刺激的な変化の 最中にあるこの街に、出版界で革新的な挑戦を続ける アート系出版社のオフィスがあると設定して、古い倉庫を 丸ごとリノベーションしたオフィス空間を CG でつくりだし ました。あなたがそこを訪れるために、わざわざ飛行機や 自動車を使ってノードヘブンへ行く必要はありません。 PC の電源を入れるだけです。

Inspiration

Nordhavn

北欧最大規模の都市プロジェクトは、「人」を中心とし たサステナブル都市の形成をテーマに掲げ、現在開 発が進んでいます。ショップ、国際機関、オフィス、文 化施設、公園、公共交通機関に、どこからでも 5 分以 内にアクセスできる利便性の高い導線計画も魅力の 一つです。 ノードヘブンは将来的に、 4 万人が働くオフィス、コ ワーキングスペースをはじめとするワークプレイスと、 4 万人が住む住居を供給します。海上というロケー ションと、指を伸ばした掌のような独特な地形を活 かし、都市生活とアウトドア・レクリエーションが 融合する、未来型都市の誕生が期待されています。

この街では「 work 」と「 live 」が共存し、リラックス、 コミュニケーション、そしてエンターテインメントと、 あらゆるアクティビティが身近に存在します。つまり ここでは、「 work 」 と 「 play 」も、シームレスにつな がっているのです。

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架空の出版社の架空のオフィスは、 2 階建ての 古い倉庫を改装してつくられた設定です。建物 の片側は海に面し、もう一方には都会の風景が 広がります。

かつての工業地帯は、世界中から 注目を集める未来都市のモデル へと変貌を遂げつつあります。

Collaboration

Well-being

Purpose

Identity

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A

建物全体、特に屋外とシームレスにつながる レセプションゾーンのインテリアは、建物の 外に広がるノードヘブンの街並みと調和する ようプランニングされ、同時にビジターを歓迎 するムードを演出しています。レセプションエ リアを開放感あふれる空間にすることで、外部 とのコンタクトに積極的な社風を表現して います。広々としたパブリックエリアは、建物 の外とのソフトな緩衝地帯として機能し、 ビジターはそこで自由にコーヒーを飲みながら、 ゆったりとした時間を過ごすことができます。

Inspiration

First Story Floorplan

D: Seminar space トレーニングやワークショップに利用できるセミナー スペースは、学びながら働くワークスタイルの実現に 一役買ってくれます。

C:Innovation room オープンプランのスペースにフレキシブルな家具を配 置したイノベーションルームは、アジャイルに空間を 使用することができます。

パブリックエリア Public area : (左から右へ) ラウンジエリア Lounge area

レセプション+ブックストア Public lounge and bookstore カフェ+オーディトリアム(講堂) Public café and Auditoriun

A:Public lounge and bookstore パブリックエリアのラウンジとブックストアは、社員 だけでなく、ビジターはじめ誰でも利用することが できます。

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セミパブリックエリア Semi-public area : (左から右へ) セミナー / トレーニングルーム Seminar and training room イノベーションルーム Innovation room ライブラリー Library

ライブラリーは 2 フロア構成で、階段を使って 2 階 に上がることができます。

サービスハブ Service hub : サーバールーム Server room 家具類ストレージ Furniture storage space シャワールーム Staff showers カフェ・キッチン Café’s kitchen ブックストア Bookstore ホスピタリティエリア Hospitality area

B : Public café and Auditoriun

カフェ+ オーディトリアム(講堂)は、朗読会などの カルチャーイベントを開催するスペースとしても 利用できます。

Collaboration

Well-being

Purpose

Identity

B

カフェの大きな窓から、運河の流れる街並みを一望 することができ、周囲に暮らす人々の生活の息遣い を感じることができます。光があふれる空間でコー ヒーを飲みながら、くつろいだ気分で読書や会話を 楽しむことができます。 最上階に通じる幅の広いウッドの階段が、屋内空間 に開放感を与えます。朗読会などのイベント開催時 には、この階段が来場者の座席に早変わりします。 社外の人も利用することのできるカフェ + オーディト リアムの存在が、この出版社と地域コミュニティを 強く結びつけます。人々はインスピレーションとつな がりを求めて、ここを訪れます。

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Collaboration

Well-being

Purpose

Identity

世界は、遊び( play )から多くを学 ぶことができます。遊びは人々に、 ふとした気付きや、当たり前の日常 に疑問を持つ、いつもと違う視点を 与えてくれます。プレイグラウンドは まさに、発見の喜びを感じながら、 エキサイティングな体験をする場所 といえます。

開放的なイノベーションルームは、遊び心を持って テーマやコンテンツに取り組めるように設計されて います。マルチパーパス・ユースができる家具は、 ものごとを新しい切り口から見る視点と、アイディア を実践したくなる気持ちを後押しします。たとえば、 Timetable Lift はテーブルとしても、ホワイトボード としても使用することができます。ルーム内に置かれ た Stand-up や Sitzbock を持ち寄って集まれば、 瞬時にディスカッションを始めることができます。 優れたコラボレーションを可能にするこの空間を、 ワーカーはもちろん、外部の人々も利用することが できます。カラーテーマは、隣接する立体駐車場 の屋上をリノベーションしてつくられたプレイグラウ ンド(左)と、フィットネストレイル(上)をイメージ しています。

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Identity

Collaboration

Well-being

Purpose

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D

ワークショップやセミナーは、さまざまな形式や規 模で開催されます。グループ、テーマ、アクティビティ によって変化する、さまざまなニーズすべてに対応 するセミナールームをつくることは、なかなか困難 な課題と言えますが、ウィルクハーンにはそのソ リューションがあります。テーブルの周りに置かれた Metrik は長時間座っても快適で、オーソドックスな セミナーに最適です。セミナーが終わったら、スタッ キングして片付けておくこともできます。チームメン バーとの意見交換は、リラックスして打ち解けた 雰囲気をつくるソファタイプの Insit に座って行うと、 良いアイディアが生まれるかもしれません。 また、屋外のスペースに置かれたチェアとテーブル は、小規模なブレイクアウトセッションや、何時間も 仕事に没頭したあとのリフレッシュに最適です。

Inspiration

Second Story Floorplan

建物の 2 階は、インフォーマルエリアです。ワークス ペースの間に設けられた小さなラウンジスペース では、 PC 作業からしばし解放され、一息入れる ことができます。

J : Management office エグゼクティブのワークスペースにも、シチュエー ションに応じて即座にレイアウトを変更できる、 アジャイルなコンセプトが採用されています。 H : Open-plan area オフィスの中央は、プロジェクトワーク向けのオープ ンプランエリアです。シッティングスタイルのミーティ ングを行うことも、ハイテーブルを囲んでのクイック ミーティングを行うことも可能。カジュアルな懇親 会を開くこともできます。

可動式の家具類を収納するためのストレージ

F : Conference room 大会議室には定番のシッティングスタイルが採用さ れ、時に長時間に及ぶ会議での疲れを軽減させ る、心地よいカラートーンで統一されています。

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さまざまな用途に使用できる多目的スペース ( diverse space )には、クライアントを招き入れて ミーティングを行うシチュエーションも想定し、 フォーマルなカンファレンステーブルとチェアが 置かれています。 G : Kitchenette ワーカー同士のコミュニケーションを誘発するキチ ネットに、広いスペースを割り当てています。

I :Pods 接続環境が整備された個室ブースでは、リモート 会議をストレスなく行うことができます。

E : Multifunctional workspaces 多機能ワークスペースは、集中して仕事をしたい ときに最適です。

Collaboration

Well-being

Purpose

Identity

ワーカーの多くは、 2 × 2 のグループデスクを拠点とし ます。デスクは好みに合わせて配置を変えることが でき、また、トリメンション搭載のワーキングチェアが、 健康的で動的な「座り」を提供してくれます。デスク トップパーティションは簡単に位置を付け替えたり 取り外すことができるので、プライバシーと一体感を 両立させることができます。 自然光を取り込む大きな窓と天井の高さが明るい 空間をつくり、心地良い空気の流れを生み出し ます。また、明るい色調のインテリアがワーカーの Well-being を高めてくれます。デスクを設置した エリアには体感温度を快適に保ち、吸音に効果の あるカーペットを敷いています。

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E

Collaboration

Well-being

Purpose

Identity

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F

コラボレーションとは、人と人と がつながること。全員が会話に参加 しやすいオーバル型のカンファレン ステーブルが、コラボレーションを 誘発します。

自然で温かみを感じるカンファレンスルーム。ガラ スパーテーションの奥のレンガ壁と調和するよう、 Graph チェアのレザーに柔らかなブラウンカラーを チョイスしています。大きな窓からは、外の景色を 眺めることができます。

Collaboration

Well-being

Purpose

Identity

G

とある健康科学の専門家は、「 What is without periods of rest will not endure. (休息を取らない者は、困難を乗り越えられない)」と述べています。 休憩はときに否定的な受け取り方をされ、過小評価されがちですが、生産性向 上のために、そして健康のためにとても重要なファクターです。休憩に対しての 根拠のない固定概念を取り払い、専用のエリアを設けてワーカーが良質な休憩 を取ることができるようにする必要があります。 Insit を配したキチネットは、フレッシュなイエローをインテリアのキーカラーに して、あえて周囲のワークスペースとのコントラストを明確にしています。この ことにより、オンとオフの切り替えがしやすくなり、キチネットが完全な癒しの 空間として機能します。 このエリアでは清潔なキッチンでコーヒーを淹れ、同僚とクッキーをつまみなが ら、会話を楽しむことができます。キッチンのワークトップによりかかって立ち ながらでも、 Insit に座ってくつろぎながらでもかまいません。新しいアイディアは、 一見生産性がないように思えるこんな休憩から、思いがけず浮かぶものです。

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Inspiration

Nordhavn

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新鮮な空気、海を望む開放感、 そしてコミュニケーションを取り やすい環境 … 。ノードヘブンは、 インスピレーションにあふれた 休息を取るのに最適な場所です。

Collaboration

Well-being

Purpose

Identity

人は、仕事で誰かと関わることだけでは満足できま せん。友人や社会からも受け入れられたいという欲 求を持っています。人同士の関わりは絆を生み、新 しいアイディアを生み出したり、意思決定を後押しし てくれたりします。また、チームの生産性と、業務 品質の向上にも一役買ってくれます。

H

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E

人々がリラックスして親密に関 わりあうようになれば、コミュニ ティは発展します。ビジネスに おいても、企業そのものにおい ても、コミュニティの成熟こそ が、生産性とイノベーションの 基盤を築くのです。

Collaboration

Well-being

Purpose

Identity

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フロアの中央に位置するプロジェクトワーク向けの エリアは、多目的スペースとして機能します。 Confair フォールディングテーブルは簡単な操作で天板を 折りたたんだり、広げたりできます。フリップチャー トと Sitzbock は軽量で、持ち運んであっという間に セットアップができます。 Metrik はスタッキングがで きるので、使用しないときはトロリーに載せて、隣の ストレージに収納しておくことができます。もちろん、 Confair フォールディングテーブルもキャスターで 移動ができるので、チェアと一緒にストレージに収納 してしまえば、広いフラットスペースが生まれます。

特別なことをする必要はありませんが、できるだけ 頻繁に、いろいろな方法で身体を動かすことが健康 につながります。トリメンションを搭載したワーキン グチェアを使用して、着座時も身体を動かせるよう にしたり、腰を下ろす姿勢だけでなく、スツールによ りかかる姿勢で仕事をしてみたり、ミーティングのた めに家具をセッティングするときは、人任せにせず 自分たちでテーブルやチェアを移動したり、ワークス タイルに小さな変化を与えてみましょう。たとえば、 Confair フォールディングテーブルを使ってピンポン を楽しむ選択肢があっても、良いかもしれません。

H

Collaboration

Well-being

Purpose

Identity

雑音を気にせず、周囲に迷惑をかけず、情報 漏洩の心配なく電話ができる場所。そして、 目の前の仕事に集中できる場所。コンセント レーションブースは、現代のオフィスに最も 求められる場所の一つです。

リモートワークはまだ改善が必要な点や課題が多く、ワークスタイル の一つとして発展途上ではありますが、世界全体で加速度的に浸透し つつあることは事実です。オフィス内に、充実した接続設備を持つクロー ズドのブースがあれば、リモートでのグループワークの業務品質は格 段に向上するはずです。周囲の雑音をシャットアウトできるこのような ブースはまた、集中して仕事をするのにも最適な場所です。 ブース内のテーブルとチェアは、あえてブースごとにスタイルを変えて、 スタンティングとシッティングどちらでも選択できるようにします。家具 を変えて多くのシチュエーションに対応できるようにすれば、ブースの 用途を単にオンラインミーティングや個人作業用に限定してしまうこと なく、多機能なスペースとして活用できます。

I

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Collaboration

Well-being

Purpose

Identity

プロジェクトワーク向けのスペースには、スタイリッシュでフレキシブルな Versa テーブルが置かれています。 Versa テーブルは天板裏にジョイントパーツが取り 付けられており、レバーを動かすだけで、レッグの取り付け / 取り外しが簡単にでき ます。また、天板をまたいでレッグを取り付けることで、天板同士を連結させること ができ、テーブルトップをさまざまな形状に組み上げることが可能です。ポップ カラーのファブリックを使用した Occo シリーズが、空間に彩りを添えています。

H

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Collaboration

Well-being

Purpose

Identity

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この架空の出版社には、壁で隔たれた従来型の 個室オフィスは設けられていません。エグゼクティブ は、オープンプランのフロアとシームレスにつながる このスペースで、会社の指揮を執ります。執務・応 接・ミーティングのすべてが行われるこのテーブル の天板がオーバル型なのは、会社のトップもまた、 チームワークを重んじているというメッセージの あらわれです。

J

Nordhavn

Inspiration

建物の間を縫うように伸びるノードヘブンの小道を 散策すると、数多くの小さな発見に出会うことがで きます。新しいものと古いものが入り交じる多様性 をもちながら、コンパクトで洗練された印象なのは、 建物のファサードなどに多く用いられた直線が、地 区全体に統一感をもたらしているからかもしれませ ん。強い海風を避けた日当たりの良い場所には自然 と、人が集まります。このように自然発生的に人が 集う場所が、地域のコミュニティを強めていきます。

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人と人とのつながりを考えてデザイ ンされた場所、また、単に機能的な だけなく、オーセンティックで心の 琴線に触れる「何か」がある場所に、 人は集まります。

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Recap Solutions for any Setting

ビジネスを成功に導き、企業の成長を促す最大の 推進力は「人」です。その「人」にフォーカスした、サステ ナブルなオフィスをつくりたいのであれば、 human- centered workplace のコンセプトを取り入れることが 近道となります。現代のワークプレイスには、あらゆる文 化を持つ人々を受け入れる寛容性が必要です。そして 同時に、ワークスタイルの変化に合わせて、ワークプレ イスに求められるニーズも刻一刻と変わっていきます。 そのような時代において、画一的なデザインアプローチ では、アジリティに欠けると言えます。ウィルクハーンの Dynamic furniture が、多様性が進む現代のワークプレ イスに必要とされている理由は、まさにここにあります。

Recap

Testimonials

Soichiro Murai The Design Studio K.K., Japan

今まで得てきた経験から、一人一人好みが違う従 業員が全員一致で「好きだ」と感じる意匠は存在しな いと考えています。だからこそ、その企業らしさを 感じさせる一貫性を持たせつつ、それぞれのエリア に違う意匠のバリエーションを、一つでも多く盛り 込みたいと考えています。 多様性をもたせることで、それぞれの人が好きな意 匠を見つけて、楽しい気持ちになってくれる可能性 が高くなりますよね。導線をわかりやすくすることで 社員が社内を回遊し、好きな場所を見つけられるよう なプランを心がけています。 可動式の家具は時間と空間の有用性を高めてくれ ます。たとえば Timetable や mAx light のような可 動式のテーブルであれば、その空間をどんな用途で使 うときでも対応することができます。そういった フレキシビリティは、空間が大きくなればなるほど、 そのメリットは大きくなると考えます。 レッグなどディテールの美しさ、カスタマイズに対 する自由度の高さ、ウィルクハーンが持つグローバル での信頼度などが、採用の後押しをしてくれます。 たとえば、私が手掛けたあるプロジェクトでは、コラ ボレーションスペースが 3 フロアに各 1 箇所設けられ ていました。どの階もスペースの面積と形状、配置 した家具・床材は同一です。しかし、カーペットの パターンやペンダントライトの色はすべて違います。 ルールを作って、統一性と多様性を両立させました。

Stefano Colombo Stefano Colombo Architetto, Italy ウィルクハーンの製品は、いつの時代のものもオーセ ンティックな魅力を放ち、一過性の流行を追うものは ありません。このようなデザインに対する姿勢が、製 品が持つ卓越した機能性とフレキシビリティと相まっ て、ウィルクハーンブランドを形成していると考えま す。オフィスファニチャーは、用途にフィットしていると 同時に、人を引き付ける魅力をも備えていなければ なりません。 ウィルクハーンは、機能美とユーザーのニーズを見失 うことなく、イノベーションを進めるプロセスを熟知して います。ウィルクハーンの製品を配することによって、 ユーザー自らがどんどん進化させることができる、 可変性の高いワークスペースが生まれます。機能性と フレキシビリティを備えた魅力的なオフィス環境を つくることは、生産性を向上させるための理想的な 方法であり、究極的には、これが一番大切なことです。 私が最も関心があるのは、人と人とのインフォーマル なつながりを生むブレイクアウトエリアです。カフェ テリアやリラクゼーションエリアがそれに当たります。 これらはフレキシブルに、さまざまな用途で活用でき る場所であることが重要です。ウィルクハーンはまさ にこのエリアにおいて、興味深いポートフォリオを 豊富に持っています。

空間デザインのパターンを 増やせばそれに比例し て、家具の種類も増えま す。たくさんの家具を選ば なくてはならないとき、確 かな品質と高い機能を 持つウィルクハーンの家具 は、とても頼りになります。

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私はオフィスのプランニングを行う上で、従業員の健 康、ブランディング、そしてカスタマイゼーションを 3 本 の柱としています。オフィスには多様性が求められてい ます。カフェにバーカウンターやテーブル席があるよう に、 1 つの空間の中に様々なゾーンがあって、それを従 業員が選べることが理想ではないかと考えています。 たとえば ON や Stitz といった製品は、話題の糸口にな りやすく、会話のきっかけになってくれると思います。 また、立ってハイテーブルを囲んだり、床に座ることで 生まれる、今までのオフィスにない目線の高低差は、 新しいアイディアを生むきっかけになるのではと考えて います。そのような要素を取り入れた、レジデンシャル やホテル、さらには公園などアウトドアスペースを モチーフにしたオフィスプランニングも、面白いと思い ます。

Yasunobu Kato MEC Design International Corp., Japan 長い歴史の中で常に新しいものを世間に送り続け ているウィルクハーンの姿勢は、今回のクライアント である日本企業の企業姿勢に共通するものでした。 また、ウィルクハーン製品がもつ、品質の高さ、 信頼度の高さも、採用の決め手となっています。

こんにち、日本でもライフ=ワーク バランスの見直しがなされていて、 人の価値観は収入よりプライベー トや健康を重視するようにシフト してきています。健康を意識した オフィスファニチャーを様々な メーカーが出ていますが、ウィルク ハーンの製品は専門家と協働し、 しっかり裏打ちされたデータを提 示しているので、信頼がおけます。

Tamás Totszabo Pyxis Nautica, Hungary

私は、仕事やプライベートに何を求めるかについて、 ワーカーが自ら考えることが重要だと考えています。 モチベーションは、どこから得ることができるでしょう? 居心地の良さは生産性に大きな影響を与えます。 まず、ワーカーが自分でパーソナライズできるワークス ペースを考えることからスタートして、次に共用スペー スの快適性にこだわりました。とりわけキチネットと ラウンジは好評です。これらのリラクゼーションエリアは、 人間関係を構築し、クリエイティビティを育む上で、 とても大きな役割を果たしています。

Liora Safin LS Projects, Israel

ワークプレイスにおいて、オフィスファニチャーは非常 に重要な役割を果たします。ワークプレイスはそこで 働く人たちの仕事を助けることもできるし、温かく心地 よい気持ちにさせることもできます。ワーカーの Well-being を高め、生産性の向上にも良い影響を及 ぼす存在であると信じています。 私たちは、オフィスが自分たちのポテンシャルを最大 限に発揮できる場所になるよう、ウィルクハーンを 選択しました。ウィルクハーンが持つ豊富なポート フォリオの中から、デザインコンセプトや家具を設置 するエリアに合わせて、あらゆる面で私たちのオフィス に最適なソリューションを見つけることができました。 また、家具はニーズに合わせていろいろな使い方がで きなくてはなりません。ニーズはシチュエーションや エリアによって変化するので、フレキシビリティのない 家具では対応しきれません。私たちが求めたのは、 働き方やワーカーの好みそれぞれに、柔軟に適応して くれるオフィス環境で、ウィルクハーンの製品がそれを 実現してくれました。

長年にわたり培われた経験とノウハ ウ、幅広い製品ポートフォリオを持つ ウィルクハーンが私たちのパートナーで あることを嬉しく思います。タスクチェ アからラウンジファニチャーまで、多 機能でフレキシブルなオフィスをデザイ ンする上で欠かせない、豊富な製品群 が魅力です。

Recap

Wilkhahn

Innovative by Tradition Shaping Tomorrow’s World

前進する勇気、オープンマインド、「人」への強い関心は、イノベーターである ために、そしてパイオニアであるためにとても重要です。ウィルクハーンは、 世界中の科学やビジネスのスペシャリストたちと対話を続け、より優れたサス テナブルソリューションを探求し続けています。人々が本当に求めているもの が何かを知り、働く環境がデジタライゼーションされつつある現代において、 物理的な存在である家具が、どんな力を発揮するのかを追求していきます。

企業はいかにして、伝統と革新を両立するのでしょう。 ウィルクハーンのはじまりは、 1907 年に親戚同士の若い 職人が立ち上げた、小さな家具工房です。工房は少しず つ大きくなり、やがて工場と呼べる規模になりますが、 そこで働く職人たちは変わらず、自分たちが親方から学 んだこと、体験したことをもとに、長い時間習練を重ね、 その技巧を受け継いできました。戦後まもなく、バウハ ウスの教員や卒業生、そしてウルム造形大学とのコラボ レーションがはじまります。彼らの手法から多くを学び、 それを今まで積み重ねてきた知見に取り入れて、ウィル クハーンはみずからのデザインプロセスを組み立ててい きました。その指針となったのは、「製品は思想に従う ( the product follows the idea )」という原則です。 また、海外マーケットへの進出が本格的となり、その結 果世界各国から得られた膨大なインスピレーションと フィードバックによって、デザインプロセスはより磨きの かかったものとなっていきました。 Research イノベーションへの挑戦は、ウィルクハーンの基本姿勢で す。 1970 年代、ウィルクハーンはウルム造形大学出身の ハンス(ニック)・ロエリヒトと協働して人間工学の面から さまざまな研究を行い、オフィスワーカーは身体の動きが 圧倒的に足りない状態にあるという事実にたどり着きま した。その研究成果をもとに、着座時の身体の動きを意 識したチェアを発表します。 1980 年代の終わりに、サス テナビリティが中核的なテーマになると、ウィルクハーン は 2 人の名建築家、フライ・オットーとトーマス・ヘルツォー クの協力の下、エコロジカルなデザインコンセプトに基 づいた本社工場棟を竣工させ、ドイツ環境賞を受賞し ます。また、経験的なフィールドスタディから、人と人と のコラボレーションが今後ますます重要視されることを

予見し、 1994 年にテーブル、講演台、モバイルデスク、 ホワイトボードなどからなる可動式の家具シリーズ Confair を世に送り出しました。ウィルクハーンが本社を 置くドイツ・ニーダーザクセン州の州都ハノーファーで 2000 年に開催された万国博覧会では、「 Future of Work 」をテーマに、当時革新的だったモニタ埋め込み 型のカンファレンステーブルをはじめ、ハードウェアとソ フトウェアが統合されたプロトタイプの製品群を出展し ました。ハノーファー万博のこの展示によって、遠く離 れた場所にいる同僚やクライアントと、ヴァーチャル空間 で協働することができる近未来を、ウィルクハーンは世 界に示しました。さらに 2000 年代半ばからは、ケルン 体育大学と協力して、「正しい姿勢を維持することが健 康に良い」とする従来の静的な人間工学とは全く異なる、 「頻繁に姿勢を変えて、身体を動かすことが健康をつく る」という動的な人間工学に基づいた、まったく新しい ワーキングチェアの開発に取り掛かります。 5 年の開発期 間を経て発表された ON の登場によって、ウィルクハーン が半世紀にわたり提唱してきたコンセプト「 Dynamic office (動的なオフィス)」は、より輪郭のはっきりした ものとなりました。

優れたデザインは、 Well- being や目的意識、そして 帰属意識を高めてくれます。

Design サステナブルな製品であることは、その製品が使いや すく、人の役に立つことと同じくらい重要です。美しさ と機能性の両立にこだわりぬく姿勢は、何十年間も 変わることなく、ウィルクハーンが最も大切にしてきた

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フライ・オットーによる テント型の工場棟「パ ビリオン」が竣工し、続 いてトーマス・ヘルツォー クが設計したサステナ ブルな工場棟(写真)が 完成しました。「長く使 える製品を作り、その 利用価値を高め、廃棄 物を削減する」という ウルム造形大学の哲学 は、これら 2 つの建築 の中にも、確かに息づ いています。

もちろん、電源などのテーブルトップソリューションも、 ニーズに合わせて組み込むことができます。ウィルク ハーンの製品はどれも、さまざまな用途に対応するア ジリティを持っています。ユーザー自身が、スペースの 広さやシチュエーションに合わせて、セッティングを変 更することができるのです。たとえばレッグが折りたた める mAx light や、天板をフラップできる Timetable によって、空間はワークスペースにも、セミナールーム にも、ときにはパーティルームにも早変わりします。も う、「○○用の部屋」を個別に設ける必要はなくなるの です。このようにフレキシブルな家具を活用し、オフィ ススペースの汎用性を高めれば、ファシリティコストは もっと削減できるかもしれません。また、想定外のシ チュエーションにも臨機応変に対応できるという、安心 感が得られることも喜ばしい点です。 Health ウィルクハーンは、サステナブルな方法で、働く環境、 ひいては人の生活全体を、より良いものにしたいと 考えています。 Well-being と健康は、製品開発の中 核をなす要素です。また、化学物質の排出量削減は、私 たちにとって非常に重要な課題です。ウィルクハーンの ほとんどの製品が、室内空気質( indoor air quality ) の向上を目的とした厳格な環境基準「 Greenguard 」 の認証を取得しています。室内の不快なノイズを減らす 吸音効果が期待できる、レリーフエレメント Landing も商品化されています。ユーザビリティにこだわって デザインされた家具は、ユーザーに無用なストレスを 与えません。また、心身ともに健全な状態にあれば、 ヒトの免疫機能は向上します。そのため、精神的にも 身体的にも、ユーザーをアジャイルな状態へと導く 製品 、そしてデザインコンセプトを常に意識しています。

デザインの大原則です。なぜなら優れたデザインが、 そこで働く人々の Well-being や目的意識、そして帰属 意識に大きな影響を与えることを、ウィルクハーンは 経験から知っているからです。オフィスがベージュ、 グレー、ブラックばかりの単調な色使いに別れを告げた 今、ウィルクハーンでは、統一感のない色の寄せ集め を防ぐべく、統合的なデザインコンセプトを採用して います。各製品シリーズはそれぞれの特徴と個性を 持つ一方で、色、素材、仕上げ、そして洗練された アウトラインなど、シリーズをまたいで通底するテーマ を共有しています。たとえば、 Occo , Metrik , Aula , Sitzbock は、同じスキームに則してカラー展開がな されています。結果として、用途に合わせて複数のシリー ズの製品を社内で使っていても、それぞれの製品が共通 したデザインテーマを持っているので、煩雑な印象にな らず、全体的な統一感が損なわれることはありません。

フレキシブルな家具は、ワークスペース にアジリティをもたらし、コストを削減 し、想定外のシチュエーションに対応 できる汎用性を提供します。

Flexibility ウィルクハーンの製品は、さまざまな表面仕上げの バリエーションをもち、カラーの選択肢も豊富です。 したがって、建築や内装の多種多様なデザインコン セプトに合わせてチョイスをすることが可能です。 さらに、ファブリックや表面仕上げに加え、テーブル やデスクの形状、天板加工もオーダーメイドできます。

Contacts

Recap

Human-centered Workplace Global Contacts

London, England

Bern, Switzerland

Toronto, Canada

Chicago, USA

Madrid, Spain

New York, USA

If you require any further information about prices, lead times, features or technical details, please contact us as follows:

Germany tel: +49 5042 999 0 e-mail: sascha.heise@wilkhahn.de EU tel: +49 5042 999 105 e-mail: contact@wilkhahn.de Asia tel: +65 622 111 86 e-mail: info@wilkhahn.com.au US tel: +1 212 229 9455 e-mail: sales@wilkhahn.com AU/NZ: tel: +61 2 9310 3355 e-mail: info@wilkhahn.com.au

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Antwerp, Belgium

Rotterdam, Netherlands

Bad Münder, Germany

Poznań, Poland

Vienna, Austria

, Switzerland Zurich

Tokyo, Japan

Casablanca, Marocco

Shanghai, China

Hongkong, China

Dubai, UAE

Singapur, Singapore

Legend

Production facility Sales company Licensee

Brisbane, Australia

Sydney, Australia

Johannesburg, South Africa

Melbourne, Australia

1zu33 Architectural Brand Identity

Recap

1zu33 Innovative Office-Space Planning

human-centered workplace の土台となる理念とデザインを生み出すため に、ウィルクハーンはデザインスタジオ 1zu33 とパートナーシップを結びま した。経験豊かな建築家たちが、理論的・実践的な視点で、 human-centered workplace のコンセプトを掘り下げました。

このコラボレーションは、未来を見据えたオフィスデザ インとは何かを考える上で、「人中心型( human- centered )」であることをキー・ファクターに据える ことから始まりました。まずは、構想を練っていく中で 核となる 4 つのテーマ( Identity /Collaboration/ Purpose/ Well-being )を決定しました。 1zu33 の エグゼクティブパートナーである Georg Thiersch は 本プロジェクトについて、次のように述べています。 「コンセプトを理解しやすくするために、バーチャルオ フィス環境を開発しました。ノードヘブンにあると設定 した架空のオフィスは、オフィス環境を取り巻く核心 的課題への、示唆に富んだソリューションを提示し ています。建築家はここからインスピレーションを 得たり、自らのプロジェクトに合ったアイディア、そして 製品を選ぶことができるのです」 A people-centric approach バーチャルオフィスをコペンハーゲンのノードヘブン地 区に置くことに決めたのはもちろん、理由があります。 ノードヘブンはおそらく現在、ヨーロッパでは最もエキ サイティングなエリアです。大規模な都市開発が進行 中のこの場所にこそ、未来を見据えたオフィスが存在 するのにふさわしいと私たちは確信していました。また、 ノードヘブンの街並みは、建築と屋外空間が明確に分 断されておらず、どちらも同じ原則に則り、共生関係 にあります。このことも、そこで働き、地域とのコミュニ ティを形成する、人を中心にした human-centered workplace のコンセプトにぴったりだと感じました。

Multifaceted challenges このプロジェクトには、働く環境にまつわる課題と、 そのソリューションの提示がなされています。多くの 企業は優秀な人材をどうすれば雇用できるか、また、 せっかく雇った彼らをどうつなぎとめておくかに苦慮 しています。また、デジタル化、グローバル化および 環境問題への対応にも追われています。これらは、 大きな課題である反面、変革のチャンスとも言えます。 いずれにせよ、私たちの将来に大きな影響を与える、 重要なことばかりです。現代のオフィスは、機能面で も精神面でも、数多くのニーズを満たすことを求めら れています。また、オフィスにはクライアントやサプ ライヤーはじめ、さまざまな人が訪れます。社員とは 異なる形でその企業に関わる彼らすべてが、その企 業らしさを感じるオフィスデザインとは何かをめぐっ て、プランナーやアーキテクトもまた、頭を悩ませる ことでしょう。「この場合、ここで働く人とビジター のどちらにとっても、アイデンティティがもっとも 重要です」と、 1zu33 のエグゼクティブパートナー、 Hendrik Müller は強調します。

日常的にも、何か特別なときでも いつも、人々がその企業のアイデン ティティをオフィスから感じ取れる ことが、もっとも重要です。

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ハンスグローエ( Hansgrohe )、オッキオ( Occhio ) など、プレミアムマーケットを牽引する企業が名を 連ねます。これらの企業は、空間デザインこそが、 最も汎用性の高い強力なブランドコミュニケーショ ンツールであることを熟知しています。これはもち ろん、ハイブランドのショールームだけに言える ことではありません。アイデンティティを体現した オフィス空間もまた、社員とビジターの心を惹き つけてやまないツールとして機能するのです。

Employees as engineers of design この架空のオフィスは、これからのオフィスデザイン の青写真となること、また、インスピレーションの源と なることを目的につくられました。今まで本書の中で 述べてきたように、家具を動かさないことを前提とし てはいけません。オフィスが稼働したあと、必ず計画 時に想定していなかったニーズが生まれるということ を、念頭に置く必要があります。都市計画でもオフィ スプランニングでも、完璧なマスタープランなど存在 しないのです。 Georg Thiersch はさらに言葉を重ね ます。「このヴァーチャルオフィスはさながら、さまざ まなシチュエーションと働き方に対応して変化する、 フレキシブルなツールボックスのような存在です。変 更できないセッティングはなく、どれも自分たちで動 かして、アレンジすることができます。ワーカー自身 が、自らのワークプレイスのエンジニアになるのです」 Environments to reflect the brand 1zu33 は、アーキテクト、インテリアデザイナー、ブラン ドエキスパートからなる 25 名のチームで、多くの グローバルブランドの空間コンセプトを手掛けて きました。クライアントリストには、ウィルクハーン の他、ガゲナウ( Gaggenau )、イソップ( Aesop )、

Index

Seating

Product name

Product number

Page number

AT Mesh

187/71

10 14 33 45 52

AT Mesh

187/11

21

Counter chair

Occo multipurpose chair

222/22

24

Occo Conference

224/53

9 37 43 45 47 48 46 47 47

Occo task chair

221/42

221/41

Occo task chair

222/40 222/41 222/42

47 47 47

Occo bar stool

223/11

24

Occo bar stool

223/21

37 40 45 47

65cm

75cm seat height

62 / 63

Product name

Product number

Page number

Metrik

186/3

13 28 42

Graph Conference chair

302/5

34

IN

184/7

43

ON with contoured upholstery

175/73

9 48 49

Stand-Up

202

14 27 32 41 42 9 25 27 37 49

Sitzbock

204

※日本国内で取り扱いのない製品、日本版カタログ、プライスリストと品番が異なる製品が一部含まれます。詳しくはお問い合わせください。

Index

Tables

Product name

Product number

Page number

Travis height-adjustable

661/41

10

780/9

20

Insit

780/2

20 45 47

Insit

mAx Light

465/11

13 28

Timetable Lift

615/10

27 41

with board functionality

Timetable

610/00

10 14 33 41 52 14 33 41 43 52

Foldscreen

609/12

Aline table

236/2

28

64 / 65

Product name

Product number

Page number

Aline table

237/00

28

Occo table

222/81

24

Occo high table

222/91

37 40 45 47

Graph table

300/00

34

Versa table

638/51

9 37 48 46

636/00

Versa table

637/51

47

Semi-barrel shape left

Versa table

637/52

47

Semi-barrel shape right

Versa A-shaped foot section

636

46 47

※日本国内で取り扱いのない製品、日本版カタログ、プライスリストと品番が異なる製品が一部含まれます。詳しくはお問い合わせください。

Index

Tables

Product name

Product number

Page number

Confair folding table

440/00

43 42

Confair Flipchart

442/1

28

66 / 67

Soft seating

Product name

Product number

Page number

Insit

782/5

20 28 29

Insit

783/51

20

Insit

783/52

27

Insit

783/56

20

Insit

783/60

25

Insit

782/90

37

Landing

208/1+2

24

※日本国内で取り扱いのない製品、日本版カタログ、プライスリストと品番が異なる製品が一部含まれます。詳しくはお問い合わせください。

Legal notice

Design and concept development 1zu33 Architectural Brand Identity Ellie Zips-Pape Text s Burkhard Remmers Frederik Bellermann Ellie Zips-Pape 1zu33 Architectural Brand Identity

Images Wilkenin g + Hahne GmbH+Co . KG (p. 2, 57) 747 STUDIOS GmbH (Cover, p. 27) Rasmus Hjortshøj – COAST (Nordhavn imagery: p. 10, 16, 18, 19, 21, 26, 38, 39, 43, 50, 51) Laura Mayer (Illustrations p. 54, 55) Verena Kathrein (p. 61) Stocksy (p. 3, 14, 24, 44, 49) Pexels (p. 3, 13, 29, 32, 35, 36, 41) Unsplash (p. 9)

All other images for Wilkhahn by: The Subdivision Kim Büttner und Marcus Büttner GbR

© 2020 Wilkhahn Wilkening + Hahne GmbH+Co. KG Fritz-Hahne-Strasse 8

31848 Bad Münder Germany

日本語版製作 ウィルクハーン・ジャパン株式会社 www.wilkhahn.co.jp

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